不知火檢校(しらぬいけんぎょう)の紹介:1960年日本映画。悪辣極まる盲人を主人公にした、宇野信夫の当たり狂言の映画化。それまで白塗りの美男子ばかりを演じてきた勝新太郎がようやく自分の個性に合った役にめぐり逢い、後に座頭市シリーズを生み出すきっかけとなった。
監督:森一生 出演:勝新太郎(杉の市)、中村玉緒(浪江)、丹羽又三郎(岩井藤十郎)、安部徹(鳥羽屋丹治)、須賀不二男(生首の倉吉)、丸凡太(留吉)、ほか
映画「不知火檢校」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「不知火檢校」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「不知火檢校」解説
この解説記事には映画「不知火檢校」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
不知火檢校のネタバレあらすじ:起
貧しい裏長屋に生まれた七之助は盲目ではありましたが、悪いことにかけては天賦の才を持っています。子供の頃から同じ長屋の留吉を子分にして、祭の振る舞い酒を盗んだり、大店の若旦那を騙して金を巻き上げたり、真面目な父親の叱責を尻目に、ずるく世間を渡る如才なさを示していたのです。
そんな彼はやがて不知火検校に弟子入りし、杉の市として按摩を学び始めます。態度がふてぶてしいため、彼は師匠の検校をはじめ、弟子仲間でも嫌われ者でしたが、そんなことは気にしません。全員を前に「検校になる」と宣言し、さらに反感を買います。
不知火檢校のネタバレあらすじ:承
ある日、川崎に使いに出た杉の市は、途中で腹痛で苦しんでいる男に出会います。そして、その懐に二百両があると知ると、治療のふりをして針で刺殺してしまいます。検校になるための資金稼ぎのつもりでした。ところがその様子を見ていた男がいます。具合の悪いことにそれは生首の倉吉というヤクザもの。杉の市はとっさに口止め料として百両を手渡し、さらに彼から掛守を手に入れるとそれを死体の手に握らせます。これで下手人は倉吉とされるはずでした。
それからしばらく経ち、杉の市がある材木屋の妾宅で療治をしていると、突然強盗が部屋に入ってきます。声からそれが倉吉だと見破った杉の市は彼らに協力し、大金の隠し場所を教えます。これで倉吉の親分である鳥羽屋丹治らと知り合い、以後、杉の市は按摩師として大家に出入りしながら彼らの手引きをし、その分前をもらうことになるのです。
不知火檢校のネタバレあらすじ:転
その一方、杉の市は色の道でも極道でした。材木屋の妾の妹を手篭めにしたのを手始めに、溜めた小金を旗本の岩井藤十郎の妻・浪江に貸付け、その見返りにその貞操を奪います。結局、これらの女性は自ら命を絶ちました。
やがて、杉の市は鳥羽屋や倉吉に自ら話を持ちかけ、師匠宅を襲わせます。これで師匠一家は死に、置いてあった金も自分のものに――。それから5年、杉の市は宣言通りに検校となり、我が世の春を謳歌します。
不知火檢校の結末
しかし過去に犯した罪が仇となり、その栄華も長くは続きません。掛守のせいで今頃になって倉吉が捕まり、杉の市への恨みのせいもあってこれまでの悪事をすべて吐いてしまったのです。
お上の御召しで御殿へ伺候する道中、捕り方に囲まれた杉の市は散々に暴れまわりますが、結局はお縄となって引き立てられていきます。彼を仇とする岩井藤十郎もその様子を眺めていました。
以上、映画「不知火檢校」のあらすじと結末でした。
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