ラウンダーズの紹介:1998年アメリカ映画。キャッチコピーは「一流の弁護士の道を捨てるか…、天才ラウンダーが男を賭けた勝負に挑む!!」で、闇のポーカー・ゲームに魅了された天才的なラウンダーズ(勝負師)の青年・マイクをマット・デイモンが演じた青春ドラマです。主人公マイクを中心に、ポーカー・ゲームの世界で生きる人間模様をクールに描き、緊迫感迫るカードゲームの心理戦をスリリングに描いたギャンブル映画です。
監督:ジョン・ダール 出演:マット・デイモン(マイク・マクダーマット)、エドワード・ノートン(ワーム)、ジョン・タートゥーロ(ジョーイ・クニッシュ)、ファムケ・ヤンセン(ペトラ)、グレッチェン・モル(ジョー)、ほか
映画「ラウンダーズ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラウンダーズ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ラウンダーズ」解説
この解説記事には映画「ラウンダーズ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラウンダーズのネタバレあらすじ:1.プロローグ:「ラウンダー」と呼ばれる人間
舞台はアメリカ・ニューヨーク、ある日の夜、ベッドで眠りに落ちた恋人にキスして、部屋の至る所に隠しておいた100ドル紙幣の札束をかき集め、それを持って出ていく1人の青年がいました。彼はマイク・マクダーモット、ポーカーで生計を立てる「ラウンダー」と呼ばれる人間の1人でした。彼はいつもこう考えていました。「勝負には鉄則がある。最初の30分でカモを見つけられなければ、自分がカモになる」と。
ラウンダーズのネタバレあらすじ:2.マイクの大勝負
マイクは“ラウンダー”として、「『生活のためのポーカーはビジネスと変わらない。冒険は避け、手堅く勝っていけと』。…勝てる確信のある時にだけ賭け、後は下りてチップを減らさない」というポリシーで、法科大学の学費を稼いできました。しかし、マイクはまだ本物のプロのポーカー・プレーヤーではありませんでした。彼はその夜、「何かもの足りない。慎重も度が過ぎると、人生そのものが退屈になる」と感じ、ある闇のテディKGBの賭場に行きました。テディKGBは、ロシアンマフィアのトップとも親しくあまり付き合いたくない人間でした。マイクは、ポーカーでコツコツと貯めてきた3万ドルを元手に、ハイレートで大勝負することに決めていました。その賭場には、マイクのこの闇の賭場で唯一の友達で、プロ中のプロのラウンダー“ジョーイ・キネッシュ”がいました。ジョーイはマイクが手にしているチップを見て、ここで勝負せず、別の安全に勝てる賭場へ行けと忠告してくれましたが、今日のマイクはそういう気持ちでここに来たのではありませんでした。ジョーイはマイクの気持ちを察し、励ましました。マイクは一番レートの高く、リミットなしの場で勝負しました。そんな場には間抜けな金持ちが集まり、それを狙うサメも寄ってくるので、「勝負の鍵はカードではなく、人間」にありました。その場はテディKGBがいました。マイクは、テディKGBと一対一の勝負の場面に遭遇しました。テディは何か考えるとき、「触るな」と書いている箱に入ったビスケットを食べるのが癖でした。その時、マイクの手持ちのカードにはフルハウスが完成していました。マイクの読みでは、自分の勝利を確信していました。マイクはテディにブラフをかけて、うまい具合にマイクは彼に全財産を賭けさせました。勝利を確信していたマイクも全財産を賭けました。しかし、蓋を開けると、テディのカードはマイクのカードよりも強いエースのフルハウスでした。この瞬間、マイクは全財産を失いました。落ち込むマイクをジョーイは励ましましたが、マイクはこれに懲りてポーカーを止めることにしました。
ラウンダーズのネタバレあらすじ:3.マイクの誓いと旧友ワームの出所
