スター・トレック BEYOND(スタートレックビヨンド)の紹介:2016年アメリカ映画。スター・トレックシリーズ13作目で、リブート版3作目。長い任務の途中立ち寄ったヨークタウン。その周辺で一人の女性が遭難しているのを発見する。彼女の仲間を助けるため未知の惑星へと駆り出されたのはキャプテンカーク率いるエンタープライズ号。しかしそこに待ち受けるのは無数の小型船の数々だった。敵の攻撃を受けその惑星に墜落したエンタープライズ。そこで一人の原住民と会うことになる。スタートレックシリーズのリブート作3作目。主演は前2作から引き続きクリス・パイン。製作にJ・J・エイブラムスが参加。
監督・ジャスティン・リン 出演・ジェームズ・T・カーク(クリス・パイン) スポック(ザカリー・クイント) レナード・マッコイ(カール・アーバン) ウフーラ(ゾーイ・サルダナ) モンゴメリー・スコット(サイモン・ペッグ) ヒカル・スールー(ジョン・チョー) パヴェル・チェコフ(アントン・イェルチン)ほか
映画「スター・トレックBEYOND」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スター・トレックBEYOND」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スタートレックBEYONDの予告編 動画
映画「スター・トレックBEYOND」解説
この解説記事には映画「スター・トレックBEYOND」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スタートレックBEYONDの紹介
今回の映画で「スタートレック」は13作目。そして、1966年から始まったTVシリーズ「宇宙大作戦」から50周年に当たります。(TVシリーズは6作あります。)なので、1977年からのスターウォーズより歴史は古いです。今回の映画では、その50年間の過去作品からの引用や派生も数多くあるようです。ただ、スタートレックの最初の映画は1979年です。興収はSW>STの勝ちだったそうです。スタートレックはTVと映画を全部見ると720本ある大河シリーズです。1966年は、キング牧師が黒人の南部における選挙権をやっと勝ち取った翌年で、差別が物凄い時代。そこに操舵手は、日系人のヒカル・スール。それにアフリカ系のウフーラや、冷戦下なのに、ロシア系のチェコフも登場し、全世界的にヒットしたのでした。(現代でもハリウッドが白人がアジア系の役者を使わないことを考えると、物凄い進歩的なことでした。)そして、今回の映画はJ・J・エイブラムス監督・総指揮のケルヴィン・タイムラインシリーズの映画としては3作目の作品です。本来のスタートレック・シリーズと、時間が分岐し、並行世界の話になっているという設定です。J・J・エイブラムスは「スターウォーズ」EP7の製作で忙しくなったせいもあり、今回の監督は、「ワイルドスピード」のジャスティン・リン(台湾人)になっています。なので、今作は前作以上に、よりスピードのある映画になっています。スコット役のサイモン・ベックも脚本に参加しています。また映画撮影前に2015年2月にスポック・プライム役のレナード・ニモイ、撮影後の2016年6月19日、パヴェル・チェコフ役のアントン・イェルチンが亡くなったため、今回の映画が遺作となりました。
詳細あらすじ解説
スタートレックBEYONDのネタバレあらすじ1:迷い
