沙耶のいる透視図の紹介:1986年日本映画。ビニ本カメラマンの橋口が、ビニ本編集者の神崎から沙耶というモデルを紹介されます。不思議な雰囲気を持つ沙耶に一目ぼれした橋口は、沙耶を口説きはじめますが、沙耶には神崎の陰がありました。不思議で異様な三角関係を描いた官能ドラマです。
監督:和泉聖治 出演者:名高達郎(橋口裕)、高樹沙耶(北村沙耶)、土屋昌巳(神崎繁)、加賀まりこ(神崎の母親)、山田辰夫(島みつる)、沢田和美(大野マコ)、夕崎碧(青山美恵)ほか
映画「沙耶のいる透視図」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「沙耶のいる透視図」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
沙耶のいる透視図の予告編 動画
映画「沙耶のいる透視図」解説
この解説記事には映画「沙耶のいる透視図」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
沙耶のいる透視図のネタバレあらすじ:起
今日もマコ(沢田和美)の部屋で愛し合い、一夜を共にする橋口(名高達郎)は、ビニ本の編集者の神崎(土屋昌巳)と契約しているフリーのカメラマンです。助手の島(山田辰夫)と一緒に、神崎の発行するビニ本に掲載する写真をいつものように撮っていました。
神崎から「裏本を出そうかと思っている」と持ちかけられた橋口は、「紹介したいモデルがいるから飲みに行こう」と誘われます。神崎の車で先に『K’S BAR』という店に入った橋口は、隅のカウンターで一人で飲む女性に目がとまります。
早速カメラで女性を隠し撮りしていると、神崎から電話が入り「行けなくなった、隅のカウンターで飲んでる女性が沙耶(高樹沙耶)で、紹介するはずだった人だ。沙耶の写真を撮ってやってください、橋口さんのタイプでしょう?」と言われます。
早速橋口は事情を話し、沙耶の隣に座って酒を飲みながら話をします。沙耶が「帰ります」と言うと、橋口は「送ってやるよ」と言って神崎の車に乗せます。途中で橋口が「もう一軒行こうか?」と誘った事で、沙耶は車から降りて帰ってしまいます。助手席には沙耶が忘れていったデッサン帳がありました。
そのデッサン帳をめくって行くと、男性性器が書かれているページがありました。翌日、神崎に会った橋口は、神崎から沙耶の勤め先の電話番号を聞きます。橋口が電話をすると「デッサン帳を送り返してください」と沙耶がそっけなく言って電話を切ります。
沙耶のいる透視図のネタバレあらすじ:承
フラれた気分になった橋口が自宅でビールを飲んでいると沙耶から電話が入ります。二人は喫茶店で待ち合わせをし、橋口がデッサン帳を返すと「ここに書いてあるのは夢の世界、ここに書くことによって夢の供養をしている」と沙耶は意味不明な事を言います。
橋口はバイクの後ろに沙耶を乗せ、ラブホテルに直行します。無理やり体を奪おうとしますが、沙耶の抵抗にあい、橋口はあきらめました。
しばらくして、海辺の貸別荘で一泊二日のビニ本の撮影が始まりました。橋口、島、そしてモデル3人が揃った後に、神崎がコーディネーターとして沙耶を連れてきます。「デザイン会社に勤めているから、ビニ本の構成をやってもらおうと思っている」と言います。
初日の撮影が終わった夜、バスルームで神崎と一緒になった橋口は、「沙耶のデッサンの中に赤くケロイド状になったペニスの絵があったでしょう。あれは僕のペニスです」と神崎から言われます。
沙耶と神崎の関係を疑う橋口に「昔、付き合っていた女にやられたんです、沙耶ではないですよ」と神崎は言います。この会話を機に、橋口と神崎はお互い嫉妬心が芽生え始めました。
夜、神崎と沙耶がビルの屋上から飛び降りる夢を見て目覚めた橋口は、沙耶が一人で座っているのを見て話しかけます。橋口が沙耶に神崎とのなれそめを聞くと、沙耶が語りはじめました。