その後、マイクは真面目に荷物運びのバイトをしながら、法科大学に通いました。マイクの成績は優秀で、担任のエイブ・ペトロフスキー教授にも気に入られていました。ただ、マイクはふとテディとの勝負に負けたときのことを思い出し、ラウンダーズの大原則「常に上の手を考えろ」ということを自分が忘れていたことを反省していました。ある夜、マイクがペトロフスキー教授に頼まれていた資料を届けに行くと、部屋では教授が仲間たちとポーカーを楽しんでいました。みんなの腕前はマイクから見れば、それはお粗末なものでした。見物していたマイクは、我慢しきれずについ口をはさんでしまいました。そして、マイクは全員の手を当てれば、教授の助手のリストのトップに書いておくという条件で、彼は全員の手札と狙いを全て言い当て、教授たちを驚嘆させました。この事をきっかけに、ペトロフスキー教授のマイクへの好感度は、ますますアップしました。バイトから朝帰りで家に帰ったマイクは、恋人ジョーに昨夜の教授たちがポーカーをしていたときのことを話しました。ジョーは、マイクがポーカーと決別するという誓いを破ったと勘違いして、つい怒ってしまいました。しかし、マイクは「ポーカーはやってない」という言葉を信じ、直ぐ仲直りしました。ジョーが仕事に出る間際に、マイクは明日、兄弟同然の旧友・ワームが刑務所から出所するので、彼女の車を貸してほしいと頼みました。ジョーは了承しましたが、「みみず(ワーム)だなんて、そんなあだ名の人とよく付き合えるわね」と言って仕事に出ていきました。翌日、マイク刑務所から出所するワーム(本名:レスター・マーフィー)を車で向かいに行きました。マイクとワームとは幼い頃からの付き合いで、2人とも貧しい家庭で育ち、裕福な金持ちの生徒から金を巻き上げることばかりしてきました。ある日、2人は欲をかき、バスケの対外試合で八百長を仕組んだことがバレてしまい、選手のチクリでワームは逮捕されたのでした。学校側はワームに仲間の名前を教えれば、罪を軽くするという取り引きを持ちかけましたが、ワームは決して仲間のマイクの名は言わず、退学処分になりました。そのため、マイクはワームに大きな借りがあり、ワーム以上の親友はいませんでした。ワームのポーカーの腕前はまあまあでしたが、刑務所でポーカーをしている間に、イカサマの腕はかなり上達したと自慢しました。ワームはマイク以外の人から約1万ドルの借金があり、出所したばかりなのにお金が必要だと言い、知り合いの家の賭場で金持ちのお坊ちゃんからポーカーで金を稼ごうと、マイクを誘いました。しかし、マイクは誓いを守り、ワームの誘いを断り、その知り合いの家で彼を降ろし、車で家に帰ろうとしました。車で家路を急ぐマイクは、ワームのことが気になり、ワームの所に戻りました。「ポーカーの勝者の告白の中で、賭で勝ったときの金額を覚えているプレーヤーは少ないが、手ひどく負けたときの額は誰もが驚く程の正確さで覚えている」と言う言葉がマイクの脳裡に浮かび、始めは見ているだけと思っていましたが、誓いを破り、マイクは再びポーカーの世界へ入っていきました。ワームはイカサマをし、マイクもワームに合わせますが、誰も気付きませんでした。「バカな大金を持つことこそ、不道徳だ」という言葉をマイクは思い出しながら、2人は圧勝しました。ワームのイカサマの腕は、自慢していたように、刑務所で更に磨きがかかり、名人の域まで達していました。
ラウンダーズのネタバレあらすじ:4.追い込まれるワーム
翌日、約1万ドルの借金があるワームにとって、昨夜での稼ぎは小金でした。ワームはマイクにもぐりの賭場を紹介してくれと頼んできました。マイクはペトラという女性が経営している彼のなじみの賭場に案内しました。そこはマフィアの組員などもいる賭場で下手なことをすると殺されるかもしれない危険な所でした。マイクはワームに絶対にイカサマをするなと忠告し、家に帰り、学校に行きました。学校で、マイクは恋人ジョーと友人たちとで、模擬裁判での弁護の仕方について打ち合わせをしました。すると突然、ジョーイがやって来ました。ジョーイはマイクを外に連れ出し、ワームがあの賭場でイカサマをやっていることを伝えました。マイクは「羊の毛は何度も刈れるが、皮は一度しか剥げない」という格言をワームに聞かせたいと思いながら、彼のところに急行しました。マイクは、ワームにイカサマを直ぐにやめるようにきつく言いましたが、彼はマイクの言うことに聞く耳を持ちませんでした。この日の賭場では、ワームのイカサマはばれませんでした。ワームはその賭場で信用貸しでプレーしていましたが、精算時にその信用貸し分をマイクの付けにしました。勝って稼いでも借金を返さず、マイクの付けで賭場でプレーしていたワームに、グランマと名乗る男がやって来ました。グランマはワームの借金1万5千ドルを立て替え払いしたので、自分に2万5千ドルの借金を払えと迫ってきました。しかも、利子は今も生きており、自分の相棒はあのテディKGBだと言い、脅してきました。ワームには逃げ場はありませんでした。ワームは1週間待ってくれと頼みましたが、グランマは、とりあえずワームから今の手元ある1万ドルだけをむしり取り、去って行きました。
