ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパートの紹介:2012年アメリカ映画。ニューヨーク老舗デパート、バーグドルフ。そこはデパートであると同時にデザイナーやアーティストの目標でもあった。
監督:マシュー・ミーレー 出演:カール・ラガーフェルド、クリスチャン・ルブタン、ジョーン・リヴァーズ、トム・フォード、ジョルジオ・アルマーニ、マノロ・ブラニク、パトリシア・フィールド、メアリー=ケイト・オルセン、アシュレイ・オルセン、ニコール・リッチー、ヴェラ・ウォン、キャンディス・バーゲン、スーザン・ルッチ、レイチェル・ゾーイ
映画「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ニューヨークバーグドルフ 魔法のデパートの予告編 動画
映画「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」解説
この解説記事には映画「ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ニューヨークバーグドルフ 魔法のデパートのネタバレあらすじ:起・NYの老舗デパートとアメリカンドリーム
バーグドルフグッドマンは、伝統ある本物嗜好の高級デパート。高級デパートは人がもっと上に行きたいと思わせるために必要な存在で、アメリカンドリームの象徴でもある。
デザイナーにとって、バーグドルフへの出店は夢。売り込む人もいれば、バーグドルフから見出される人もいる。けれど、ファッション部長のメロは。手紙で招いてそのデザイナーの評判を聞くまでは来ない。20年でファッションショーは様変わり、多くの人が見に来るようになった。ファッションを取り巻く人の変化は、バーグドルフのファッション部門を見ればどんな歴史をたどっているかがわかる。若いデザイナーにとっては、バーグドルフが基準で品質保証のような物。リンダ・ファーゴ、本物を見極める達人でショーでは一番前の席に座るバーグドルフの顔。彼女は何がバーグドルフにふさわしいか決める。そこでブランドの真価が問われる。
ニューヨークバーグドルフ 魔法のデパートのネタバレあらすじ:承・バークドルフの顔と理念
バークドルフのショウウィンドウはディスプレイの頂点。旅行者は写真に収め、美大生はスケッチをしてファッションを学ぶ。ストーリーの込められたディスプレイは、舞台と同じ。そのショウウィンドウも、クリスマスに向けて飾るウィンドウも八月から構想が組まれ始める。五つのショウウィンドウは、クリスタル、タイル、真鍮、木、紙、それぞれ違った素材で飾られる。 バーグドルフは、もとは婦人服と毛皮の見習い職人が買い取り、渡仏し、五番街の一角を買い取り、既製服を売り始めた所から始まる。始めは宮殿のような邸宅を、周りの建物、広場と調和するように今の新しい建物に建て替えた。経営者はその店の最上階に住む、ペントハウスの始まりだった。 ある日、見るからにホームレス風の女性が毛皮を見に来た、対応したバーグドルフは、彼女が欲しそうにしている毛皮について値段は言わず高いですよとだけ言った。最終的に彼女は紙袋に入っていた大金でその毛皮のコートを買ってい行った。カバーで本を判断するな。とは、バーグドルフ氏の言葉。
ニューヨークバーグドルフ 魔法のデパートのネタバレあらすじ:転・バーグドルフの育てた者たち
帽子職人のホルストンは、一流の職人に育ったが、JCペニーと提携したので契約を切った。ホルストンとしてはバーグドルフに自分の才能を独占させるのは嫌だった。一方バーグドルフは不適当な相手と提携して品質が落ちることを危惧した。 職人・デザイナーの他に、バーグドルフは販売員という名のスタイリストの先駆けを生んだ。その一人、パーソナルショッパーのベティは、トップクラスの販売員で信頼されること、お客に対して正直でユーモアのセンスも持っいた。 また出店予定の若いデザイナーに対しては布地の工場を紹介したり等、フォローも徹底している。
ニューヨークバーグドルフ 魔法のデパートの結末:バークドルフから見る歴史
60年代、女性が服を買う時は夫に伺いを立ててた。それが今では自分で選ぶだけの力がある。とある毛皮の売れない年には、オノヨーコの家にクリスマスイブに呼び出され、80近くの毛皮を売った販売員もいる。 またディオールやフェンディ等をデパートの最高峰として紹介しており、NYのお客がいなければここまで大きくならなかったと言わしめている。 そんなバークドルフも2008年ののマドフの巨額詐欺で得意先が買い物を辞め、一夜で売り上げが落ちたことがあった。高級ブランドが一番影響を受け、回復させるには一年半をかけた。 感謝祭の一週間前を迎え、ショウウィンドウは幕をかけ、中では作業が行われている。バーグドルフのショウウィンドウはインスタレーション。幕が下りると道行く人々は足を止め写真を撮った。 現在バーグドルフの経営陣こそ変わっているが、栄光は冠したまま。
以上、映画のあらすじと結末でした。
ニューヨークバーグドルフ 魔法のデパートのレビュー・考察:アメリカドリームのアイコンとして
バーグドルフはデパートメントストアという一つの小売り形態を生み出し、今日までその矜持を失うことなく、ニューヨークの一角に店舗を構えている。きらびやかなだけでなく、そこに陳列されている商品、スタッフ、壁面を飾るショウウィンドウそのどれもに、もう一つ上へという上昇志向、アメリカンドリームが詰まっている気がしてならない。
ニューヨーク随一の高級デパートの裏側を描いたドキュメンタリー作品。名物店員や、ここに陳列してもらうことを夢見たデザイナーたちのインタビューもとても興味深いが、なんといっても見どころはショウウインドウの制作過程。一流のプロフェッショナル達が誇りをもって、丹念に、お互い尊敬、協力し合いながら作り上げていくディスプレイはまさに芸術作品。日本に今、こんな景気のいいデパートがないのを少し淋しく思いながら、楽しく鑑賞しました。