ジェームズ・T・カーク艦長は、惑星連邦からフィボナン共和国の代表としてティーナックス外交団との仲裁外交に出向き、茶色いカエルのような彼らはカークの言葉を信じようとしませんでした。というのも彼らは食べられることを恐れていました。なぜなら、彼らの大きさは犬や猫程度の大きさ。ティーナックスの長がカークの前に転がり落ちてきて雄たけびを上げます。カークが和平の証として持ってきた、古代兵器(パワーストーン)も、ヤツラが盗んだといい、カークに襲い掛かります。その光景は野犬に襲われるようなもの。一斉に十数匹が飛びかかり、しかもまだ百匹以上が控えています。仕方なく、カークは緊急転送を要請し、U.S.S.エンタープライズNCC-1701の艦内に戻ってきました。オマケで、他宇宙人も2匹ほどつれてきてしまったが、恐らく転送して送り返したのでしょう。カークが乱れた髪を直し、やぶられた服(制服はクローゼットの中に10着以上つるされています)を着替える間にスポックが古代兵器のキートなるパワーストーンを船内のセキュリティボックスに厳重にしまいます。カークがいない間はスールーが艦長代理として指揮を執りワープ航法で、ティーナックスたちのいる宙域から去ります。 エンタープライズがファイブ・イヤーズ・ミッション(5年探査)に就いて3年の月日が流れようとしていました。カーク率いるエンタープライズのクルー達は仲間として絆を育みエンタープライズは我が家と呼べる存在となっていました。男女がいれば、出会いや別れがあります。仲良く部屋に入っていくもの入れば、上半身裸の男性が女性に部屋から叩きだされていました。カークは悩んでいました。深宇宙に果てはありません。決して終わらない宇宙探査を続けることに意味はあるのでしょうか? カークが飲もうとしていた酒(テーサス星から手に入れたソリアンブランデー)を医療主任のレナード・マッコイが取り上げます。非合法の酒で目が潰れるかもしれないからです。(メチルアルコール的なもの? その割に、過去作でよく飲まれているようです。)代わりにレナードは本物のブランデーを持ってきていました。そして、2人でブランデーを飲みながら、カークは胸中を打ち明けます。3日後に、自分の誕生日を迎えると、父親の年齢を超えます。レナードは、幾つか助言をしますが、カークの決心は固いようです。カーク「父は信念を持っていた。俺は違う」レナード「仲間のためだろ?」「衰えない視力と、フサフサの髪の毛に乾杯」そして別れ際に、「皆(クルー)に誕生日のことを言うなよ」というのでした。そんな中、エンタープライズは物資補給のために宇宙基地ヨークタウンに停泊します。ヨークタウンは透明な球体の中に、幾つものリングが複雑に絡み合った巨大な宇宙ステーションのようです。リングの1つ1つにビルが乱立しています。スールーは、ある男性に肩車された女の子との再会を喜んでいます。実はスールーと、同性愛カップルだそうです。23世紀なので、女の子はクローン技術で、生まれた2人の子どもなのかも? とパンフレットには書いています。実は、先ほどのスールーのコンソールにも、女の子の写真が写っていたそうです。(今回、スールに新しく付随された同性愛設定は、ヒカル・スールを最初に演じたジョージ・タケイという人は、実際にゲイであることをカミング・アウトしたそうで、その多様性を映画で出したかったようです。今回の映画だとスポック役のザカリー・クイントもカミング・アウトしているそうです。) 一方、スポックをウフーラが追いかけて来て言いました。「これ返すわ」青く光るネックレスを外し、スポックに返そうとしますが、スポックは「バルカン星では、一度送った贈り物を返してもらうことはしない」と断るのです。前作で、2人は喧嘩をし、かなり仲が悪かったのですが、とうとう別れてしまったようです。そのスポックにバルカン星人と思わしき一団があるメッセージボックスを渡しました。1人になった時、スポックは内容を確認します。それは、スポック大使の遺品で、彼の死を告げるものでした。(実際、スポック大使ことスポック・プライム役のレナード・ニモイも2015年2月27日に亡くなっています。) カークはヨークタウンの提督・パリス准将と話をしていました。カークは、艦長をスポックにゆずり、ヨークタウンの副提督を希望していたのです。提督は言います。「あなたには、新たなる深宇宙を探査する新造戦艦の艦長についてもらいたかったが、宇宙探査をする艦長にはよくある。船を下り、惑星上の重力下で暮らしたくなることが。でも、あなたの功績なら、副提督になるのも可能でしょう。審議会を行なうので、少し時間がかかるわ」 カ「よろしくお願いします」
