スペース カウボーイの紹介:2000年アメリカ映画。その昔、空軍のテストパイロットであり宇宙飛行士候補だったフランクとその仲間達は、NASAの高官と仲違いの末、宇宙に行くチャンスを奪われた。それから長い月日が経ち、引退したフランクにNASAの職員が訪れる。彼が設計した制御回路を積んだ衛星がトラブルを起こしたので、その修理のアドバイスが欲しいというものだったが、彼はこれを機に宇宙に行こうと画策する。豪華ベテラン俳優人陣競演で贈るスペースアドベンチャーとして評判が上がった。
監督 :クリント・イーストウッド 出演:クリント・イーストウッド(フランク・コービン)、トミー・リー・ジョーンズ(ホーク・ホーキンズ)、ドナルド・サザーランド(ジェリー・オニール)、ジェームズ・ガーナー(タンク・サリバン)、ほか
映画「スペースカウボーイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スペースカウボーイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スペースカウボーイ」解説
この解説記事には映画「スペースカウボーイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スペース・カウボーイのネタバレあらすじ1
1958年、フランクを主軸とするチームダイダロスは超音速実験機の飛行テストチームであると共にアメリカ発の宇宙飛行士として有望視しされていました。しかし、当時の打ち上げ責任者ガーソンは、チームのパイロットであるホークの無謀操縦等を理由にその座をチンバンジーに与えてしまいます。憤慨したフランク達はガーソンに喰ってかかりますが決定は覆らず、結局チームダイダロスは解散、彼等は暗澹たる思いを引きずったまま引退して長い年月が過ぎました。
スペース・カウボーイのネタバレあらすじ2
それから40年余りが過ぎたある日、妻と引退生活を楽しんでいるフランクの下にNASAの職員が尋ねてきます。職員はロシアの通信衛星が制御不能になり、地上に落下する危機が起こったのでその修理に手を貸して欲しいと申し出ます。衛星には何故かアメリカで設計された誘導装置が使用されており、それに精通していて協力できる技術者は、フランク一人だったのです。いぶかしげに詳しい話を聞く為にNASAに赴いたフランクを出迎えたのは、事もあろうに出世したガーソンでした。ガーソンからも同じ話は聞かされましたが、フランクは自分が関わった設計が何故ソビエトに使用されたかははぐらかされてしまいます。また過去の因縁もあり、フランクはこの修理は自分とチームダイダロス以外には行えないと宣言します。当然ガーソンは反対しますが、結局脅迫まがいのフランクの提案を、背に腹は変えられないと受け入れました。牧師になっていたタンク、ジェットコースターの設計士となり今も女に盛んなジェリー。この二人からは難なく再結成の承諾を取り付けますが、場末で遊覧飛行と称し客に曲芸飛行を体験させていたホークはそう簡単に行きませんでした。元々ライバル的関係でもあった二人は、チームダイダロス解散の折に喧嘩別れのような形になっており、一旦は拒否されます。ですが宇宙に行く最後のチャンスと思い直し、ここにチームダイダロス再結成は成ります。打ち上げ管制主任の要求もあり、チームダイダロスは適正検査と訓練を受ける事に成りました。
スペース・カウボーイのネタバレあらすじ3
本来行く筈だった若い宇宙飛行士達と張り合い、老体に鞭打ち、一つ一つクリアして行きます。シミュレーションで見せたホークの手動でスペースシャトルを着陸させる飛行技術には、若い飛行した達も舌を巻きます。チームダイダロスは足りない所を経験でカバーし、自分達が知能も体力も現役の飛行士達と遜色ないと証明して行きますが、フランクとホークのわだかまりは解けず、ことある度に対立し合います。時には殴り合いにも発展してしまいます。そんなとき、一つ問題が発覚します。ガーソンは、バックアップクルーとして現役達が共に訓練し、修理のノウハウを学び切った所でチームダイダロスを排除するつもりでした。ですがそれは、マスコミがチームダイダロスの再結成を嗅ぎ付け、老人達が宇宙に行くというスクープを大々的に報道してしまった為、チームダイダロスの宇宙行き正式に認めざる得ない状況に追い込まれ、失敗に終わります。しかしまた、別の問題が持ち上がりました。ホークの健康状況に赤信号が点ります。彼のすい臓ガンを患っている事が判明したのです。宇宙は空気も水もない、一切の無駄を許されない苛酷な環境です。そんな場所に些細な不安要素も持ち込むわけには行きません。未だ仲違いが解消されていないフランクにもこれはショックでホークを置いていく事は考えられず、宇宙行きを諦めるという決断を下します。ですが、この一件を担当している技術官でありホークと恋仲になっているサラの説得もあり、ホークを含めチームダイダロスは、補助要員2名を含め、宇宙に上がって行きました。
