ライダーズ・オブ・ジャスティスの紹介:2020年デンマーク,スウェーデン,フィンランド映画。妻が列車事故で亡くなり、アフガニスタンで任務に就いていた軍人マークスは娘のもとへ帰国する。悲しみに暮れる娘を前に無力感にさいなまれるマークスだったが、ある日彼のもとを2人の男が訪ねてきた。その中の1人は、妻と同じ列車に乗っていたという数学者オットー。彼は、ライダーズ・オブ・ジャスティスという犯罪組織によって計画された事故だとマークスに告げる。怒りに震えるマークスは妻の無念を晴らすため、オットーらの協力を得て復讐に身を投じていく。デンマークのアカデミー賞と言われるロバート賞で最多15ノミネートを果たし、主演女優賞、助演男優賞、作曲賞、視覚効果賞の4冠に輝いた。
監督:アナス・トマス・イェンセン 出演:マッツ・ミケルセン(マークス・ハンセン)、ニコライ・リー・コース(オットー・ホフマン)、アンドレア・ハイク・ガデベルク(マチルデ・ハンセン)、ラース・ブリグマン(レナート・ガーナー・ニルセン)、ニコラス・ブロ(ウルフ・エメンタール)、グスタフ・リンド(ボダシュカ・リトビネンコ)、ローラン・ムラ(カート・“タンデム”・オーレセン)、アルバルト・ルズベク・リンハート(シリウス)、アンネ・ビルギッテ・リンド(エマ)、オマー・シャガウィー(パレ・オーレセン/アハロン・ナハス・シャディッド)ほか
映画「ライダーズ・オブ・ジャスティス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ライダーズ・オブ・ジャスティス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ライダーズ・オブ・ジャスティスの予告編 動画
映画「ライダーズ・オブ・ジャスティス」解説
この解説記事には映画「ライダーズ・オブ・ジャスティス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ライダーズ・オブ・ジャスティスのネタバレあらすじ:起
バルト海沿岸に位置するエストニアの首都タリンで、白いひげを蓄えた男が姪と自転車屋を訪れ、クリスマスプレゼントとして赤い自転車を購入しようとしていました。しかし姪は「赤は嫌、青い自転車がほしい」と言い出し、その場では購入せず店主に入荷を依頼して2人は去っていきました。
それを受けてデンマークのコペンハーゲン郊外では、覆面の男たちが道に置かれた青い自転車の鍵を手際よく外し車で運び出しました。
その翌日、自転車を盗まれて不機嫌なマチルデは母エマに学校へ送ってもらうために車に乗り込みました。するとそこへアフガニスタンに派兵されている父マークスから、任務が延びしばらく帰れないと連絡が入ります。エマは沈みそうになる気持ちを晴らすために、マチルデに学校を休んで街へ遊びに行こうと提案します。
地下鉄は混んでいて2人とも座れずに立っていました。そこへ、同じ車両に乗り合わせていた今日解雇されたばかりの数学者オットーが、エマに席を譲ってくれました。すると次の瞬間、列車は激しい衝撃音と共に何かと衝突し、多くの死者を出す大惨事が起こります。マチルデの母エマも被害者の1人でした。
ライダーズ・オブ・ジャスティスのネタバレあらすじ:承
訃報を聞いたマークスは急遽アフガニスタンから帰国。すっかり心を閉ざしてしまった娘を慰めようと努めますが、父娘ともなかなか立ち直ることができませんでした。
そんな中、マチルデと同じ車両にいたオットーが同僚のレナートを伴ってマークスを尋ねてきました。彼の話では、事故は“ライダーズ・オブ・ジャスティス”というバイカーギャングが、殺人事件の重要な証人を暗殺するために周到に計画された事件だとのこと。怒りに震えるマークスは彼らに復讐を誓いました。
エマに席を譲ったことで責任を感じていたオットーはレナートを連れて、凄腕の顔認証プログラマーのエメンタールを尋ね、事故直前に下車した男の情報を探りました。
その結果、顔認証で一致率99.12%の男シャディッドが導き出されました。しかしこの男の居住地区はエジプトのカイロ。さらに一致率を下げて検索すると、パレ・オーレセンがヒットしました。しかもパレの兄はライダーズ・オブ・ジャスティスのリーダー。これで疑う余地はありません。マークスは3人の学者たちを率いて、パレの住む自宅へと向かいました。
出てきたパレは物騒に銃口をこちらへ向け、追い払おうとしましたが、自供を引き出す前に、マークスが素早い動きで相手の首を掴みたった一撃で折ってしまいました。無意識のうちに口より先に手を出してしまったことに後悔の念を見せるマークスでしたが、さらに驚いたことにパレの自宅の奥でウクライナ人のボダシュカという青年が拘束されていました。マークス達は一目散にその場を離れました。