スタートレックBEYONDのネタバレあらすじ2:謎のSOS
その頃、ヨークタウンには、これまで惑星連邦と接点がなかった、謎の異星人がSOSを救命ポッドから求めていました。緊急転送を行ない、自動翻訳で、何とか意志の疎通がとれます。とあるガスが濃い星雲の青く輝く惑星アルタミッドの重力に捕まり、脱出できなくなったというもの。エンタープライズ号なら、何とか、その宙域に行けます。カーク達が向かうことになりました。エレベーターで合流した、カークとスポックは互いにやめるという話を言いそびれてしまいます。カーク「これがエンタープライズ号の最後のミッションになる」 カークは惑星アルタミッドに降下し救助任務に就く前に、「未知のものというものは存在しない。存在するのは当面隠れているものだけだ」と艦内放送をした時でした。エンタープライズ号は、警告もなく突然、船籍不明の無数の宇宙船(小型艇)による攻撃を受けるのです。シールドは破られ、ワープ推進機関も千切られてしまいますが、上部の円盤部を切り離すことで、インパルスエンジンの推力を取り返します。しかし、既に惑星アルタミッドの引力に捕まっていたので不時着することになるのです。カークの総員体感命令により、隊員の多くは、小型ポッドで逃げ出そうとしますが、その多くは捕まってしまいました。それでも、カークの父ジョージが乗っていたUSSケルヴィンには、脱出ポッドがなかったため、シャトルで脱出せざるを得ず、そのせいで多くの犠牲者を出したため、その反省でエンタープライズにはブリッジに脱出ポッド(ケルヴィンポッド)がつけられていました。襲ってきたのは、クラールという惑星アルタミッドを拠点にした海賊行為を行なっているトカゲやカメレオンを無理やり人間にしたような顔の異星人でした。彼は「時を満ちた」と言って、白兵戦を仕掛けてきました。部下(ドローン)は肩幅のヘルメットをつけた宇宙服を着ています(「幻魔大戦」のベガみたいな体型)が、クラールは無着衣です。エンタープライズ号に保管された古代兵器「アブロナス」を強奪することが目的でした。しかし、白兵戦を行なったにも関わらず、カークの機転で、クラールが手に入れたのは空のケースだけでした。クラール達は、ただちに、逃亡者の追跡を開始し、また捕虜の尋問を始めました。その一環で、カークの航海日誌をクラールは読むのでした。機関主任であるスコットは発展型長距離光子魚雷に乗って逃げていました。前作で、カーンが仲間を隠すために用いたものを応用したものです。そのスコットが、クラールの部下のスカベンジャーに襲われた時、ジェイラという白い皮膚に黒い刺青を顔にほどこした髪の長い女性に助けられます。この時、ジェイラの他にも仲間がいたように見えるのですが、後に彼女は転送装置を応用した分身の術で、敵を翻弄したようです。言葉が通じないので、スコットも同じく撃退されそうになりますが、制服の惑星連邦のマークをみて、態度は軟化する。互いに片言で会話をし、スコットがエンジニアであることが分かり、「助けてほしい」と言われるのでした。そして、自己紹介の際に、「スコッティ?」と言われたので、「スコット」と訂正するのです。
スタートレックBEYONDのネタバレあらすじ3:再結集
