タンポポの紹介:1985年日本映画。伊丹十三監督による人情コメディ作品です。売れないラーメン屋を立て直そうと奮闘する行きずりの二人のトラック運転手らの姿を、周りの人間模様と共に描いています。
監督:伊丹十三 出演者:山崎努(ゴロー)、渡辺謙(ガン)、宮本信子(タンポポ)、ピスケン(安岡力也)、センセイ(加藤嘉)、ショーヘイ(桜金造)ほか
映画「タンポポ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「タンポポ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「タンポポ」解説
この解説記事には映画「タンポポ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
タンポポのネタバレあらすじ:起
長距離トラックの運転手ゴロー(山崎努)と相棒のガン(渡辺謙)は雨の中トラックを走らせていました。二人は道中で、行きずりの無性にラーメンが食べたくなり、道路沿いの寂れたラーメン屋「来々軒」に入ります。この店は地元の不良がたむろする荒んだ雰囲気で、ラーメンも正直言って不味いものでした。そこに子分数人を引き連れた地元の土建屋ピスケン(安岡力也)が女店主タンポポ(宮本信子)をしつこく口説いていました。元々ボクサーだったゴローはタンポポを助けようとしますが、逆にピスケンの子分にボコボコにされ、タンポポに介抱されます。亡き夫の遺した店を継ぎ、女手ひとつで小学生の息子を育てながら店を一人で切り盛りしていたタンポポは、ゴローがラーメンに詳しいことを知るや、ラーメンの味の手ほどきをしてほしいと頼みます。長距離ドライバーとして全国各地のラーメンを食べ歩いてきたゴローは嫌とは言えず、タンポポのラーメン屋を行列のできる人気店に生まれ変わらせようと決意します。
タンポポのネタバレあらすじ:承
タンポポのラーメンは不味いものでしたが、漬物や味噌汁などの家庭料理は旨く、ゴローの舌を唸らせます。ゴローは非番の時を利用して、タンポポを連れてライバル店の偵察に行きます。最初に訪れた「大三元」は店員の威勢が良く、一応は繁盛していますが、ゴローは「確かに掛け声が大きいが、動きに無駄が多い。味も大したことがない。いずれ閑古鳥が鳴くさ」とバッサリ。続いて中華街で年配の店主が経営するラーメン屋を訪れ、動きに無駄がなく客が食べ終わった丼もしっかり確認している点を評価します。ゴローは偵察と並行してタンポポの体力づくりや接客の仕方などをレクチャーしていきます。スープ作りに悩むタンポポは独自に他のラーメン屋のスープを食し、店からレシピを教えてもらおうとしますが、店の命とも言えるレシピを教えてくれる店などある筈がありませんでした。そこでゴローは、旧知の仲であるセンセイ(加藤嘉)に協力を求めます。センセイはかつては産婦人科医でしたが、あまりにもラーメンが好きすぎて、食道楽の果てに現在はホームレス暮らしをしていました。センセイはタンポポにスープ作りを指導します。
タンポポのネタバレあらすじ:転
ある日、ゴローとタンポポはとある蕎麦屋で餅を喉に詰まらせてしまった資産家の老人(大滝秀治)を助けます。命を救われた老人はお礼にと出入りの料理人ショーヘイ(桜金造)を紹介します。ショーヘイは麺を担当することになります。ある日、再びゴローはピスケンと出くわし、タイマンで勝負した後に和解します。ここにタンポポの店再生チームが全員揃います。ゴローは総合プロデュース、ガンはスタイリストを担当し新しいユニフォームを用意してきます。センセイはスープ、ショーヘイは麺、そしてピスケンは店の内装工事を手掛けることに。そして店の名前も「タンポポ」と改名します。ある日、タンポポはゴローを誘って焼肉屋でデートします。お互いの過去を話し、そのままタンポポの家で一夜を過ごします。
タンポポの結末
タンポポのラーメンはいよいよ完成に近づいていました。具はシンプルなチャーシュー、シナチク、ネギのみ、ラーメンの種類も2種類に絞るなどシンプル化を図ります。タンポポは幾度か5人に試食してもらいますが、なかなか合格はもらえません。悩むタンポポにピスケンは「ネギソバ」のレシピを教えてあげます。そしてようやく5人はタンポポのラーメンに合格を与え、遂にタンポポのラーメンは完成します。内装工事も終え、真新しいユニフォームに身を包んで「タンポポ」は再スタートを切ります。店は初日から行列ができ大繁盛。自分の役目は終わったとばかりにゴローはガンを連れてトラックに乗り、走り去っていくのでした。
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