「精神病院に入院していた時に知り会い、神崎の家のパーティーに行った。神崎の母は神崎を溺愛し、近親相姦の間柄でもあった。私の存在を知り、私をののしった。そのことで神崎が私に近寄り親しくなった」。そこへ神崎がやって来て「三角関係の3人が揃いました」と言います。
沙耶のいる透視図のネタバレあらすじ:転
神崎は「僕の母は僕のすべてを奪った。僕に女性が出来たことで、怒った母が熱湯を女性にかけようとして、かばった僕の股間にかかった」とペニスの事を話します。その後、橋口は沙耶をヨットに誘い、愛し合いました。
この様子を神崎はじっと見ていました。沙耶が身の上話を始めます。「私の母は父以外の男といつも一緒だった。そんな母が大嫌いで、母と同じ血が流れていると思うと嫌だ」と言って煙草の火を自分の腕に押しつけます。
撮影から帰ってきた神崎は、橋口に今度発行する裏本を見せた後、「先日の写真の構成を沙耶にやってもらってください」と頼みます。そして「橋口さんに沙耶を紹介したことを後悔している」と付け加えます。
沙耶は職場で沸騰する湯を見て、放心状態になっていました。写真の構成の事で沙耶を訪ねてきた橋口は、沸騰したケトルを持つ沙耶を見て、思わず飛び掛かって助けます。自分の部屋に沙耶を連れてきた橋口でしたが、一言もしゃべらず、何も食べない沙耶に手をこまねいていました。
神崎から「次の撮影の打ち合わせをしたい」と言われ、神崎の部屋に向かった橋口は、そのビルの屋上に案内されます。その風景は、橋口が夢の中で見た屋上と同じでした。橋口は「ここから飛び降り自殺しようとした女性を助けようとして、誤って殺してしまう。そして死んだ女性を死姦するストーリーで撮影したい」と言います。
橋口は「それはあまりにも趣味が悪いんじゃないのか?」と言いますが、神崎は「僕の下の部屋の女性が、ここから飛び降り自殺したんだ、やってください」と言います。
部屋に帰った橋口は、沙耶が何も食べていないのを見て「少しでも食べてくれ」と何度も頼みますが、何もしゃべらない沙耶に怒りが爆発し、怒鳴り散らしてバイクで出て行きマコの部屋に行きます。
沙耶のいる透視図の結末
マコと一夜を過ごして部屋に戻ると、沙耶がいませんでした。そこへ島から「神崎が裏本で逮捕された」と電話が入ります。ネガもフィルムも押収されて何も出来なくなった橋口は、「神崎が釈放されるまで色々撮影する」と島に伝えると、島は「ビニ本はやめた、CMの仕事をする」と言います。
しばらくして出所した神崎から電話が入ります。「先日の死姦の撮影を最後に仕事にしたい。モデルは沙耶だ。やってくれ」と電話がありました。橋口は神崎の部屋に向かいました。神崎がいなかったため屋上へ行くと、沙耶が倒れていました。神崎が出てきて「沙耶はまだ死んでいない」と言うと、橋口は神崎を殴り倒します。
神崎は「僕はビニ本を通じて、僕の世界観を発信していた。僕は沙耶があなたにSEXされるのを見たかったから紹介した。そして僕のペニスに熱湯をかけてくれと沙耶に頼んだ」と言います。話を聞いた橋口は沙耶を抱きかかえて神崎の部屋に連れて行きます。
沙耶は「全て私のせい。私が神崎さんを追い詰めた。私は母のようになりたくないから感情のない女になった。それでも神崎さんは私を愛してくれた。それなのに私が全く変わらないから、神崎さんは自分のペニスに熱湯をかけ、私との関係がSEXだけじゃないという事を証明した。でも私はそんな女じゃない」と言います。
話を聞いた橋口は「神崎を呼んでくる」と言って部屋を出ようとした時、服を着替える沙耶を見て写真を撮りはじめます。その時、窓の向こう側に、飛び降り自殺する神崎が落ちていくのが見えました。
以上、映画「沙耶のいる透視図」のあらすじと結末でした。
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