一方、カークとチェコフは、青いパイロットスーツのような服に着替えていました。カーク達は、助けを求めた異星人女性カララと行動を共にしていました。チェコフが離れたすきに、異星人女性カララはカークに銃を突きつけました。しかし、それは罠でした。チェコフはカークの指示でわざと離れていたのです。異星人女性カララは、クラールに仲間を人質に取られ、カーク達をおびき寄せたのです。岩のような顔のキーンザによる強酸性のクシャミで脱出したウフーラ大尉と操舵手のスールは敵であるクラール達がテントに置かれたマザラン探査機でヨークタウンに対して、無線傍受を行なっているのに気づき、反対にSOSを送ることにしますが、気づかれてしまいます。そして、他の捕虜たちと合流し、古代兵器「アブロナス」の起動キーであるパワーストーンのありかを教えろと、捕虜に銃を突き付けて教えます。(何故か、クラールは翻訳機なしで、英語を話します。)結局、蟹の足のような頭をした異星人女性が、足を後頭部に組むことで隠していたのでした。(カララと蟹足頭の女性の区別がよく分かりません。) そして、クラールは「絆は力ではない。弱さだ」といって、逆さにつるされた男女に手を当て、生体エネルギーを吸い込むのです。力が流れ込むたびに生命力転化でクラールの異形化は進みます。「他人の力は私の命」と嘯きます。カニ足頭の女性は、1人だけ、部屋に取り残され、アブロナスから染み出る黒い捕食バクテリアのような物質によって分解・消滅しました。クラールはヨークタウンに向けて、侵攻を開始します。ジェイラはスコットに「わたしのおうち」と連れてこられて紹介された場所は、人工的な通路やブロックごとに仕切られていて、何か見覚えがあります。「何だ、これは?」 惑星連邦、船籍番号の艦船「USSフランクリン号 NX-326」と書かれていたのでした。(今回、亡くなったために出演できなかったレナード・ニモイ<旧スポック役>の誕生日である3月26日から) ジェイラは、スコットとフランクリン号の修理の最中、ロック・ミュージックであるパブリック・エナミーの「ファイト・ザ・パワー」を聞き始めます。うるさいけど、気は紛れるので、スコットは「マインド・ディストラクティング(注意散漫)」とぼやきます。フランクリン号が行方不明になったのは、100年前、2150年代のことです。地球初の長距離ワープ実験で他の3隻と共に帰らぬ船として行方不明になっていたのです。スポック中佐とマッコイも敵の戦闘機を奪い、地上にたどり着いていましたが、スポックは腹部に怪我をしていました。幸い医療主任のマッコイが同行していたので、症状は分かりますが、道具がありません。マッコイの見立てによると、腸骨を避け、心臓を貫通するところだったようです。バルカン人の心臓は人間の肝臓部分にあります(人間より、やや下にある感じです)。スポックは、うわごとのように、スポック・プライムことスポック大使の死を、呟きます。マッコイ「それで、お前さんはどうしたいんだ?」 スポック「私は、彼の後をついで、残されたバルカン人の交配事業を勧めたい。」 とにかく場所を移動することにしました。そして、脱出ポッドの残骸を見つけたので、マッコイは通信機を拾い、通話しようとしますが、ふたを開いたら、そのふたが吹っ飛びます。とりあえず、レーザーだけは見つけたので、治療をすることにします。何故か、脱出ポッドの鉄板をはずし、それを熱し始めます。そして、「スポット、君の好きな色は何だ?」と質問します。「何故、今その質問を?」と言ったスポットが、次の瞬間、絶叫していました。マッコイは澄ましていいます。「君の気をそらすためさ」要するに火傷で傷口をふさいだのでした。レーザーで熱したのは滅菌消毒の意味もあったのかもしれません。何とか、スポットも歩けるようになりましたが血が足りません。しかもクラールが放った偵察機に見つかりました。「独りで死ぬわけじゃない」しかし、スポックだけが転送されてしまいます。振り向いて、スポックがいないことに気づいたマッコイはボヤきます。「いつもこれだ。」(スポックが独自判断でいなくなったと考えたのでしょう。)でも、マッコイも間もなく転送されました。スコットが説明します。「機械が古いので、一緒に転送をすると2人が融合してしまう危険があって別々に転送することにしたんだ。」 マッコイは、すぐさま、スポックの治療に取り掛かります。100年前の原始的な医療機器ですが、ないよりはマシです。ところで、このフランクリン号は、何故クラールの偵察機に見つからないのでしょう? それは光学迷彩によるカモフラージュによるものでした。周りの景色を撮影し、映し出すことによって透過してるように見えるのです。その時、ジェイラのしかけた罠に捕まった物がいました。それは、カークとチェコフでした。網に捕まっています。ジェイラのショックガンのような武器で、網ではなく、引っかかっていた崖を崩し、カークとチェコフが降りてきました。役者はそろいました。
