サイドカーに犬の紹介:2007年日本映画。長嶋有の同名小説を映画化した作品。突如現れた父の恋人の女性ヨーコと少女の薫が心を通い合わせていく様子を描いたヒューマンドラマです。
監督:根岸吉太郎 出演者:竹内結子(ヨーコ)、古田新太(近藤誠)、松本花奈(近藤薫(20年前))、谷山毅(近藤透(20年前))、ミムラ(近藤薫(現在))、鈴木砂羽(近藤良子)、伊勢谷友介(部屋の下見をする客)、樹木希林(増田トメノ)、椎名桔平(吉村)、ほか
映画「サイドカーに犬」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サイドカーに犬」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
サイドカーに犬の予告編 動画
映画「サイドカーに犬」解説
この解説記事には映画「サイドカーに犬」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サイドカーに犬のネタバレあらすじ:起
不動産会社で働く薫は弟の透から結婚式の招待状を受け取り、絶対出席するように念押しをされます。翌日有給を取った薫は馴染みの釣り堀にやってくると、店主から留守番を頼まれます。薫は小学生の少女と触れ合ううちに二十年前の夏に起きた母良子の家出を思い出すのでした。家出する前の日薫が学校から帰ってくると、念入りに部屋を掃除する良子の姿がありました。良子は会社を辞め商売を始めた父誠の愚痴を言い、結婚しなくてもいいから手に職をつけるように薫に告げるのでした。母が家を出ていくと、薫の前に父の知り合いだというヨーコという若い女が現れます。薫は最初戸惑いながらも、晩御飯を作ってくれるというヨーコの買い物に付いて行きます。薫には颯爽と自転車に乗るヨーコがカッコよく見えるのでした。
サイドカーに犬のネタバレあらすじ:承
その日からヨーコは薫たち家族の晩御飯を作りにくるようになりました。父の仕事場に置いてあるサイドカーの付いたオートバイは薫と透にとって憧れです。薫は家出した母がいつ帰ってくるか心配しますが、透はお菓子を沢山買ってくれるヨーコが母親でもいいと言い出すのでした。夜になるとアパートは誠の仲間たちの麻雀を楽しむ場となります。ヨーコが平たく大きな皿に麦チョコを盛って薫に差し出す様子を見た誠の友人の吉村は、まるでドッグフードをあげているようだとからかうのでした。ヨーコは自転車に乗れない薫のことを気にかけて、練習に付き合ってくれるようになります。ヨーコはどこに住んでいるかも普段何をしているかも薫は知りませんでしたが、母とは違う魅力を持ったヨーコに惹かれ、徐々に打ち解けていきます。ある夜友人に盗難車を売りつけクレームを付けられた父とヨーコが口論になり、険悪な雰囲気が流れます。二人の顔色をうかがう薫の様子を気にしたヨーコは、夜の散歩に薫を誘い出します。ヨーコは犬のように人に従う生き方と人を従わせる生き方のどちらがいいか薫に尋ねます。薫はサイドカーに犬が乗っているのを見た時のことを思い出し、あのサイドカーに乗れるなら犬になってもいいと無邪気に答えるのでした。それを聞いたヨーコは店に置いてあるサイドカーで迎えにくるように誠に電話し、薫は念願のサイドカーに乗ることができたのでした。
サイドカーに犬のネタバレあらすじ:転
父の仕事は儲けが薄く、吉村は危険な金儲けの話を持ち込んできます。さらに吉村はヨーコを呼び出し金をせびった挙句、女の幸せを掴みたいなら男の選び方を考えたほうがいいと忠告するのでした。ヨーコは誠から吉村と会ったことを咎められ、もう食事を作りにこなくていいと言われてしまうのでした。父と透が買い物に出かけると、ヨーコは初めて薫の前で涙を見せます。誠からの手切れ金を手にしたヨーコは、夏休みに付き合ってと薫を旅に連れ出すのでした。伊豆の海にやってきた二人、薫は浜辺で絵を書いたり、ヨーコは貝を拾ったりと夏休みを楽しみます。そして地元の中年男性の好意に甘えて、家に泊めてもらうことにするのでした。中年男性の家で食事の世話をしてくれた老婆は、薫とヨーコの関係を鋭く見抜いて、警察に連絡するべきだと言います。薫は父に電話をかけようとしているところをヨーコに見られてしまい、二人の間に気まずい空気が流れます。翌朝薫が起きて海岸に行ってみると、ヨーコがせっせと貝を拾っています。ヨーコは家族と海に遊びに来た子供の頃の話を薫に聞かせます。そして嫌いなものを好きになるより、好きなものを嫌いになるほうがずっと難しいと話します。それはヨーコと父の別れを暗示しているようでした。ヨーコは旅に付き合ってくれた薫に感謝するのでした。
サイドカーに犬の結末
ヨーコと薫がアパートに戻ってくると、家出していた母良子が帰ってきます。そして良子はヨーコの姿を見るなり彼女を責め、やがて二人は取っ組み合いの喧嘩を始めます。母をつき飛ばし、泣きながら出ていくヨーコの後を薫が追おうとします。ヨーコは薫のことが好きだったと告げて去っていくのでした。薫は父と離婚することになった母とともに、山形で暮らすことになるのでした。30歳を迎えようとしている薫は、弟の透からヨーコが住んでいたというアパートの場所を教えてもらいます。薫は自転車でヨーコのいた町を訪ねてみると、アパートはすでになくなっていました。薫はヨーコと一緒に自転車で走った夏の日のことを懐かしく思い出すのでした。
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