魔法遣いに大切なことの紹介:2008年日本映画。山田典枝が原案の青春ファンタジー。一人前の魔法遣いを目指す少女・ソラの恋と成長を描く。監督は『櫻の園 -さくらのその-』の中原俊。主人公のソラを演じるのは12代目リハウスガールの山下リオ。相手役は岡田将生が演じる。
監督:中原俊 出演:山下リオ(鈴木ソラ)、岡田将生(緑川豪太)、田中哲司(原誠一郎)、木野花(白石沙織)、緑友利恵(浅葱ほのみ)、太賀(黒田浩二)、斎藤歩(ソラの父)、山本浩司(藍本栄之進)、水橋研二(森下魔法士)、水島かおり(豪太の母)、清水ゆみ(桃園風音)、秋本渚(権田澪奈)、曽我彩音(小学生のソラ)、村山謙太(権田紫苑)、草村礼子(赤池菊子)、鶴見辰吾(権田伊佐男)、余貴美子(川田女史)、永作博美(ソラの母)、ほか
映画「魔法遣いに大切なこと」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「魔法遣いに大切なこと」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「魔法遣いに大切なこと」解説
この解説記事には映画「魔法遣いに大切なこと」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
魔法遣いに大切なことのネタバレあらすじ:起
魔法遣いがごく当たり前に存在する、現代の日本で生まれ育った16歳の鈴木ソラ(山下リオ)。彼女は国の認定を受けた正式な魔法士になるために、北海道から東京へと上京してきます。
研修生としてひと月を東京で過ごすことになったソラは、大都会東京を見て感動します。魔法士研修会場には、ソラの他に3人の若者がいました。ソラたちはまず最初にテストを受けさせられます。
そして次に水槽の水を氷に変化させるよう講師から指示されるソラたち。それぞれ水槽に入った水を見事な氷に変えるのですが、一緒に研修を受けていた緑川豪太(岡田将生)だけは、どう頑張っても水を氷に変えることはできませんでした。
「こんなことして意味があるのかよ!」と苛立つ豪太に、講師は「できない人はたくさんいるから気にしなくていいよ。でも、本当の依頼はもっと難しくて意味があるものだから…」と言葉を掛けます。
一日目の研修を終えたソラは、一人前の魔法士になれるか不安を感じました。すると一緒に研修を受けていた黒田が「大丈夫だよ!」と励ましてくれます。それでも学校の授業のように手とり足取り教えてもらえることのない研修では、突き放されているような感じがしてソラは心細く感じるのでした。
研修室を出た後、ソラは魔法事務所を訪れます。そこには豪太の姿もありました。東京にいる間はこの事務所で寝泊まりして、事務所の指導員と行動を共にすることになります。魔法事務所は、魔法局からの依頼書に基づいた業務を行う場所です。魔法が使えるからといって、依頼のない魔法を使ってはいけないことになっています。
自分のためや、魔法使い同士のために使うこともできません。魔法にはできることもあればできないこともあり、万能でなければ個人差もあることを指導員から教えてもらうソラと豪太。
翌日の午前中、ソラと豪太は指導員から実践的な魔法を学ぶこととなりました。ソラは指導員である原誠一郎(田中哲司)に同行して、彼の仕事を見学させてもらうことにします。この日原が向かったのは、ある老女の家でした。彼女の夫は戦時中に亡くなっており、のちに夫の知り合いが彼の遺灰を持ってきてくれました。
それをずっと亡き夫の形見として大事にしてきた老女ですが、死期が迫った中でどうしてもこれが本当に夫の遺骨かどうか気になった老女は、「遺灰を復元してほしい。」と依頼します。すると原は、遺灰に手をかざし復元を試みました。
復元して現れたのは櫛でした。その櫛はかつて老女がつけていた物で、夫が戦地に旅立つ時に持って行ったものです。それを知った老女は涙が止まらず、その様子を見ていたソラは感動するのでした。
魔法遣いに大切なことのネタバレあらすじ:承
午後からは研修室で講義を受けるソラたち。「もし目の前で交通事故が起こりそうな場合、どうしますか?依頼がなくても魔法は使っていいのですか?あなたたちは人にはない力を持っているんですよ!」と講師から言われ、ソラたちは思い悩みます。