スタートレックBEYONDのネタバレあらすじ4:救出作戦
カークは救出作戦を提案しますが、どこに捕まっているのか、敵の基地すらわかりません。そこで、少し回復したスポックが「ヴォガヤというバルカン星固有の鉱物を探してほしい」と言い出します。ヴォガヤは特定の放射線を発信しているからです。他の全員は、何故、スポックがそんなことを言いだしたか分かりません。実は、スポックがウフーラにあげた青白く光るペンダントこそが、ヴォガヤだったのです。マッコイが言います。「君と付き合う女性は大変だな」 それまで、黙っていたジェイラは、「知っていても教えない」と言いだします。ジェイラもまた、クラールから脱出した生き残りだったのです。それは、父親の犠牲があってのことで、クラールの部下、マナスの手によって殺されたのでした。カークは、説得します。「敵をとりたくないか?」と。「皆の救出を手伝ってくれるなら、俺達も手を貸す」と。結局、カーク、ジェイラ、スポック、マッコイが向かうことになりました。勿論、スポックをマッコイは医療主任として、止めたのですが、スポックは、ウフーラを救うと言って聞かないので、無茶しないようにお目付け役として同行するのです。救出作戦は、転送装置を使います。しかし1回に送れるのは20人までです。4人行くのは、80人近くいるからでしょうか? カークは、フランクリン号船内で見つけたPX-70というバイクでジェイラを後ろに乗せて囮になります。ジェイラは途中で降り、スポックとマッコイを転送し、敵陣に乗り込み、捕虜を助け出します。スポックも柄にもなく、ウフーラに「君を助けに来た」なんてセリフを吐きます。ウフーラは、寧ろ戸惑っています。一方、カークは、当然、敵からの集中砲火を浴びますが、ジェイラが使っていた転送装置の応用の分身を20近く作り、攻撃されても突き抜けます。その間に、ジェイラも、宿敵マナスを探します。しかし、それはマナスも同じでした。父親を殺したことで煽り、典型的な悪役セリフを吐き、後、一歩のトコまでジェイラを追い詰めます。それに気づいたカークが、ジェイラに「飛べ」と合図します。スポックとマッコイも最後の転送を行なおうとしていました。ジェイラはマナスの足を払い、一撃を食らわせて、塔から叩き落とし、ジェイラも飛びます。カークもバイクでジャンプし、手を伸ばします。2人が手をつないだ時、転送されました。フランクリン号の中で着地した時、当然、叩きつけられます。カーク「もう、これは頼まれてもやらない」 ジェイラ「そうね」 キーンザーとスコットも再会を喜ぼうとしますが、スコットのハグをキーンザーはよしとせず、握手で済ませました。キーンザーは、ハグした時に、強酸性のクシャミが出た時のことを恐れたのかもしれません。さて、生存者は全て収容しました。次はクラールのヨークタウン侵攻の企みを阻止しなければいけません。ジェイラが「私の家で飛べばいい」と言いますが、フランクリン号は100年前の機体です。スコットは、そのために調整はしてきました。操舵手のスールは「全員、捕まっていろ」と言って、エンジンを始動させました。カモフラージュ装置を解除したせいで、クラールの攻撃機が、木の枝のような発信基地から次々と飛び立ち、迫ってきています。一方、フランクリン号は山の斜面を滑り落ちていました。その真下は崖です。ギリギリのところで飛びたてました。揚力を得たのでしょう。後の問題は、フランクリン号の兵装です。宇宙艦隊時代のパルスド・フェイズ・キャノンと空間魚雷は残っていましたが、現在の惑星連邦の標準兵器はフェイザー砲や光子魚雷。まともな戦いでは勝てません。
