ロビンとマリアンの紹介:1976年イギリス映画。伝説の英雄ロビン・フッドの晩年を描いたロマンス&アドベンチャー作品。十字軍遠征に赴いていたロビン・フッドが、20年ぶりにシャーウッドの森へ帰還した。懐かしい仲間に再会し、かつての恋人マリアンとの愛を取り戻そうとするロビン。しかし悪政に苦しむ民衆に熱望され、ロビンは宿敵との戦いに身を投じるのだった。マリアン役のオードリー・ヘプバーンにとっては「暗くなるまで待って(1967年)」以来の出演作。
監督:リチャード・レスター 出演者:ショーン・コネリー(ロビン・フッド)、オードリー・ヘプバーン(マリアン)、リチャード・ハリス(獅子心王リチャード)、ロバート・ショウ(ノッティンガムの代官)、ニコル・ウィリアムソン(リトル・ジョン)ほか
映画「ロビンとマリアン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロビンとマリアン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ロビンとマリアン」解説
この解説記事には映画「ロビンとマリアン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロビンとマリアンのネタバレあらすじ:ロビン・フッドの帰還
舞台は中世ヨーロッパ。イングランドの獅子心王リチャードに仕え、十字軍遠征に赴いたロビン・フッド。気が付けば20年もの歳月が流れ、彼も40歳になっていました。残虐なリチャードは子どもや老人しか残っていない城を、宝目当てに落とせと命令します。これに反抗したロビンは、相棒リトル・ジョンと共に処刑を言い渡されてしまいました。しかしリチャードは城に逃げていた老人の矢を首に受けてしまい、それが原因で死亡します。死の間際、リチャードはロビン達を無罪放免としました。そこで2人は故郷イングランドのシャーウッドの森へ帰ることにします。20年ぶりに帰還した森で仲間のタック、ウィルと再会。他の仲間はなかなか戻らないロビンを死亡したものと思い、去ってしまったそうです。リチャードの後を継いだ弟のジョン王は悪政で民衆を苦しめていました。そしてかつての恋人マリアンがカークリーの修道院に入ったと聞き、ロビンは早速会いに行きます。
ロビンとマリアンのネタバレあらすじ:再会
修道院の院長になっていたマリアンは、今は尼僧の身だとロビンを拒絶します。しかも王の聖職者追放命令に背いたことから、ノッティンガムの代官に連行されることになっていました。ロビンはマリアンを殴って気絶させ、森へ連れて帰ります。マリアンはロビンが十字軍遠征で、神の名のもとに異教徒を殺害したことに心を痛めていました。今更俗世間に戻る気は無いと告げるマリアン。ロビンは仕方なく、翌朝彼女を修道院まで送ります。そこで他の尼僧達が代官に連行されたと知り、ロビンはジョンを連れて代官の城へ馬を走らせました。2人は尼僧達を逃がそうとしますが、門を閉ざされ捕まりそうになります。門をよじ登ったロビンとジョンは、疲れきった体に鞭を打ちながら敵の兵士を倒していきました。そこにウィルやタック、マリアンも駆けつけ、何とか全員無事に森まで逃げきります。ロビンを敵視するラナルフ卿は彼らを追いかけ森に入りますが、そこは既にロビンのテリトリー。あっさり撃退されてしまいます。
ロビンとマリアンのネタバレあらすじ:マリアンの愛
隠れ家でようやくロビンと落ち着いて話すマリアン。彼女は迷っている様子で、「私が欲しい?」と尋ねます。ロビンは彼女を抱きしめ、キスを交わしました。2人は満ち足りた愛の日々を送りますが、ロビンの帰還を知った農民達が続々とシャーウッドの森へ集まって来ます。ロビンに仕えて王と戦うと意気込む彼らに、争いを好まないマリアンは心を痛めるのでした。一方ラナルフはこの動きをジョン王に仕え、援軍を得て代官と共にシャーウッドの森へ向かいます。しかし代官は森の手前の野原で野営キャンプを張り、そこから一向に動こうとしません。彼は経験上、森でロビンと戦っても勝てないことを知っていたのです。痺れを切らしたロビンは森を出て戦うと言い出します。マリアンは反対し、ロビンが意見を変えないなら自分は森から出て行くと告げました。しかしロビンの決意は固く、マリアンは説得に失敗します。明朝、出陣するロビンにマリアンは「さよなら」と言葉をかけるのでした。