翌日も原の仕事に同行するソラ。この日の依頼は、階段から落ちてからずっと眠ったままの女性を目覚めさせることでした。この依頼はソラが担当することになり、ソラは女性の頭に手をかざします。すると女性が目を覚ましました。女性の子どもが「ママ!」と呼びかけますが、女性は「あなた誰?」と顔を引きつらせます。
ソラは自分が使った魔法に何か問題があり、女性の記憶がなくなったのではないかとショックを受けます。しかし原は、「あれでよかったんです。記憶がないことは目覚めるまでは誰にも分らなかったことです。」と、やさしく慰めるのでした。
その頃豪太は、上手く魔法が使えないことでみじめな思いをしていました。豪太はこれまで普通の人間として生活してきました。そんなある日、魔法局から研修を受けるように通知書が届きます。
それまでずっと母親と二人で暮らしてきた豪太は、蒸発した父親が魔法遣いだったことを知らずに育ちました。プロサーファーを目指していた豪太ですが、母親から魔法士になって家計を支えるように言われ、渋々夢を諦め東京へきて研修を受けています。
魔法遣いに大切なことのネタバレあらすじ:転
夜になり、貧血で倒れてしまったソラ。翌日、一緒に研修を受けているほのみ(緑友利恵)が見舞いに来てくれました。一緒に研修を受けていた黒田は、「自信がなくなりました」と書いた手紙を残して逃げ出したことを知るソラ。いつも前向きで励ましてくれた黒田が逃げ出すなんて、ソラには意外に思えるのでした。
そんな時、魔法事務所にイルカの集団座礁の情報が舞い込んできます。この時、原たち指導員は事務所におらず、ソラと豪太、ほのみの三人で現場に向かうことにします。浜にはたくさんのイルカがうち上げられており、ソラは一匹ずつ助けることにします。豪太も助けたい気持ちはあるのですが、上手く魔法が使えません。
しまいには魔法が使えない自分が嫌になり、豪太は逃げだしそうになります。するとソラが、「自分も力を貸すから、一緒に頑張ろう!」と言って、豪太とソラの二人でイルカを助けることにしました。そして何とかすべてのイルカを助け出すことに成功したソラと豪太たち。
このことをきっかけに、豪太とソラは急接近します。東京観光を終えた二人は、手をつなぎ事務所に帰りました。研修はもうじき最終日を迎えようとしています。そんな時に、またしてもソラが倒れて入院してしまいます。
不安になったソラは、北海道にいる母親に電話をかけました。すると母親から「まだ頑張れるよ!」と励まされ、ソラは病院を抜け出し、以前に依頼を受けた家を訪れます。目覚めたにもかかわらず、記憶を失った女性のことがソラはずっと気がかりでした。
そのため、「もう一度魔法を使って、記憶を呼び戻させてあげたいんです。」と、女性の夫に頼みます。すると女性の夫から、「新しい記憶を作ればそれでいいことです。妻が目覚めただけで十分なんです。」と言われてしまい、ソラは何とも言えない気持ちになりました。
実はこの時、ソラに死期が迫っていました。心臓の悪いソラは日常生活は普通に過ごせるのですが、驚いたりすると心臓を痛めてしまいます。彼女の父親も同じ病気で亡くなっています。この病気になると、きっかり一年で亡くなる恐ろしい病気です。
病院を抜け出したソラは事務所にも帰らず、東京タワーの見えるベンチで一人きりでいました。そこへ心配した豪太がやってきます。豪太は泣いているソラを抱きしめ、その後一緒に事務所に戻りました。
魔法遣いに大切なことの結末
その後も研修を受け、無事に終えることができたソラたちは、魔法士として認定を受けました。別れの日、ソラは「私の事を忘れないでね。」と豪太に告げて北海道に戻ります。
北海道に戻ったソラは、母親の顔を見てホッとします。そして父親の眠る墓へ行くソラと母親。ソラの父親は、亡くなる前に依頼書を書いていました。依頼書には、『お父さんの夢を叶えてください』と書いてありました。
父親の夢だったことを叶えるために、ソラは魔法を使います。母親が目をつぶると、そこには白無垢を着たソラが現れました。母親は感動し、「ありがとう」とつぶやきます。そしてそっと目を開けると、目の前に倒れているソラがいました。
その頃一人になった豪太は、ソラの事を想って一人浜辺に座っていました。彼女とのキスを思い出し、ゆっくりと立ち上がると歩みだす豪太がいました。
以上、映画「魔法遣いに大切なこと」のあらすじと結末でした。
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