ライダーズ・オブ・ジャスティスのネタバレあらすじ:転
さらにマークスはライダーズ・オブ・ジャスティスを壊滅すべく、彼らのたまり場に出向きメンバーの下っ端たちを皆殺しにしていきます。しかし、彼らも黙ってはいませんでした。ボダシュカの証言をもとにマークスたちを割り出し、襲撃しにやってきたのです。
激しい銃撃戦の末、リーダーには逃げられたものの、もはや誰にもマークスを止めることができませんでした。レナートは現場にひとり残されたボダシュカを助け、マークス家に居候させることに。ボダシュカはその対価として家事をすることにしました。
マチルデは悲しみから立ち直れないままでした。裏で父親やソーシャルワーカーを名乗る大人たちが何やら企んでいる様子に違和感を抱き、一層親子の距離は離れていきます。
そんな中、オットーがマチルデの部屋を尋ねます。そこには、深い悲しみの原因を探ろうとするマチルデによって、壁いっぱいにメモが貼られていました。
自転車が盗まれていなければ…。父の任務が延期にならなければ…。オットーが席を譲らなければ…。そうすれば母はあの時間にあの事故に遭うことはありませんでした。そんなマチルデにオットーは優しく寄り添います。
オットーは妻と娘を亡くしていました。彼は荒れるマークスに今からでもマチルデとやり直すことができると諭しました。
さらに、ボダシュカから衝撃のひとことが告げられます。ウクライナで貧しい生活を送っていたボダシュカは、親に売り飛ばされパレに買われたとのことでしたが、デンマークに入ってきたのが事件の直後。つまり、パレが事故を起こした列車に乗車することは物理的に不可能であり、列車はただの偶然の事故で引き起こされただけだったのです。
この言葉に怒りのやり場をなくした、マークスは正気を失ってしまっていました。
ライダーズ・オブ・ジャスティスの結末
しかし、ライダーズ・オブ・ジャスティスはそんな事情は知りません。これまでの復讐をするために、マチルデの彼シリウスのSNSからマークス宅の場所を突き止め襲撃します。ひとり反撃に向かうマークスでしたが、外には人質として囚われているマチルデとシリウスの姿が。しかたなくマークスは銃を置き、自分に向けられたたくさんの銃口を前に覚悟を決めました。
ところがその次の瞬間、けたたましい銃声とともに、オットーたちが銃撃し撃退します。娘の命を守ることができたマークスでしたが、瀕死の状態でマチルデを抱きかかえるのがやっとでした。
クリスマスがやってきました。
マークスの自宅ではマチルデと学者たち、そして怪我から復帰したマークスの姿がありました。全員が笑顔で迎えることができたクリスマスは、幸せに溢れていました。
雪が降り積もるエストニア、タリンにある一軒家では、家の前に置かれた青色の自転車に喜ぶ少女の姿がありました。少女は早速自転車にまたがり、雪道を走って見せたのでした。
以上、映画「ライダーズ・オブ・ジャスティス」のあらすじと結末でした。
「ライダーズ・オブ・ジャスティス」感想・レビュー
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偶然か、それとも事故か。
現実を見すぎず、何かに縋ったり祈ったりすることの重要性を問う今作。昨年公開のアナザーラウンドに引き続き、マッツはやっぱり魅せてくれますね、、。エメンタール含め3人のおじさんたちのブラックユーモア溢れるやりとりにはめちゃくちゃ笑えたし、スリリングなんだかコメディなんだかのバランスがとれてて最高でした。 -
きっかけと結末が、きっちりしていて、それでいて、たった一つのミスがドラマを生む。すごく楽しんで納得させられました。いい映画でした。
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妻の復讐という目的は果たせたのか?
いやいや、それ以上に救われた人達がいる
それぞれが抱えた過去の呪縛
そこから解き放たれた人達の笑顔が最高です
一人一人の演者が光る作品。 -
マッツが好きで観た映画です。
マッツよかった。すごくよかった。
ハッピーエンドもよかった。
しかし、でもこれ警察の事情聴取とかどうなったの?こんなに殺しちゃったのに、不問なの?え?どうなってんの?という疑問が残ってかなりモヤモヤしました。
でもマッツがよかったので最高に面白かったです!
大切な人を失った時心の喪失をどう埋め合わせしていくのか。
単なる復讐劇ではなかった。
思わぬ展開に、デンマークのブラックコメディであり、セラピー映画。
皆キャラ濃い。
主役はアナザーラウンドのマッツ・ミケルセン。
同一人物とは思えず、役者さんって凄い。