小説吉田学校の紹介:1983年日本映画。終戦後、アメリカの占領下にあった日本の独立を目指した吉田茂。吉田内閣が門下生を率いて日本の講話独立を果たしたあと、鳩山一郎ら党人派との熾烈な争いを描いた権力闘争史。政治評論家の戸川猪佐武による日本の実録政治小説を原作として映画化された作品。
監督:森谷司郎 出演者:森繫久彌(吉田茂)、若山富三郎(三木武吉)、鳩山一郎(芦田伸介)、藤岡琢也(広川弘禅)、小沢栄太郎(松野鶴平)、竹脇無我(佐藤栄作)、高橋悦司(池田勇人)、池部良(緒方竹虎)、ほか
映画「小説吉田学校」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「小説吉田学校」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「小説吉田学校」解説
この解説記事には映画「小説吉田学校」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
小説吉田学校のネタバレあらすじ:起
終戦を迎えた日本は、昭和23年10月、芦田内閣が総辞職し、世論は第二次吉田内閣を期待していました。しかしGHQ民政局次長ケージスは、山崎幹事長を次期総理に推していたのです。
自由党党人派の重鎮である広川らは、このケージスの意見をGHQの至上命令のように仕立て上げ、吉田総裁の引退を画策します。しかし吉田総裁は「民主主義を逸脱してGHQの横車に屈するつもりはない」と発言し、広川も山崎首班を撤回。党役員会は吉田茂を内閣総理大臣に任命しました。
吉田総理は解散を求めますが、民生局は解散を認めないので、吉田は直接マッカーサーと会談することにします。
小説吉田学校のネタバレあらすじ:承
はじめは吉田の言葉に憤りを示すマッカーサーでしたが、次第に吉田に心を許し「解散の時期について格別の意見はない」と吉田の意向に賛成したのでした。吉田総理は解散をして自分の門下生を大勢擁立し、多くの議席を確保しました。
吉田総理は「日本は二度と再び軍隊を持ってはならない。講話独立を最優先にしなければならない」という信念を持って、池田勇人らに講話の草案作りを命じます。長い時間をかけて草案を完成させた池田は宮澤喜一を伴って、ワシントンへ向かい国務省のドッジと交渉を進めました。
池田が帰国したころ、北朝鮮が韓国に宣戦布告しマッカーサーらは日本に再軍備を求めますが、吉田は憲法に戦争放棄が明記してあることを理由に拒否。その代わりに警察力の増強は認めたのでした。
小説吉田学校のネタバレあらすじ:転
吉田はゴネ続ける民主党を切り捨てようとしますが、松野らの説得により民主党に協力を仰ぐため頭を下げます。
昭和26年、晴れて吉田はサンフランシスコで対日平和条約に調印しました。また民主党は参加しませんでしたが、日米安全保障条約にもサインをしたのです。この頃、鳩山一郎ほか追放解除組が続々と政界に戻ってきました。鳩山の参謀である三木武吉は吉田が政権を返さないという裏切りを知り、鳩山内閣擁立のために奔走します。
しかし吉田総理が抜き打ち解散を決行し、昭和27年に第四次吉田内閣が発足。三木は吉田内閣を倒すことを諦めず、池田の失言に対し不信任案を提出し、吉田総理の「バカヤロー発言」に対しては懲罰動議にかけたのでした。
小説吉田学校の結末
三木武吉は広川や社会党・改進党に近づき巧みに吉田内閣打倒を持ちかけますが、選挙の結果は第五次吉田内閣が発足し、三木武吉一派は吉田内閣を倒すには至らなかったのです。吉田総理が長い外遊に出ている間、政局は変化し、またもや内閣不信任案が提出されます。
解散を強行しようとする吉田へ、緒方は自身の引退を掛けて反対。松野からも「解散はならん。総辞職だ」と言われ、娘婿にも「引き際を大事にして下さい」と諭され、遂に吉田総理は引退を決意します。
3日後に鳩山内閣成立、2年後には鳩山民主党と緒方自由党が保守合同して自由民主党が誕生しました。三木・鳩山・池田と亡くなっていくなか、吉田茂は大磯の海岸に立ち「人は死ぬが国は生き続ける」と呟くのでした。
以上、映画「小説吉田学校」のあらすじと結末でした。
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