スタートレックBEYONDのネタバレあらすじ5:殲滅作戦
スポックはエンタープライズ号からの脱出時に、乗り込んできた敵クラールの戦闘機で脱出した経験から、作戦を進言しようとします。つまり、敵ドローンは意思決定システムによって、集団行動を決めているということをバルカン人特有の論理的考察で長々と説明しているので、しびれを切らしたカークは「スポック、結論は?」(スポック、スキップ・トゥ・ジ・エンド。)と聞きます。結論は「クラールの小型艇は、相互通信をしているので超短波:VHFをラジオのように放送すればいい」というものでした。スコットは、妨害音波に使うのに、いいものをひらめきました。ジェイラも、すぐ同じ思考に至り、準備を始めます。しかし、誰かが、クラールの小型艇に潜入する必要があります。スポックは、マッコイを指名します。何故なら、脱出時、スポックは意識がなく、操縦していたのは、マッコイだからです。「俺は医者だし、墜落した経験しかないぞ」という抗議は無視されます。2人は転送され、敵ドローンを殴り倒し、コクピットを制圧します。準備は整いました。カークは言います。「さあ騒いでやろうか(レッツ・メイク・サム・ノイズ。)」そして、かかるのは「サポタージュ(ピースティ・ボーイズのアルバム「メイク・サム・ノイズ」(2011年))」ヨークタウンに津波のように襲いかかるクラールの小型艇は、次々にコントロールを失い、自爆していきます。「超時空要塞マクロス」のミンメイアタックのように。クルー、特にスールは、ロックミュージックを「これ、クラシックかい?」と言って、リズムに乗せて身体を揺らします。テンポあってないけどw ヨークタウン側も市民の避難を急いでいました。妨害電波を傍受し、ヨークタウンの中でも流し始めます。一方、フランクリン号もクラール機を見つけ、ぶつけます。艦内にクラール機は突入しました。ヨークタウン内の湖内に着水します。敵を撃退したフランクリン号を称えようと市民も集まってきます。機体の大きさ的にクラール機は、ひとたまりもないはずですが、念のために死亡確認するために、カークとウフーラが、衝突地点に向かいます。ウフーラは、何故か、そこで、フランクリン号の100年前の日誌が表示されているのに気づき、カークを呼びます。そこには、宇宙艦隊所属の軍事攻撃指令作戦部隊に在籍していた地球人のクラール(スキンヘッドの黒人)が映し出されていました。彼は、敵対異星人と戦い続けていましたが、和睦により、人類初の開拓任務に就いたのです。しかしブラックホールに飲みこまれ、部下はマナスとカララを含め3人にまで減少するほど、時間が経ち、自分たちが見捨てられたことを知り、復讐を誓ったのです。惑星アルタミッドもまた、土着種族に捨てられた星でした。しかし、その彼らの技術が他の生命体の生命力を吸い取る技術だったのです。何人かのフランクリン号のクルーがミイラ化してました。つまり、クラールは、地球人から、生命力を奪ったために、元の人間の姿に戻り、殺到するヨークタウン市民
に紛れて逃げたのです。
スタートレックBEYONDの結末:最後の戦い
クラールの目的は、古代兵器「アブロナス」を発動させ、市民を全滅させ、ヨークタウンを新たな拠点にすることでした。カークはスコットと共に、司令部に乗り込みます。ただちに、緊急警報を鳴らし、再び避難を誘導します。スコットは「効率的にアブナロスを発動させるには空調を利用するのが一番だろう」と推測し、カークは迷わず、空調制御装置に向かいます。それは、ヨークタウン中央にある重力発生装置がある部屋でもありました。そこには当然、クラールがいました。ほとんど、スキンヘッドの黒人でしたが、顔には、まだ爬虫類のような皮膚だった名残で、筋が浮き出ています。