ラウンダーズのネタバレあらすじ:5.5日間以内に1万5千ドル
ある日、マイクが家で1988年のポーカーの世界選手権のビデオを観ていると、ペトラが訪ねてきました。2人は暫く、そのビデオを観て、チャンピオンになったチャンの腕前と精神力に魅入っていました。実はペトラはワームの借金をマイクに取り立てに来たのでした。それは明日で1週間になり、2千ドルになるそうでした。ワームはその後も、マイクの付けで頻繁に賭場でプレーしているそうでした。それを聞いたマイクは、ペトラにそれらは全部、ワームの借金にするように言い、彼にはもう貸さないように言いました。最初の借金2千ドルについては、マイクは手持ちの1千ドルをペトラに渡し、残りは近日中に返済すると約束しました。ペトラはマイクに好意を寄せていたので、名残惜しみながら出ていきました。ペトラが出ていった後、マイクはワームへのやり場のない憤りを、壁にぶつけました。そして、マイクはワームが昔、ある不良男からの報復を恐れ1週間、隠れ家にしていた学校の体育館に行きました。やはり、そこにワームはいました。マイクはワームにワームの父と同じように、説教しました。マイクの言葉もどこ吹く風で、その挙げ句に「てめえの始末は自分でつける」と開き直るワームに、マイクは「人の名前で借金しておいて、よく言えるな」と言い捨て、呆れて帰ろうとしました。帰ろうとするマイクに、ワームは謝り、出直したかったのにまた借金を増やしてしまった自分を情けないと責めました。マイクはワームに手持ちの額を聞くと900ドルだけでした。マイクはワームの名前で7千ドル借金があることになっていました。マイクはワームに今後、自分の名前を出し借金をしないこと、グランマに会ってきっちりと話をつけることを約束させました。後日、ワームに付き添い、マイクはグランマに会いに行きました。グランマは残り1万5千ドルを5日間以内に全額返済しろと言ってきました。マイクは毎週5千ドルずつと返済計画の案を提案し、懇願しましたが、そこにワームが横やりを入れ、ワームとグランマは殴り合いになりそうになりました。マイクは咄嗟にグランマの「お前が保証人になるか」という言葉に頷いてしまいました。結局、グランマの言う返済方法でいくしかなくなりました。保証人になってしまったマイクは、5日間以内に1万5千ドルを稼がなければならなくなりました。
ラウンダーズのネタバレあらすじ:6.ばれたイカサマの結末
マイクの手持ちは350ドルで2人合わせて1200ドルを元手に、稼がないといけません。2人は考えました。ワームはイカサマを使うので2人で組むことはせず、ワームが適当な賭場を探し、マイクがプレーして稼ぐことになりました。2人は協力して、各地の賭場で順調に稼いでいきました。マイクは連日のプレーで疲れてきていました。手持ちは7300ドルで、あと2日間で倍プラス400ドル稼がないといけない状況に追い込まれました。2人は、ワームの務所暮らし時の伝手で公務員が相手の賭場へ片道5時間かけて行きました。行ってみてマイクは驚きました。駐車場にはパトカーが並んでいたからです。相手は公務員ですが警官だったのでした。やばい相手ですが、選んでいる余裕などない2人はそこで稼ぐことにしました。マイクは8時間、ワームにどこかで暇をつぶしておくように言って、単身、その賭場に乗り込みました。「一般に人柄がいいほど、ポーカーは下手」だと相場は決まっていました。相手は警官のわりには、お人好しぞろいで、予定通りマイクは勝ち続けました。そこに途中で、ボウリング場で会ったという男がワームを連れてやって来ました。ワームはマイクと同じ賭場の席に着きました。マイクとワームは初対面のふりをしました。2人が仲間だとは知らない警官相手に、ワームはイカサマを使って、マイクにいい手札を配りますが、マイクは怪しまれないように、適当にゲームを降り、イカサマがばれないように振る舞いました。しかし、途中でワームのイカサマがばれ、警官たちが寄ってきました。そして、マイクもワームの仲間だったことがばれてしまいました。2人は警官たちにぼこぼこに殴られ蹴られた挙げ句に、有り金を全部取られてしまいました。
