書を捨てよ町へ出ようの紹介:1971年日本映画。早世の天才芸術家、寺山修司の初の長編劇映画作品。主人公がスクリーンから観客に語りかける等、実験的手法と鮮烈な映像が話題を呼んだ。第14回サンレモ映画祭でグランプリを受賞。
監督:寺山修司 出演:佐々木英明(北村英明)、斎藤正治(北村正治)、平泉征[現:平泉成](近江)、小林由起子(北村セツ)、田中筆子(北村ハツ)ほか
映画「書を捨てよ町へ出よう」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「書を捨てよ町へ出よう」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「書を捨てよ町へ出よう」解説
この解説記事には映画「書を捨てよ町へ出よう」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
書を捨てよ町へ出ようのネタバレあらすじ:起
戸塚の貧乏長屋で暮らす21歳の英明は鬱屈した日々を送っていました。祖母ハツは万引き常習犯、父の正治は無職で英明に金を無心しそのうえ性犯罪癖があり、妹のセツはウサギだけが友達のひきこもりでした。英明はそんな牢獄のような毎日からいつか人力飛行機に乗って逃げ出すことを夢見ていました。予備校通いもやめてぶらぶらしていた英明は、毎日のように近江に会うため大学に足を運んでいました。サッカー部主将で風貌も男らしく、美人の恋人までいる近江は英明の憧れの的でした。
書を捨てよ町へ出ようのネタバレあらすじ:承
ある日、英明は「男にしてやる」と近江に連れられて売春宿に行きますが、いざことに及ぶ寸前に逃げ出してしまいます。一方、ウサギを偏愛して他人に心を開こうとしないセツを心配して、祖母が隣人に頼んでウサギを殺させて庭に埋めてしまいます。セツはショックのあまりおかしくなり、あてもなく徘徊し、大学のサッカー部の部室に行きつきます。そして、居合わせた部員たちにシャワー室で乱暴されてしまいます。英明が助けようとしますが鍵がかけられていてどうすることもできません。
書を捨てよ町へ出ようのネタバレあらすじ:転
英明はセツを慰めるために食事に連れていきます。かたや、祖母が重荷になった正治は祖母を養老院に送りこもうと画策します。それを知った祖母は家を出て町をさまよい、「宝クジに当たったが相続人がいない」と出まかせを言って通行人の気を引こうとします。がたまたま同じ長屋の住人が通りかかったため、嘘であることがばれてしまいます。英明は父親に昔やっていたラーメン屋をやらせて立ち直らせようと、自分の金で屋台を入手しようと近江に相談します。
書を捨てよ町へ出ようの結末
正治がセツのために新しいウサギを手に入れてきますが、どうやら女に目覚めたらしいセツは遊びに行くのか化粧に夢中で相手にしません。ある日英明が調達してもらった屋台の代金を支払いに近江のアパートに行くと、そこにセツがいました。英明が連れ戻そうとしますが、「ここに住む」と、セツに追い返されてしまいます。仕方なく英明が一人で長屋に戻ると、何やら人だかりができています。どうやら英明が手にいれた屋台は盗品だったようで、本物の持ち主らしき人が来ていました。「馬鹿野郎!おれのもんだ!」と激しく怒りを爆発させながら、英明は警察に連行されていきました。
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