処刑の部屋の紹介:1956年日本映画。「ビルマの竪琴」で注目を集めた市川崑がその直後に作った問題作。新進作家だった石原慎太郎の短編を映画化したもので、主人公が女子大生に睡眠薬を飲ませてレイプするシーンが批判され、上映禁止を訴える声も出た。
監督:市川崑 出演:川口浩(島田克巳)、若尾文子(青地顕子)、宮口精二(島田半弥)、岸輝子(島田はる)、中村伸郎(茂手木教授)、川崎敬三(竹島)、ほか
映画「処刑の部屋」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「処刑の部屋」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
処刑の部屋の予告編 動画
映画「処刑の部屋」解説
この解説記事には映画「処刑の部屋」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
処刑の部屋のネタバレあらすじ:起
U大学の四年生である島田克巳は戦後の価値観の変動に影響を受け、真面目に物事に取り組む気持ちを失っていました。家庭では、小心な銀行員の父親と夫に忍従するだけの母親に愛想を尽かし、大学ではマスコミで売れっ子の茂手木教授に反抗心を抱いています。彼には前向きな考え方自体が偽善的に思え、心と体を焼き尽くすような刹那的なスリルだけが生きがいでした。
処刑の部屋のネタバレあらすじ:承
U大が大学野球リーグ戦で優勝した夜、仲間の伊藤と新宿に繰り出した克巳は、一度研究会で見かけたことのあるK大の女子大生2人、青地顕子とその友達の京子に声をかけます。克巳たちは飲み屋に彼女たちを誘い込むと、睡眠薬を買いに行き、ビールに混ぜて彼女たちを昏倒させます。そして伊藤の高級アパートに連れ込んで、そのまま体を奪ってしまうのです。これも彼にとっては退屈を紛らわすための軽い悪戯でしかありません。最初は非常識な方法でレイプされたことで腹を立てていた顕子ですが、ニヒリスティックな克巳にかえって惹かれていき、彼の行く先々に姿を見せます。克巳も顕子と付き合うようになりますが、あくまで刹那的な彼はすぐに彼女に飽き、冷たく別れを告げます。
処刑の部屋のネタバレあらすじ:転
やがて卒業を控えて真面目になった友達からダンスパーティを開く相談を受けた克巳は、バンドや会場借受けの交渉などに奔走しますが、投げやりな彼はすぐに嫌になってしまいます。しかもパーティの目的はあくまで研究会の資金稼ぎだったため、それが気に食わなかった克巳はわざとJ大の竹島らをけしかけ、その売上金を強奪させるのです。その夜、銀座のバーの倉庫で竹島らと落ち合った克巳は一旦強奪金の一部を受け取りますが、急に気が変わって「カネを全部返せ」と言い出します。
処刑の部屋の結末
それに腹を立てた竹島たちは克巳を椅子に縛り付けると、体中を殴打。そこに学生に連れられて偶然顕子が顔を見せます。複雑な心境でボロボロになったその姿を眺める顕子に対し、克巳はどこまでも冷たい言葉を浴びせます。カッとなった顕子がそばの学生が持っていたナイフを奪って克巳の腹を刺したため、学生たちは慌てて逃走。残された満身創痍の克巳は何とか外に出ると、必死になってネオンあふれる表通りへと這っていきます。
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