ラウンダーズのネタバレあらすじ:7.保証人・マイクの決心
返済期限まであと1日、街から逃げることを提案するワームに、真っ向から勝負をして稼ぐしかないと決心したマークは、グランマに所に行き、返済期日を延ばしてくれるように頼みましたが、彼は諒承しませんでした。追いつめられたマイクは、ジョーイに相談しました。マイクはジョーイに元手となる金を貸してくれるように頼みましたが、彼は拒否しました。しかし、ジョーイはその筋に頼み、返済期日を延ばしてくれるように口をきいてみようと言ってくれました。マイクはジョーイに、テディとの全財産をかけ勝負に負けたのは「ツキの所為じゃない。KGBの方が一枚上手だった」と言い、誰にも話していない1988年のポーカーチャンピオンのチャンと、偶然ある賭場で一緒になり、チャンにブラフをかけて、勝った話をしました。マイクはその経験から「勝つ自信がある」と言い、できればテディKGBにリベンジしたいと言いました。マイクは恥を忍んで、恩師・ペトロフスキー教授にお金を貸してくれるように頼み込みました。悪友の保証人になったと言う事情を聞き、切羽詰まったマイクの状況を察した教授は、「人のための施しは善だ」と言い、1万ドルもの大金をマイクに渡し、「君ならできる」と励まし、送り出してくれました。
ラウンダーズのネタバレあらすじ:8.テディKGBとのリベンジ戦
マイクはその1万ドルを持って、テディと一対一の勝負をする決心をして、賭場に行きました。そして、マイクはテディKGBと一騎打ちの勝負をしました。「さしのポーカー・ゲームでは、手持ちのチップの量がカードの優劣以上に勝負をきめる」とマイクは思いながら、1万ドルを元手にテディから順調に勝ち続けました。そして、マイクは2万ドルまで稼ぎ、ゲームを切り上げようとしました。しかし、そんなマイクをテディは挑発して、負けた分を取り戻そうとしました。テディはマイクに以前の負けを「お前の金をお前に払ったわけだ」と言って、マイクを挑発しました。マイクはギャンブラーとしての血が騒ぎ、彼のその挑発に乗り、勝負を受けました。借金取りのグランマが見守る中、マイクは再びテディと勝負しましたが、勝負の世界は甘くはありませんでした。マイクは負け始め、徐々にチップは減っていきました。テディはマイクを誘い、有り金全部を賭けさせようとしました。しかし、マイクは以前負けた時と同じ動作でビスケットを食べるテディを見て、危険を察知して、その勝負を降りました。テディは「どうして俺の手を読めたんだ!」と言うと、ビスケットから読まれたことに気付き、ビスケットの箱を放り投げました。「勝負はこれからだぜ!」と言い放つテディを相手に、マイクは時間が残り少なくなってきたので「気持ちを動揺させる」方法で勝負に出ました。チャンスを待っていたマイクに、ついにストレートになる手札が回ってきました。マイクはテディにブラフをかけて誘い出し、テディはマイクのブラフにひっかかり、自信満々で全額をかけてきました。マイクはテディに完成したストレートを見せました。2ペアだったテディはマイクに完敗し、怒り狂いました。
ラウンダーズの結末:エピローグ:マイク、ラスベガスへ
マイクはこのテディとの差しの勝負で、彼のチップを全て奪い、約6万ドルを獲得しました。マイクはこれでワームの借金を全額払い、ペトラへの借金も全額返済しました。あとは教授から借りた1万ドルを返済するだけでした。このテディとの勝負を契機に大学を辞め、プロのラウンダーへの道を目指す決心をしたマークは、大学へ行き、恋人ジョーにペトロフスキー教授に借りた1万ドルを返すことを託し、彼女に別れを告げました。そして、マイクはポーカー世界選手権で優勝することを目指して、ラスベガスへ1人旅立ちました。
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