驟雨の紹介:1956年日本映画。岸田國士のいくつかの戯曲を元に水木洋子が脚本を執筆。佐野周二と原節子が演じる結婚後四年の夫婦。些細な不平不満を言い合いながら平凡な日常を過ごしてきた二人に危機がおとずれる。
監督:成瀬巳喜男 出演者:佐野周二(並木亮太郎)、原節子(並木文子)、香川京子(山本あや子)、小林桂樹(今里念吉)、根岸明美(今里雛子)、加東大介(川上)ほか
映画「驟雨」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「驟雨」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「驟雨」解説
この解説記事には映画「驟雨」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
驟雨のネタバレあらすじ:起・姪が来る
あくびの出る日曜日の午後、夫の亮太郎がどこかに出かけてから文子は買い物に出る。帰宅すると、新婚旅行に行っているはずの姪のあや子が訪ねてきている。もう夫に幻滅し実家に帰ると言うのだ。夫が下品でデリカシーがないと。文子はとりあえず、その日隣に引っ越してきた今里が挨拶の時にもってきたそば屋の切符をさっそく使ってそばを二人前注文したが、出前の男がもってきたのはうどんだった。あや子に男とはそういうものだとさとす文子だったが、後から帰宅した亮太郎があや子の夫の立場を弁護してみせると、あや子の立場に立って夫と言い争いになる。夫婦とはこういうものかとどうやら文子は納得したようだった。
驟雨のネタバレあらすじ:承・希望退職を募る
隣の今里夫婦と映画を見に行くはずが、結局今里の妻と亮太郎が映画を見た日曜日の次の朝、亮太郎はご機嫌で夜見た夢の話をする。自殺しかけたが文子に似た少女に助けられたという夢。しかし財布を前日すられてしまったことを文子に打ち明けられる。 その日、亮太郎の勤める化粧品会社では別の会社に吸収されることにより営業課で四名が解雇されることが告げられる。希望退職者には退職金に10万円が加算されるという。 次の日、同僚とマージャンをして外泊した亮太郎は日本橋の白木屋の屋上に妻を呼び出す。退職して田舎に引っ込むという提案を妻にする。胃の痛みに苦しむ亮太郎には田舎の生活の方がよさそうという話になる。
驟雨のネタバレあらすじ:転・別居話
医者に胃を診てもらった亮太郎が帰宅すると川上を始めとする同僚が集まっていた。希望退職金付きで会社を辞めて串カツ屋を皆で始めようという相談である。亮太郎が経理を担当して文子に店を切り盛りしてもらうといいと川上が言い出す。文子が幼稚園で行われるご近所の人たちの集まり――ご近所への不満が次々と出て話はなかなかまとまらない――から戻ると客は帰っている。亮太郎は機嫌が悪い。さっき川上の提案に文子がまんざらでもない顔をしていたのが気に食わなかったのだ。元々文子は仕事をしたかったが夫が許していなかった。亮太郎は自分一人で故郷に帰ると言い出す。だが、文子は故郷の家にいる弟の迷惑も考えるようにたしなめ、10万円の希望退職加算金にあたふたすることも批判する。夫は別居すると言い出す。
驟雨の結末:風船
翌日、昨夜の続きで雰囲気は険悪である。あや子からの手紙が配達されるが、亮太郎が開封すると夫と写った写真を同封してあった。そこに「おじちゃん風船取って」という声がする。二人の女の子が遊んでいた風船が軒先に飛んできたのだ。亮太郎はその風船を空に放って遊び始める。それに文子が加わって、女の子たちに風船を返すのを忘れて、風船を夫婦でパスし合う。隣の今里夫婦は、昨夜は大喧嘩をしていたのにとあきれて眺める。
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