格闘戦になり、クラールもまたカークの航海日誌を見ていたので、悩んでいるカークの心中を見抜きます。しかし、カークもまた、地球人が最強であることを示すと言う時代遅れの地球至上主義を認めるわけには行けません。今回、バラバラになったエンタープライズのクルーが再び、集結し、困難を乗り越えたように種族を超えて(ビヨンド)、惑星連邦は、新たな時代に向かうべきなのです。カークは、スコットの指示で4つの重力遮断壁を解放し、エアロックを開くことで、排出しようとします。最後の1個が硬く、その隙に、クラールは「アブロナス」を作動させます。しかし、最後のロックが解放され、クラールは外に吹き飛ばされました。カークも吹っ飛ばされますが、そこに、マッコイとスポックが乗った小型艇が飛び込んできて、スコットが、エアロックを閉じます。ヨークタウンの外では、クラールが「アブロナス」のバイオ兵器によって分解・消滅していきました。スポック副長役のザカリー・クイントは、クラールをドナルド・トランプ大統領候補のような移民を受け入れないナショナリズムの思想に凝り固まったキャラクターと言っていたそうです。パリス准将が、「ヨークタウンの副提督の座はあなたの物よ」と言いますが、カークは断ります。「副提督では、深宇宙探査はできませんので」。カークは、皮ジャンに着替えていました。マッコイにバーに誘われていたのです。スポックも合流します。「スポック大使のことは聞いたよ。ひょっとして、おまえの相談って」「いえ、もう済みました」「カーク、あなたも、新造戦艦の艦長着任を断り、ヨークタウンの副提督の座を申請していたようですが」「そっちの件も済んだ。これまで通りだ」 バーの扉が開くと、エンタープライズ号のクルーが集結していました。マッコイが企んだものでした。カークは面食らいますが、3日前と違います。再び、このクルーたちに再会できたことに感謝もしています。そして、カークは献杯で「ここにいない友人たちに」と言って、パーティーははじまります。スポックとウフーラは、よりを戻したようです。多くの同胞よりも彼自身の遺伝子を残すことに決めたようです。吊り橋効果かもしれませんので、長続きはしないかもしれませんが。チェコフはアンモナイトのような異星人女性と酒談義をしています。「ご存知ですか? スコッチウイスキーはロシア出身の小柄な老婆が発明したんですよ」(実際にロシアの蒸留酒がイギリスやアイルランドに伝わったのが起源だそうです)そして、これが2016年6月に亡くなったパヴェル・チェコフ役のアントン・イェルチンの最後の出番になりました。ジェイラはカクテルを5杯あけていました。全然酔えないようです。そこにスコットが話しかけます。「酔えるかどうか分からないが、君が申請さえすれば、惑星連邦の士官として、階級が贈られる。」 ジェイラ「制服を着ることになるの?」カークは言います。「窮屈だがね」マッコイは言います。「また、あの艦で航海するのか」 新たに建造される戦艦の姿がバーから見えます。その名はエンタープライズ。が高速撮影で建造されていきます。新たな船籍番号は「NCC-1701-A」です。(Aが追加された模様。)「宇宙、それは人類に残された最後の開拓地(フロンティア)。そこには人類の想像を絶する新しい文明、新しい生命が待ち受けているに違いない」このセリフは、カーク、スポック、スコット、マッコイ、スール、チェコフ、ウフーラの順に朗読されました。「アメリカ横断ウルトラクイズ」でもお馴染みのテーマ曲(ウルトラクイズは、そのアレンジバージョン)が、かかって終わります。何故か、砕けた惑星を突き抜け続けます。エンタープライズ号が巨大な緑(神)の手に掴まれるシーンもあるそうです。そして最後に、「レナード・ニモイの想い出に愛をこめて。そしてアントンに捧ぐ」の献辞で締めくくられます。勿論、去年2月に亡くなったスポック・プライム役のレナード・ニモイと今年6月に亡くなったパヴェル・チェコフ役のアントン・イェルチンのことです。
この映画の感想を投稿する