新仁義なき戦い 組長の首の紹介:1975年日本映画。北九州で縄張り争いをする共栄会の会長を射殺した大和田組は、勢力を拡大します。やがて利権の争いと跡目相続から内紛が起こりはじめます。大和田組には客人として共栄会の会長を射殺し、7年の懲役をくらった黒田がいました…という内容の菅原文太主演の北九州を舞台にしたヤクザ映画です。実録シリーズとして上映されましたが、実際にはモデルになる組織はないフィクション映画です。
監督:深作欣二 出演者:菅原文太(黒田修次)、山崎努(楠鉄弥)、梶芽衣子(楠美沙子)、渡瀬恒彦(須川国光)、小林稔侍(志村勝男)、三上寛(小林旭/笹木茂)、西村晃(大和田徳次)、成田三樹夫(相原重彦)、織本順吉(井関政治)、室田日出男(赤松猛夫)、ひし美ゆり子(綾)ほか
映画「新仁義なき戦い 組長の首」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「新仁義なき戦い 組長の首」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「新仁義なき戦い 組長の首」解説
この解説記事には映画「新仁義なき戦い 組長の首」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
新仁義なき戦い 組長の首のネタバレあらすじ:起
客人である黒田(菅原文太)は、大和田組の楠(山崎努)とともに、共栄会の会長の命を狙っています。大和田組と共栄会は北九州市の利権を争う暴力団同士でした。大和田組の組長(西村晃)の娘の美沙子(梶芽衣子)の婿である楠は、跡目が約束されています。楠が共栄会の会長を射殺し、身代わりで黒田が自首する手はずでした。
やがてフェリーで共栄会の会長がやって来ます。楠はボディーガードに囲まれる会長に突進し、引き金を引きますが弾が出ませんでした。すると会長が銃を取り出します。黒田がその銃を奪って会長を射殺しました。
懲役7年をくらった黒田は、刑務所で助けた志村(小林稔侍)を舎弟にしていました。服役して数年経つと楠からの手紙が途絶え、音信不通になりました。7年の刑期を終え黒田が出所すると、志村が舎弟の小林(三上寛)を連れて出迎えます。黒田は二人を連れて楠の家に向かいます。
大和田組に居場所があると思っていた黒田は、楠の顔を見て思惑が外れました。ヤク中の楠は「オレはもう用済みだ」と言います。そして楠と一緒に大和田組に向かいます。
大和田組では幹部会が行われていて、舎弟頭の赤松(室田日出男)が「組を割って独立する」と息巻いています。若頭の相原(成田三樹夫)は、「シマを置いて行くなら認める」と言うと、井関(織本順吉)も同調します。この言葉に赤松が怒りだすと、組長の大和田が「独立は認めない」と一蹴しました。
新仁義なき戦い 組長の首のネタバレあらすじ:承
会議が終わると楠が大和田に、「出所した黒田に500万円渡してくれ」と頼みますが、大和田はきっぱり断ります。この話を聞いていた黒田は、楠の妻の美沙子の店に行った時、美沙子に「500万円用意するかこの店を渡すかのどちらかだ」と迫ります。楠が怒って殴り掛かりますが、逆に黒田に叩きのめされます。
そこへ相原がやってきて黒田を酒に誘います。バーで小遣いをもらい愚痴を言う黒田は酔いつぶれ、一軒の旅館に降ろされます。そこには相原の情婦の綾(ひし美ゆり子)がいました。綾に水をもらい顔を見つめた後、眠りこけます。
宿で志村と小林と一緒にいると、楠がやって来ます。500万用意するから来いと言われ、行ったのは大和田の情婦の家でした。情婦に穴を掘らせ埋め殺し、土をかぶせはじめると、大和田は500万円払うと約束します。
翌日、黒田は相原に呼び出されます。500万円の代わりに覚せい剤を渡し、「500万円構えるまで、これを売ってしのいでくれ」と言います。黒田は赤松に会いに行きます。そして「覚せい剤を50万円で買ってくれ」と言いますが、逆に赤松を怒らせます。大声を上げる赤松をなだめに来たのは情婦の綾でした。綾は相原と赤松の情婦で、勝ち馬に乗ろうとするしたたかな女でした。
新仁義なき戦い 組長の首のネタバレあらすじ:転
志村に覚せい剤が売れなかったことを言うと、志村は「わしらが売って来る」と言って赤松のシマで売りはじめます。しかし赤松の子分らに暴行を受け、覚せい剤と売上金を奪われました。怒った小林が取り返すと言って赤松の家に乗り込み、赤松を刺し殺し、自分も殺されます。
黒田の子分が赤松を殺したことで、赤松の子分たちが殺気立っています。それを相原が静め、大和田組長らに会います。大和田は黒田に「どうして殺したんだ?」と聞くと「相原さんに聞いてくれ」と言います。相原は「500万円を黒田に渡し、ワシがやらせた」と言います。驚く大和田に、「親に逆らい、組を乱す者は始末しなければならない」と言ったあと、黒田に「この街からでていけ」と言います。黒田が赤松の報酬をもらっていないと文句を言うと、相原は「大和田組にたてつくのか!」と恫喝します。すると大和田が「黒田の面倒はワシがみる」と言って収めます。
後日、大和田の兄貴分である大阪の野崎組の組長がやってきます。何も知らされていない大和田は面食らいます。野崎は大和田に「そろそろ引退して相原に跡目を譲ったらどうか?」と話します。相原の術中にはめられた大和田は、翌日幹部会を開き、「ワシが引退するときは跡目は井関に渡す」と言います。更に黒田と親子杯を交わし、井関と黒田の兄弟杯もかわします。相原の敵に黒田を当てた格好になりました。
新仁義なき戦い 組長の首の結末
跡目を約束された井関は上機嫌で、大和田や相原と飲んでいました。そこへ楠がやって来ます。暴れる楠は大和田を殺します。大和田の葬儀が終わると、野崎も交え幹部会が開かれ、幹部たちが井関に「2代目をやって行く覚悟はあるのか!」と迫ります。井関は2代目を辞退します。更に兄弟分の黒田を処分しろと命じられました。
このことを黒田に話すと、黒田は「井関の兄弟を2代目にしてやるからじっとしてろ!」と言います。綾の部屋に拳銃を持っていった黒田でしたが、相原からかかってきた電話の綾の対応に危険を感じ、部屋を出ます。予想通り組員たちに襲われますが、どうにか逃げ帰ります。
翌日、2代目襲名のあいさつ回りに行く相原を、黒田、志村、楠の子分だった須川(渡瀬恒彦)が追いかけ、命を狙うも失敗に終わります。野崎の元に着いた相原は、黒田に狙われていることから、すぐ帰ると言い出します。その時、黒田が逮捕された報道が入ります。実は、須川が黒田を名乗り自首していました。
黒田が逮捕されたことで安心した相原は、大阪で野崎らと飲むことになります。このチャンスを志村が狙っていました。隙を見て相原に銃弾を何発も浴びせます。志村も組員に射殺され、黒田はこの様子をじっと見ていました。黒田は井関に電話をし、これで兄弟が2代目だと言います。電話を切った井関の横には綾がいました。そして井関の2代目襲名披露が行われます。
以上、映画「新仁義なき戦い 組長の首」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する