スペース・カウボーイのネタバレあらすじ4
難なく故障した衛星「アイコン」に接触したチームダイダロスはその大きさに驚き、違和感を感じます。フランクは、この故障の話を聞かされた当初、何故、無理をしてこれを軌道上まで戻そうするのか?と疑問を感じていましたが、ガーソンとロシアから来た将軍にはのらりくらりと追求をかわされていました。フランクは修理を始め、アイコンを地表に落下させられない真の理由を知ります。アイコンは単なる通信衛星ではなく、核ミサイルを搭載した攻撃衛星だったのです。しかもそのミサイルは、アメリカの軍事重要施設と大都市に標的に定めていました。そしてそれをガーソンも知っていました。さらに故障した回路は、KGBがガーソンの管理していたファイルから盗んだものでした。そんな事実を知り、衛星をどうするか皆が思案していると、補助要員として乗り込んでいた若い宇宙飛行士イーサンが勝手に修理を始めてしまいました。イーサンは前々から自分達を差し置いて割り込んできたチームダイダロスの面々に不満を感じており、軌道への再投入が任務であると固執してフランクの命令を無視した結果、回路がショートして衛星が暴走を開始、シャトルに大きなダメージを与え、衛星の落下も早めてしまいます。何とか衛星の軌道を安定させ落下までの時間を稼ぐ事に成功させますが、問題は解決していません。
スペース・カウボーイのネタバレあらすじ5
イーサンが与えた衛星へのダメージは深刻で制御ができなくなり、衛星を軌道上に置く事は危険になっていました。そこでホークは、自分が衛星に乗り込み、衛星を動かすロケットを操作し、ミサイルを安全圏に運んで自爆させる言い出します。ジェリーとタンクは反対しますがフランクは苦渋の決断をし、ミサイル投棄後月に行くというホークにミサイルを託します。ホークは手動で衛星を制御できるよう先端に設けた簡易座席でロケットを点火して、仲間達そして地球から飛び去って行き途中放たれたミサイルは無事安全圏で自爆しました。しかし、フランク達の危機はまだ去っていませんでした。イーサンが起こした事故により、スペースシャトルに深刻な故障が起きていました。着陸は自動ではできず、手動でしか行えなくなっていたのです。ましてや、同乗していた予備のパイロットも先程の事故で負傷、操縦ができません。メインパイロットのホークがいない以上、コパイロットのフランクが操縦する事になります。空飛ぶレンガと呼ばれるスペースシャトルの手動着陸は、ホークのような高度な技術があってこそ初めてできる業です。
スペース・カウボーイの結末
NASAはシャトルを大気圏突入後、ある程度速度と高度が落ちた所で搭乗員を緊急脱出装置で脱出させる計画で難を逃れようとします。フランクはシャトルの操縦席に付き、タンクがコパイロットの操縦席に付きます。その時彼はテストパイロット時代、フランクとホークが乗る飛行機の操縦席に付けていたフラダンス人形を、再び操縦席に付けます。シャトルの大気圏突入を開始します。踊り始めるぞと楽しげに言うタンクの言うとおり、機体の振動で人形は踊り狂います。大気圏突入後、計画通りジェリーは搭乗ハッチを強制開放して、気絶している二人の若いパイロットにパラシュートをくくりつけ、先に脱出させます。フランクは次にジェリーとタンクの脱出を促しますが、逆にフランクはと聞かれ、自分はシャトルを安全圏まで持っていくと言い放ちます。聞いた二人はフランクに嘘がある事を悟り脱出を拒否、フランクと共にシャトルに残ります。フランクはそんな二人を見てシャトルの手動着陸を決断します。フランクはホークのように機体を操縦し、無事シャトルを地上に戻しました。地上に帰ったフランクは、妻と再会、再び引退生活を楽しみます。そして月を見て、辿り着いただろう親友に思いを馳せるのです。
エンディングの歌である「FLY ME TO THE MOON」 は、
名歌手であるフランク・シナトラの歌が使われているので、そこも世代を超えて惹かれる要素の一つではないでしょうか。