ストロベリーショートケイクスの紹介:2006年日本映画。フリーターの里子、デリヘル嬢の秋代、OLのちひろ、イラストレーターの塔子の4人の女性の日常をつづるストーリー。
監督:矢崎仁司 出演者:池脇千鶴(里子)、中越典子(ちひろ)、中村優子(秋代)、岩瀬塔子(塔子)、加瀬亮(永井)、安藤政信(菊池)、ほか
映画「ストロベリーショートケイクス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ストロベリーショートケイクス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ストロベリーショートケイクス」解説
この解説記事には映画「ストロベリーショートケイクス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ストロベリーショートケイクスのネタバレあらすじ:起
里子(池脇千鶴)は‘恋愛したい’という願望を持つ女性です。2年前に彼氏にひどく捨てられ、捨てないでと泣いてすがったという過去がありました。里子はこれまでの人生であの日ほど悲惨な経験はなかったという程つらい失恋をしました。しかしその経験があったからこそ今があるのだと里子は考えています。
デリヘルの受付の仕事をしている里子は、同じ職場でデリヘル嬢として働く秋代(中村優子)と一緒に職場の近くで暮らしています。秋代は墓場の近くに住んでいて、死んだ人が入る棺で寝ている一風変わった女性です。
かわいくて女性らしい雰囲気のちひろ(中越典子)は、会社で雑用ばかりさせられていました。ちひろは恋愛依存の傾向があり、常に恋愛していたいと思っていたのです。そして彼氏のことを‘神様’という存在だと思っています。ほしいものを買ってくれたり自分のことを幸せにしてくれる唯一の存在だと話します。
イラストレーターとして実力がある塔子(岩瀬塔子)は、彼氏が神様だと言っているちひろと同居しています。ちひろと塔子はルームシェアをしていましたが、表向き仲良さそうに見える二人、実はお互いの事を良くは思っていませんでした。
ストロベリーショートケイクスのネタバレあらすじ:承
ある日、イラストレーターである塔子は‘どこにもいない自分だけの神様’というテーマで絵を描いてほしいという依頼を受けます。とは言うものの、上手く神様を描けない塔子はスランプに陥ってしまうのでした。昔から塔子は強いストレスを感じると拒食嘔吐を繰り返す、そんな所がありました。塔子は常にそうならないように生きてきたのです。
棺で眠る秋代には長い間好きな人がいました。それは大学の同期の菊池(安藤政信)という男。秋代は二人がうまく行かないことを知っていながらも、彼に対する想いを諦めることができません。スーパーで買ってきたトマトを「実家から送られてきた」と口実を作り、菊池に電話をして「野菜を少し分けてあげる」と話し、会う約束をします。
秋代は上機嫌で、トマトを菊池に渡してあげるために彼の家に行きますが、彼が別の女と仲むつまじく一緒に月を見ている姿を見て絶望します。そして手に持っていたトマトを落としてしまい、そのまま帰ります。
その様子を偶然見ていた塔子はインスピレーションが閃きました。秋代が落としたトマトが転がっていることを見かけて、その様子をイラストで表現しようと考えたのです。溢れるアイデアを形にし、一睡もせずに朝まで作業をした塔子は絵を完成させて出版社に絵を渡します。
出版社からの評価は上々でした。完成作品は出版社の社員の手に渡されますが、社員のミスによりせっかく描いた絵を紛失されてしまいます。世間の評価はどうあれ、無くしてしまったことに対する社員からの謝罪を聞きたいと塔子は出版社に向かいます。しかし謝罪どころか、出くわした出版者の人たちは彼女が売れるようになって変わったと冷たく言う始末。なぜか責められた塔子はショックを受け、出版社を後にします。
ストロベリーショートケイクスのネタバレあらすじ:転
里子は仕事帰り、タバコの自動販売機の前で変な形の石を拾います。そしてその形が神様のようだと思った里子は、その石を家に持ってきて神様のように大事に神棚に飾ります。そして恋愛がしたいと願いました。
そんな里子に新しい男性が現れました。それは職場の店長だったのです。妻子を持っていた店長でしたが、離婚して里子と一緒になりたいと言い寄ってきたのです。元々店長のことを嫌っていた里子は石に「恋愛がしたいとはこういう形じゃない、店長は死ねばいいんだ」と願ってしまいます。
後日、本当に店長が死んでしまった事で、里子は石の存在が恐ろしくなります。そして仕事をやめて新しい仕事を見つけるのでした。
ずっと恋をしていたいと考えているちひろ。今は同僚の永井(加瀬亮)と恋仲になっています。ちひろは新しくできた恋人の永井と幸せそうに付き合います。実はちひろの夢はいい人と出会い早く結婚することでした。そして結婚して仕事をやめた仲間のことをうらやましいと思い、日記にも書いたりします。
彼氏と結婚することが幸せだと思っているちひろは、ある日永井の家で彼が帰るのを待っていました。しかしあまりにも結婚をちらつかせるちひろに永井の心は次第に離れていき、突き放されるように別れを告げます。
突然すぎる別れにショックを受けたちひろ。その寂しさと、誕生日なのに一人でいる孤独に耐えきれないちひろは別の男の所に向かい、行きずりな関係を持ってしまうのでした。
菊池に彼女がいたことでショックを受けていた秋代でしたが、どうしても諦める事が出来ません。秋代は酔った勢いを利用して菊池と関係を持つことに成功します。やがて体調を崩し倒れてしまった秋代。彼女は妊娠していました。
ストロベリーショートケイクスの結末
ちひろと塔子は些細な事で喧嘩をしてしまいます。元々上手くいっているとは言えない関係でしたが、互いのストレスが些細な事で爆発したような感じです。出版社でのトラブルもあって、もう一杯一杯だった塔子はストレスから拒食になってしまいます。
トイレで吐いている姿を一番見られたくないちひろに見られてしまった塔子。ちひろは意外にも塔子を抱きしめ、共に泣いてくれたのです。互いに心を開きあっていなかったちひろと塔子でしたが、共に住むことで少しずつ友情を育んでこれたのです。傷つき打ちのめされた時に側にいてくれる友人、ようやくその事に気づくことが出来たのでした。
おそらく菊池の子であろう子供を妊娠した秋代は、実家で出産するために田舎に帰ることに決めました。悩んだ末、里子もそんな秋代についていく事にします。今まで神様のような存在だった石も、過去の話から信じる事が出来なくなり、もう捨てています。
ちひろもまた仕事を辞めて実家に帰ることにしました。塔子はちひろを見送りにやってきていました。塔子もまたこれからは実家に戻り生活を始めます。しかし見送るだけだったはずの塔子は、新幹線を降り損ねてちひろの田舎まで行くことになってしまいました。
こうして、とある田舎の海岸で、これまで交わりそうで交わって来なかった四人が初めて出会うことになったのです。
以上、映画「ストロベリーショートケイクス」のあらすじと結末でした。
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