真・仮面ライダー 序章(プロローグ)の紹介:1992年日本映画。石ノ森章太郎の代表作『仮面ライダー』シリーズの『昭和仮面ライダーシリーズ』と『平成仮面ライダーシリーズ』との間をつなぐ『ネオライダー』シリーズ三部作の第1弾として製作された特撮作品であり、仮面ライダーシリーズ生誕20周年記念作品です。本作は原点回帰を図って旧来のテレビシリーズよりもハードでシリアスな大人向けのストーリー展開となり、遺伝子操作による軍事目的の改造人間の実験の被験者となった孤独な戦士・仮面ライダーシンの誕生と戦いを描きます。
監督:辻理 出演者:石川真(風祭真/仮面ライダーシン(声))、野村裕美(明日香愛)、片岡弘貴(鬼塚義一/改造兵士レベル3)、石濱朗(風祭大門)、塚田きよみ(セーラ・深町)、安藤麗二(豪島/改造兵士レベル2)、岡元次郎(仮面ライダーシン/改造兵士レベル3)、小野寺丈(スポーツクラブのコーチ)、てらそままさき(ラジオのアナウンサーの声/企業幹部の一人)、石ノ森章太郎(盗聴器を仕掛ける男)、高嶋政伸(結城卓也)、原田大二郎(氷室巌)ほか
映画「真・仮面ライダー 序章」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「真・仮面ライダー 序章」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
真・仮面ライダー 序章の予告編 動画
映画「真・仮面ライダー 序章」解説
この解説記事には映画「真・仮面ライダー 序章」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
真・仮面ライダー 序章のネタバレあらすじ:起
東京都内では若い女性ばかりを狙った連続殺人事件が相次いでいました。警察は犯人と思しき謎の怪人を発見しましたが、怪人は圧倒的な戦闘能力で警官たちを血祭りにあげていきました。
同じ頃、若きオートレーサーの風祭真(石川真)は悪夢にうなされていました。謎の組織「財団」の機関である生化学研究所「ISS」の所長・氷室巌(原田大二郎)は癌やエイズなど不治の病を克服するため人間の体を細胞レベルで進化させる研究を進めており、免疫を高めて難病の要因を排除した「レベル1」、更に細胞を強化した「レベル2」「レベル3」の人体実験を行っていました。
真は「ISS」の研究者で臨床的免疫工学の権威でもある父・大門(石濱朗)の研究を手伝うため自ら被験者となっており、看護師の明日香愛(野村裕美)が大門の助手を務めていました。実験には大門と共にプロジェクトリーダーを務める研究主任の鬼塚義一(片岡弘貴)も参加していました。様々な各界の関係者の視察団と共に「ISS」の見学に訪れた男(石ノ森章太郎)は密かに盗聴器を仕掛けました。
大門は「レベル3」の実験は現段階では危険が大きすぎるとして反対していましたが、人間の倫理よりも科学の進歩を最優先する鬼塚は技術的に可能だと主張して二人の意見は真っ向から対立していました。大門は真を自らの実験に参加させたことを内心後悔していました。
「ISS」の警備主任にして氷室の腹心・豪島(安藤麗二)は盗聴器の存在を見破っており、氷室は盗聴器を仕掛けたのは「財団」の敵だと断じました。
真の行きつけのスポーツクラブのインストラクターで、かつて真と共にオートレーサーを目指していた親友の結城卓也(高嶋政伸)は、真がレーサーの夢を投げうってでも実験に参加することに反対していました。結城は真と愛の仲を取り持ってくれましたが、真は新聞記事(冒頭の事件)がどうしても気になりました。施設に隔離状態でこの事件のことを知らないはずの真でしたが、なぜか真は「俺はこの事件を知っている」と言い放ちました。「俺はどうなっちまったんだい…」真の脳裏には、なぜか無関係であるはずの事件の生々しい光景が浮かんでいました。
真・仮面ライダー 序章のネタバレあらすじ:承
ある夜、ジョギングをしていた真は鬼塚の不穏な行動に気付き、密かに後をつけてみたところ秘密の研究施設に辿り着きました。鬼塚は自らの肉体を実験体として人体実験をしており、突然苦しみ出しました。その様子を見ていた真も鬼塚と同じように苦しみ始めました。