ロビンとマリアンのネタバレあらすじ:対決
森を出たロビンは代官に一騎打ちの代表戦を提案します。代官も承諾し、2人は1対1の戦いに挑みました。固唾を飲んで見守る両陣営。しかし老いた2人の戦いはなかなか決着がつきません。たまらず戻って来たマリアンは、傷つくロビンを見て悲しみます。最終的にロビンが勝利しましたが、彼自身も深手を負わされていました。それを好機と見たラナルフは約束を違え、兵を率いて突っ込んで来ます。ラナルフはジョンが倒しましたが、仲間達は敗走を余儀なくされました。マリアンとジョンはロビンを助け起こします。血に塗れたロビンを見たマリアンは、薬がある修道院へ行くことを提案しました。
ロビンとマリアンの結末:2人の最期
修道院のマリアンの部屋に到着した3人。マリアンは杯に薬を注ぎ、それをこっそり飲み下します。ジョンに見張りを頼み2人きりになったマリアンは、薬をロビンに飲ませました。しかしそれは薬ではなく、毒だったのです。動揺しジョンを呼ぶロビンに、マリアンは「愛してるわ。何よりも」と囁きます。ロビンもまた「これでいい」と納得した様子でした。弓矢を手に取ったロビンは駆けつけたジョンに、矢が落ちたところに自分とマリアンを一緒に埋めてくれと頼みます。瀕死のロビンは窓から弓矢を放ちました。イングランドの空に弓矢が消えていき、この物語も終わりを迎えます。
以上、映画ロビンとマリアンのあらすじと結末でした。
剣豪映画が好きな私にとって、ロビン・フッドの名は限りなくロマンティックなノスタルジーを誘うヒーローだ。
プランタジネット王朝のイングランドのシャーウッドの森に、一党を引き連れてこもり、悪の大王や悪代官を懲らしめたこのアウトローほど、何度も映画のヒーローになった人物もいないだろう。
サイレント映画時代のダグラス・フェアバンクスから、エロール・フリンを経て、ディズニー映画のリチャード・トッド、マカロニ剣豪映画のレックス・パーカー、新しいところではケヴィン・コスナーに至るまで、数々のスターがロビン・フッドを演じたものだ。
時には、コーネル・ワイルドやジョン・デレクが、ロビン・フッドの息子という肩書で、若き日の冒険を華やかに繰り広げて見せたりもしていた。
この才人リチャード・レスター監督の「ロビンとマリアン」は、十字軍の遠征から18年ぶりに故国に戻ったロビン・フッドと、今や修道院の院長となっているマリアン姫が再会する”ロビン・フッド物語”の後日譚だ。
この無法の森のヒーロー、ロビン・フッドも年をとり、その晩年のロマンスと活躍が、この久し振りの”ロビン・フッド物語”の新しい映画化作品でもあるのだ。
髪も薄く、あごひげも白くなったロビン・フッド(ショーン・コネリー)が、シャーウッドの森に帰ってくるところなど、実に感動的だ。
そして、久し振りに再会するマリアン姫は、修道院の院長になっている。
このマリアン姫を演じるのは、顔にも首筋にも手の甲にも皺が目立つようになった、当時47歳のオードリー・ヘプバーン、前作「暗くなるまで待って」の出演後、一時引退してから9年ぶりのカムバック作品だ。
ショーン・コネリーが、男の優しさと逞しさを体現していて、本当にこの人はいい感じの年のとりかたをしているなと感じるし、対するオードリー・ヘプバーンも相変わらずキュートで、”永遠の世界の恋人”としての彼女の魅力も健在で、実に素敵だった。
リチャード・レスター監督らしい、調子っぱずれだが、リアルで強烈な悪代官のロバート・ショーとショーン・コネリーの剣と斧による長い壮絶な決闘も大いに楽しませてくれる。
瀕死のロビン・フッドが最後の力を振り絞って、大空に弓を射るシーンは、実に美しく感動的だ。
そして、この永遠に向かって飛んでいく矢のショットで映画は幕を閉じる——–。