リプリーズ・ゲームの紹介:2002年イタリア,イギリス,アメリカ映画。パトリシア・ハイスミスの小説『アメリカの友人』を映画化。原作を同一にする作品として、ヴィム・ヴェンダース監督の「アメリカの友人(1977年)」がある。犯罪で大金を手に入れ静かに暮らしていたリプリーのもとに、マフィアの暗殺依頼が舞い込んだ。リプリーはゲーム感覚で、以前自分を侮辱した額縁職人ジョナサンを実行犯に推薦する。病魔に冒されたジョナサンは家族のため犯罪に手を染めるが、一度道を踏み外した彼に待っていたのは転落の人生だった。
監督:リリアーナ・カヴァーニ 出演:ジョン・マルコヴィッチ(トム・リプリー)、ダグレイ・スコット(ジョナサン・トレヴァニー)、レイ・ウィンストン(リーヴス)、レナ・ヘディ(サラ・トレヴァニー)、キアラ・カゼッリ(ルイーザ・ハラーリ)ほか
映画「リプリーズ・ゲーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リプリーズ・ゲーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
リプリーズ・ゲームの予告編 動画
映画「リプリーズ・ゲーム」解説
この解説記事には映画「リプリーズ・ゲーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リプリーズ・ゲームのネタバレあらすじ:起・ゲームの始まり
舞台は現代ドイツ、ベルリン。裏稼業を営むトム・リプリーは、贋作の絵画を使って何百万ドルもの大金を手に入れました。リプリーは常に冷静沈着な男で、必要とあらば殺人さえ眉ひとつ動かさずに実行します。
3年後。彼はイタリアに移り住み、ハープシコード奏者の妻ルイーザと豪邸に暮らしていました。そんなある日、リプリーは近所に住む額縁職人のジョナサン・トレヴァニーの誕生日パーティに招かれます。しかしジョナサンはリプリーのことを、センスの無いアメリカ人だと言って侮辱していました。リプリーが静かな怒りを漲らせ帰宅すると、思わぬ客が来ていました。
裏稼業時代の知人、リーヴスです。横柄で図々しい彼は、迷惑そうなリプリーに殺しの依頼を持って来ました。商売敵であるロシアン・マフィアのボスを消して欲しいというのです。そっけなく追い返したリプリーでしたが、その夜、ルイーザから興味深い話を聞かされました。ジョナサンは慢性の骨髄性白血病に冒されており、余命幾ばくもないそうです。そこでリプリーは、ジョナサンを暗殺者としてリーヴスに推薦しました。素人であれば足がつきにくい上、自分を侮辱した件の報復にもなると考えたのです。
突然リーヴスから殺人を依頼されたジョナサンは、当然ながら断りました。しかし遺される妻サラと幼い息子の将来を案じ、大金が手に入るならと依頼を受けることにします。
リプリーズ・ゲームのネタバレあらすじ:承・戻れない日常
ベルリンへ向かったジョナサンは、リーヴスの指示通りターゲットを射殺しました。これに気を良くしたリーヴスは、ライバル同士の抗争に見せかけるためウクライナのマフィアも殺害する計画を立てます。美学に反する計画に、リプリーはリーヴスを脅して中止させようとしました。しかしリーヴスは家族にも危険が及ぶとジョナサンを脅迫し、結局依頼を引き受けさせてしまいます。
デュッセルドルフ行きの列車に乗り込んだジョナサン。今回のターゲットは部下を2人も連れており、明らかに手に負える相手ではありません。ピンチに陥ったジョナサンを助けたのは、行動を予想して列車に乗っていたリプリーでした。彼はトイレでマフィアのボスとその手下1人を絞殺。2人目の手下はジョナサンが射殺します。
リプリーは酷い精神状態のジョナサンを家まで送り届けました。隠していた報酬の大金を見つけたサラが激怒して待ち構えていましたが、ジョナサンは真実を話しません。夫婦の仲はどんどん悪化していきました。
リプリーズ・ゲームのネタバレあらすじ:転・忍び寄る報復
全ては終わったかに思われましたが、思わぬ出来事が発覚します。ジョナサンが撃った男が生き延びていたのです。マフィアの襲撃チームはリーヴスを捕らえ、リプリーとジョナサンのことを吐かせました。リプリーは敵の襲撃に備え、ルイーザや家政婦を家から遠ざけます。ジョナサンにも近付くなと警告しますが、彼は構わずリプリーの家にやって来ました。
緊張の夜が明け、朝方ついに襲撃チームが現れます。張っておいた罠に捕まった男を脅し、人違いだったと報告させた上で射殺しました。ところがそこに、ジョナサンを心配したサラが来てしまいます。動転したサラは追いすがるジョナサンを拒絶し、荒々しくリプリーの家から出て行きました。
リプリーは襲撃犯の車に遺体を積み込みます。トランクにはリーヴスの遺体も隠されていました。川で遺体ごと車を焼き払ったリプリーは、その後自分の車でジョナサンを家まで送ります。リプリーが暗殺者リストから完全に外されたと保証すると、ジョナサンは少し安心したように家へ帰っていきました。
リプリーズ・ゲームの結末:ゲームオーバー
ジョナサンが家に入ると、2人組の男がサラを人質に取り銃口を向けてきました。襲撃チームはまだ残っていたのです。彼らはリプリーの居所を吐かせようとしますが、ジョナサンは決して口を割りませんでした。じれた男達がサラを殺害しようとすると、異変を察知したリプリーが助けに駆けつけます。
襲撃チームを射殺するリプリー。その際、ジョナサンがリプリーを庇って敵の凶弾に倒れました。ジョナサンはリプリーに笑みを見せ、泣き叫ぶサラの膝で絶命します。リプリーはサラに淡々と次の指示を与え、静かにトレヴァニー家を出ていきました。
夜。リプリーはルイーザのコンサート会場へ足早に向かっていました。少し遅れて到着したリプリーを見つけたルイーザは、安堵したように笑みを見せ演奏を始めます。ハープシコードの音色に聞き入りながら、リプリーはジョナサンの最期を思い出していました。物悲しげな音楽と共に、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「リプリーズ・ゲーム」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する