その時、鬼塚の施設に、かねてから真の行動をマークしていたCIAのエージェント、セーラ・深町(塚田きよみ)率いる工作部隊が突入してきました。セーラたちは容赦なく銃撃を加え、真は思わず「やめろ!」と絶叫すると気絶してしまいます。気が付くとセーラ以外の工作員たちは全員謎の怪人によって惨殺されており、真は「そんな…俺が…」と自分が工作員たちを殺してしまったのではないかと思い込みました。
鬼塚は大門に「被験者の選択ミスだ」と告げ、真から自分はどうなったのか教えてほしいと問われると渋々説明を始めました。人間を含む全ての生物が宿している特殊な能力を研究していた鬼塚はバッタが同じ種同士で感情や体験を共有する一種のテレパシー能力を有していることに目をつけており、将来バッタが人類にとって代わって地球に君臨するだろうとして“理想の国家”を作る野心を抱いていました。鬼塚は真に「いずれ君にもわかる」と意味深なことを告げました。
大門は鬼塚に「私の方針に従わなければ、今すぐこのプロジェクトから外れてくれ」と通告しましたが、鬼塚は「このプロジェクトは全て「財団」のものです。くれぐれもお間違えのないよう」と反論しました。
真は再び鬼塚の研究施設に向かいましたが、そこは既にもぬけの殻でした。そこに現れたセーラは「あなたを排除するつもりはないわ。どうやら“同じ探しもの”をしているようだから」と真に近づき、「財団」を壊滅するために協力してほしいと願い出ました。そこに豪島が現れて二人に発砲、セーラは真を逃がすと豪島に銃弾を撃ち込んで逃走しました。しかし、豪島は死んではいませんでした。豪島から報告を受けた氷室は直ちにニューヨークの「財団」本部に連絡を取りました。
真は愛と結城に「俺は人殺しだ。人殺しの化け物なんだ」と自らがもしかしたら連続殺人事件を引き起こした怪人ではないかと相談しました。愛と結城はそれを否定しますが、真は「俺に近づくな! 帰ってくれ!」と二人を拒絶してしまいました。結城は愛に真の支えとなるよう諭し、愛は「私を信じて」と真に語り掛けました。やがて真と愛は愛し合うようになっていきました。
真・仮面ライダー 序章のネタバレあらすじ:転
鬼塚は「財団」により身柄を拘束され、「何が国家だ。ただの狂信者だ」と鬼塚を嘲る氷室は彼が敵のスパイなのではないかと疑いを抱きました。やがて鬼塚は施設から姿を消し、真は愛に鬼塚の行方や「財団」の目的を尋ねましたが彼女は口をつぐんだままでした。
一方、大門は氷室から鬼塚を解雇したことを知らされ、研究を続行するよう命じられました。これ以上真を巻き込みたくない大門は実験の中止を氷室に進言しますが、氷室は「私の一存で決められません」と実験の中止はできないと大門に伝え、「手遅れだ」と告げました。
愛は氷室の元を訪れ、真の今後の処遇について尋ねましたが、氷室は愛が真を愛していることを見抜いたうえで「悪いようにはしない。私を信じるんだ」と告げました。
一方、「ISS」を詮索していた真は怪しげな唸り声を聞き、突然謎の頭痛に襲われました。鬼塚が飼育していた大量のバッタを発見した真は、1台のトラックが施設から出発したのを目撃してバイクで後を追いました。豪島の護衛のもとトラックは夜の道を突き進んでいましたが、突如現れたセーラ率いる特殊部隊に襲撃されました。特殊部隊はトラックの警護員や運転手たちを射殺、真は特殊部隊を制止しようとしましたが、またしても謎の頭痛に襲われてもがき苦しみだしました。
特殊部隊はトラックにロケットランチャーを発射、トラックは火の海に包まれました。トラックの中から這い出て来たのは一連の事件を引き起こしたあの怪人であり、その正体は何と鬼塚でした。鬼塚は炎に包まれて絶命し、その様子を見ていた真は身体に異変をきたして怪人のような姿に変貌していき、覚醒して異形の者・仮面ライダーシン(声:石川真/演:岡元次郎)に変身しました。
シンとセーラの部隊の前に豪島が現れ、セーラは豪島に銃弾を撃ち込みましたがびくともしません。豪島は怪人の姿となってセーラに襲い掛かり、セーラを庇ったシンと一騎打ちとなりました。セーラはロケットランチャーで改造兵士レベル2を吹き飛ばしましたが、自分を庇ってくれたシンを撃つことができず、シンはいずこへと走り去っていきました。現場に駆け付けた愛は逃げるシンと遭遇、その正体が真であることを悟ると「ごめんなさい」と抱きしめました。
