新選組の紹介:1958年日本映画。新選組隊長近藤勇を中心に、幕末の動乱を描く時代劇。倒幕運動で揺れる国を安定させようと、近藤達新選組は公武合体を目指していた。しかし長州藩や裏切り者との対立で緊迫感は増す一方。ついに祇園祭の夜、新選組は池田屋へと踏み込む。史実とフィクションが入り乱れた、豪華キャストそろい踏みの娯楽大作。
監督:佐々木康 出演者:片岡千恵蔵(近藤勇)、山形勲(土方歳三)、大友柳太朗(月形半平太)、東千代之介(鞍馬天狗)、里見浩太朗(会津の染五郎)ほか
映画「新選組(1958年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「新選組(1958年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「新選組(1958年)」解説
この解説記事には映画「新選組(1958年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
新選組のネタバレあらすじ:動乱の時代
舞台は幕末の日本、京都。3人組の新選組隊士が見世物小屋に入り、理不尽にも一座の人間を斬り殺してしまいます。怒りに震える町人会津の染五郎は、新選組屯所に抗議に赴きました。
話を聞いた新選組隊長近藤勇は犯人を断定。3人組は捕らえられ、局中法度に基づき切腹を命令されます。これを機に染五郎は近藤を慕うようになり、近藤も一座に目をかけるようになりました。
その頃、京都では倒幕派の動きが活発化していました。新選組監察方山﨑丞はうどん屋に扮し彼らの動向を窺っていましたが、長州藩藩士月形半平太に見破られてしまいます。月形は仲間にこのことを話し、軽率な行動は控えるべきだと釘を刺しました。
しかし新選組が蛤御門の警備を命じられたことで、前任の長州藩との対立はますます激化。月形は鞍馬天狗の助けを借り、まずは藩内の動向を統一しなければと考えます。
新選組のネタバレあらすじ:離反者
新選組は国を安定させるため、早期の公武合体を望んでいました。しかし幕府側から色よい返事は貰えません。
ある夜、新選組は座敷で酒を酌み交わしていました。副長土方歳三は長州の動きを特に警戒しています。その一方で隊士の藤堂平助は、長州と手を組み公武合体を急ぐべきだと主張しました。近藤は士道に反する長州の行動は許せず、故に手を組むことはないと告げます。
それを副長関兵庫が注意深く聞いていました。彼は密かに倒幕派と繋がっています。関は手下を使い近藤を暗殺しようとして失敗。逃げ去るところを偶然通りかかった染五郎に目撃され、顔を覚えられました。
その翌日、関とその一派は新選組に愛想が尽きたので脱退すると言い出します。近藤は彼らの分離を認めますが、藤堂も袂を分かつと知りショックを受けます。その夜、学者佐久間象山が暗殺されました。関が情報を流していたのです。
新選組のネタバレあらすじ:戦いの火種
象山の墓に参った新選組。帰り道、近藤は山中の温泉に立ち寄りました。そこには月形の姿が。2人は斬り合いなど無粋なことはせず、和やかな時間を過ごします。
近藤の不在中、血の気の多い土方達は倒幕派を襲撃することに躍起になりますが、鞍馬天狗が向こうに加勢するため思うように行動出来ません。屯所に帰った近藤は土方に、どの藩とも話し合って手を取り合い、公武合体を行わなければならないと諭しました。
ちょうどその頃、関達が頻繁に集まっていた店の主人古高俊太郎(桝屋喜右衛門)が怪しいと情報が入り、土方は店の者を捕らえます。その後の調査で古高が大量の鉄砲と火薬を仕入れていたと判明。理由を詰問しますが古高は頑として口を割らず、激しい拷問の末に死亡しました。
新選組のネタバレあらすじ:池田屋事件
鉄砲と火薬は関達の手に渡っていました。倒幕派は祇園祭の夜に鉄砲と火薬を用いて京の町を火の海にし、その混乱に乗じて動く計画を立てていました。
それを盗み聞いた染五郎は激高し、重傷を負わされながらも何とか逃げ延び屯所にたどり着きます。そして関達の目論見を近藤に報告しました。大勢の罪なき民が犠牲になってしまう企みに近藤は激怒。ついに新選組を率いて動き出します。
祇園祭の夜、近藤達は倒幕派が集まっている池田屋に踏み込みました。計画の最終確認をしていた関達と凄絶な斬り合いが始まります。怒号と祭囃子が響く中、近藤は関との対決に挑みました。
勝負は一瞬。近藤は関を斬り伏せます。池田屋事件はすぐに鞍馬天狗から月形に伝えられました。今回の計画を思いとどまった倒幕派が憤慨するのは必定。月形は力を合わせて倒幕の軍を起こそうと、鞍馬天狗と共に準備に入ります。
新選組の結末:時代の終わりへ
関達の企みを未然に防いだ新選組は、座敷で祝宴を開いていました。その庭先に密かに藤堂が現れます。彼は今回の計画には参加していませんでした。近藤は芸者に耳打ちされ、1人部屋を移ります。そこでは月形が待っていました。
月形は鞍馬天狗の力を借りて長州と薩摩が手を組んだこと、そしておそらく土佐も加わり戦いは避けられないだろうと告げます。月形は近藤だけでも陣営に引き入れようとしますが、近藤は新選組と生死を共にする覚悟を決めており、申し出を断りました。
聞き耳を立てていた藤堂は初めて近藤の心を理解し、己を恥じて庭で切腹します。気付いた隊士達が駆け寄りました。藤堂は「もう一度隊士として……隊士として……」と言いながら息絶えます。近藤は自分のダンダラ羽織を藤堂の遺体に被せてやりました。
そして時は流れ慶応3年、ついに倒幕の令が下ります。近藤は染五郎に別れを告げ新選組を率いて出陣しました。動乱が加速する中、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「新選組(1958年)」のあらすじと結末でした。
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