捨て身のならず者の紹介:1970年日本映画。警察も他の記者も全く関わらない組織暴力団「大和会」の記事を書くために調査していた矢島が、大和会の組員殺しに仕立て上げられ、収監されました。その後、矢島の妻も殺され、復讐を誓う矢島は控訴せず服役します。獄中で大和会会長の死を知った矢島は、出所後目的を失い酒を飲む毎日が続いていましたが、大和会に追われる、死んだ会長の娘だという真佐子を助け…という内容の高倉健主演のアクション映画です。
監督:降旗康男 出演者:高倉健(矢島)、浜美枝(真佐子)、宍戸錠(野沢)、室田日出男(関根)、水島道太郎(大和田)、山本麟一(唐沢)ほか
映画「捨て身のならず者」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「捨て身のならず者」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「捨て身のならず者」解説
この解説記事には映画「捨て身のならず者」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
捨て身のならず者のネタバレあらすじ:起
三流記者の矢島は、組織暴力団の大和会を調べて記事にしようとしていました。他の記者も警察までも手を引いている大和会の記事を買ってくれと、毎朝新聞にいる義理の兄の野沢に持ちかけますが、それも断られます。
一人で奮闘する矢島の自宅には、毎日何回も嫌がらせの電話がかかっていました。妻の佳代が心労で疲れ果てています。そんな矢島に大和会の会長の大和田が会いたいと言ってきます。一人大和会に乗り込んだ矢島に、大和田は『あんたの書いた記事を買ってやる、何なら社員にしてもいい』と持ちかけます。矢島は誘いをきっぱり断り事務所を出ます。
その後、大和会の宮崎に会うことになった矢島が、待ち合わせの旅館に入ると、宮崎が殺されていました。女中の通報で捕らわれた矢島は、関根刑事から犯人扱いを受け、裁判が終わるまで留置場に入れられます。無実を訴える矢島でしたが、関根は矢島を犯人にすべく手続きを進めていました。
面会に来た佳代も無実を信じていると言いますが、大和会の車にはねられ死んでしまいます。事故として処理されたことを聞かされた矢島は、今まで模範囚でありながら、この時だけは『大和田に会わせろ!』と暴言を吐きます。その後、控訴をあきらめ、5年後、出所してから大和田に復讐することを心に誓います。
捨て身のならず者のネタバレあらすじ:承
刑務所仲間でオカマの囚人から大和田が死んだことを告げられます。矢島は刑期を終えて出所しますが、目的を失ったため、毎夜酒を飲んでいました。大和会は2代目を唐沢が継ぎ、組織をさらに拡大していました。酔って喧嘩した矢島が留置場に放り込まれると、身元引受人として関根がやって来ます。関根は本庁の課長に出世していました。
自宅の前で、大和会の男たちから「女を見なかったか?」と聞かれます。部屋に入ると見知らぬ女がいました。真佐子という若い女は、男たちに追われていると言い、矢島は「まだ道路で見張っているからここにいろ」と、一夜を明かします。翌朝真佐子は、「死んだ母から聞いていた父に会うため、長崎から出てきた」と話します。父の名は大和田謙作だと言いました。
矢島は死んだ大和会の会長が大和田謙一郎であることを話し、同じ人なら死んでいると言います。しかし真佐子はちょっと前に電話がかかってきたのだと言い、「日比谷公園で会うので一緒に行って!」と頼みます。大和会の追跡をかわしながら、二人は日比谷公園に向かいます。
2代目の唐沢らは、偽装死亡した会長に内緒で10億円の焦げ付きを作ってしまい、今度の決算でバレることを恐れていました。バレたら会長に殺されることから、真佐子を誘拐して会長と取引しようとしていました。
捨て身のならず者のネタバレあらすじ:転
日比谷公園に来た大和田は、真佐子の横に矢島がいたことから会うのをやめます。その夜、二人で夕食をとり明日長崎に帰る真佐子を見送る約束をし、矢島は自宅に帰ります。しかし自宅前で大和会に拉致され、真佐子の居場所を聞かれますが、矢島は吐きませんでした。倉庫に監禁されるものの、見張りを倒して逃げ出した矢島は駅に向かいます。
駅で矢島を待つ真佐子は列車に乗らず、日比谷公園に向かいます。矢島が駅に着いたころには真佐子はいなくなっていて、矢島は毎朝新聞の野沢に会いに行きます。野沢に大和田は生きていると言うと、そのことは忘れろと言われます。矢島は「佳代が殺され事も忘れろと言うのか!」と怒鳴り部屋に戻ります。
すると真佐子がいて、矢島は真佐子に自分の妻が殺された事、殺人犯に仕立て上げられ服役したことを教えます。矢島は関根に会います。そして大和田が生きていることと、関根が大和会に情報を流している事、そして大和会の犯罪を全てもみ消していることをぶつけます。
次に矢島は大和田の死亡診断書を書いた医師を捕まえて問いただしますが、関根の手回しで警察に捕まってしまいます。身元引受人としてやってきた野沢から、医師が事故死したことを聞かされます。
捨て身のならず者の結末
大和田の墓を暴いた矢島は、死体の代わりに砂袋を見つけます。そのころ唐沢は、このままでは全員殺されるから、会長には本当に死んでもらおうと真佐子を拉致し、会長に「真佐子に会わせてやる」と言って呼び出します。大和田は、一緒にいた関根に「オレを殺すつもりだ」と言います。真佐子がさらわれたことを知った矢島も大和会に拉致されます。ミキサー車の中で死んでもらうと言われる矢島でしたが、逆に男たちを殴り倒し真佐子を探します。
唐沢の倉庫に大和田が関根とやって来ます。唐沢は真佐子を突きだします。真佐子に「会いたかった」と告げる大和田でしたが、真佐子は矢島の話を持ち出し「本当か?」と聞きます。大和田は「全く知らない」と言い、話が終わると、唐沢は「今までご苦労様でした」と言って銃を構えます。
子分たちも銃を構えると、大和田の部下が出てきてマシンガンで唐沢ら全員を射殺しました。そして関根に「処理をしておけ」と命じます。そこへ矢島が銃を持ってやってきて、子分と関根を射殺します。そして大和田に銃を向けると、大和田は真佐子を盾にします。その後、銃撃戦になり、矢島は大和田を射殺しました。
大和田と警察の暴露記事を書くことになっている野沢がやってきます。パトカーで護送される矢島は、一人たたずむ真佐子を見ていました。
以上、映画「捨て身のならず者」のあらすじと結末でした。
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