一方、CIAに一連の件を報告したセーラはシンには人間の理性が残っているとして“捕獲”に計画を変更するよう求めましたが、CIAは当初の計画通りシンを“抹殺”するよう命じました。
真・仮面ライダー 序章の結末
ヨットハーバーに身を隠した真は愛から、セーラはCIAのエージェントであり日本の警察と協力して「財団」をマークしていることを告げられました。そして真は愛から「財団」の目的について聞かされました。
「財団」は全世界の政治、経済、思想、文化などを全てを自分たちの影響下に置くことを目的としており、医療研究を隠れ蓑として遺伝子操作による軍事目的の“改造兵士(サイボーグ・ソルジャー)”の開発に着手していたのです。豪島の正体は研究によって生み出されたサイボーグ“改造兵士レベル2”であり、「財団」はレベル2よりも更に強力な“レベル3”を商品として開発しようと目論んでいるのです。
同じ頃、大門は氷室から鬼塚の死を知らされ、「財団」に協力して新たな“サンプル”を提供するよう命じられました。自らレベル3の実験体となった鬼塚は「財団」にとっては格好のサンプルだったのですが、鬼塚は知らぬ間に真をもレベル3として改造していたのです。
「俺はどうなっちまうんだ」と言う真に、愛は研究所に戻って自分の体を元に戻すべきだと助言しました。愛は元々真の監視役として派遣されていたのですが、いつしか真を心の底から愛するようになっており、上層部と話をつけるからここで待ってるよう告げて走り去っていきました。「ISS」に向かった愛は警備員に捕まり、氷室から自分は真の子を身籠っていることを告げられました。氷室は真と愛のお腹の中の子をサンプルとして「財団」に提供しようと考えていたのです。
「誰かが俺の助けを求めている…早く行かなきゃ!」真は愛の心の声に呼応するかのように立ち上がり、拘束された愛と大門を助けるために「ISS」に向かいました。真もまた、愛が自分と同じ能力を有する子を身籠っていることをテレパシーで悟ったのです。
愛は突然お腹を抱えて苦しみ始め、大門は愛を連れて逃走を試みました。驚異的な身体能力で「ISS」に駆け付けた真は愛と大門を助けましたが、その直後に真を含む関係者全員の抹殺指令を受けたセーラの部隊が「ISS」に突入してきました。真は混乱の隙を突き、愛と大門を連れて逃げようとしましたが、氷室がマシンガンを手に行く手を阻んできました。
いずれ「財団」に責任を取らされて処分されることを悟った氷室は真たちを道連れにしようと銃撃を加え、真を庇った愛は撃たれてしまいました。愛は真にお腹の子を守ってくれるよう伝えて息を引き取り、哀しみと怒りに駆られた真は大門の目の前で仮面ライダーシンに変身しました。
シンは衝動のままに氷室を惨殺しましたが、その直後に改造兵士レベル2に変身した豪島に襲われました。シンは豪島に苦戦を強いられ、身体を傷つけられましたが、驚異の回復能力で傷を治すと反撃に転じ、豪島の首と脊髄を体から引き抜きました。それでも息のあった豪島は頭部の自爆装置を作動させ、シンを道連れにしようとしましたが、シンに振り切られて爆死しました。
シンは愛の遺体を抱え、大門と共に逃走しようとしましたが、セーラの部隊に追い詰められてしまいます。セーラは「全世界の平和のために」シンを殺そうとしましたが、現れた「財団」のヘリコプターがセーラの部隊に攻撃を加えてきました。シンと大門は「財団」に捕らえられ、ヘリに吊るされたまま運ばれそうになりましたが、セーラはロケットランチャーでヘリを撃墜、ヘリは「ISS」の建物を巻き込んで大爆発を起こしました。
大門は命を落とし、真は愛の遺体を抱えていずこへと姿を消しました。愛のお腹の胎児は生きており、真に進むべき道を指し示していました。
以上、映画「真・仮面ライダー 序章」のあらすじと結末でした。
正直に言うと この続きがファンとしては凄く気になります。 愛する者を失ってしまった真が あの後 どうなったか? そして
ライダーの姿と専用バイクは手に入れたか?等々 ですね。
真があの場面で怒るのも無理ありません。