本当の僕を教えての紹介:2019年イギリス映画。交通事故によって一卵性の双子のアレックスが記憶喪失になってしまいます。その35年後にアレックスと双子兄弟のマーカスそれぞれにインタビューを行い、当時を振り返ってもらいます。インタビューを重ねていくうちに、2人の両親の衝撃的事実が徐々に浮かび上がるドキュメンタリー映画です。
監督:エド・パーキンス 出演:アレックス・ルイス、マーカス・ルイス、アンドリュー・ケーリー、キャスリーン・レイ、ほか
映画「本当の僕を教えて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「本当の僕を教えて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
本当の僕を教えての予告編 動画
映画「本当の僕を教えて」解説
この解説記事には映画「本当の僕を教えて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
本当の僕を教えてのネタバレあらすじ:第1章-前 アレックス
アレックスとマーカスは双子兄弟です。35年前にアレックスが交通事故によって記憶喪失に。当時の想いをアレックスとマーカスそれぞれの視点でインタビューが進められていきます。
1982年、18歳のアレックスは交通事故に遭い、意識不明になってしまいます。目が覚めると目の前にはアレックスの双子兄弟マーカスがいます。他に女性がいます。アレックスはその人が誰だかわかりません。その女性はアレックスの母親で、アレックスはマーカス以外のことはすべて忘れてしまっています。両親が誰だか、どこに住んでいるのか、なぜ自分がここにいるのか全く記憶にありません。
退院して家に帰ると、実家があまりの豪邸に驚きます。両親は記憶のないアレックスの対応に戸惑い、父親は一度も病院にお見舞いに訪れてくれませんでした。母親はアレックスの記憶喪失にだいぶショックを受けていたようですが、アレックスはマーカスがいたから孤独ではありませんでした。
母親はチワワを好きでたくさん飼っていました。マーカスとアレックスはチワワをネズミと呼ぶほどに嫌っていましたが、事故後、アレックスはチワワのことが好きになります。テレビの存在すら覚えていないアレックスは、マーカスに一つ一つ教わり、一カ月でどんどん知識を吸収します。
アレックスはその後、家のルールを教えてもらいます。マーカスとアレックスは離れの家で生活をしており、勝手に自宅に入ることを許されていませんでした。実家には多くの立ち入り禁止エリアがあり、基本的に両親とは食事をとりません。父親は短期でちょっとしたことですぐに怒ります。両親は元貴族でパーティー三昧。そんな異質な家庭環境でしたが、アレックスにとってはこれが当たり前となっていきます。
事故後、初めて友達に会うとき、アレックスはマーカスに友達の情報を聞きだして、記憶喪失を隠して接します。友達は違和感なくアレックスと交流します。アレックスは記憶喪失が影響して、友達といるときは写真をよく撮るようになります。
本当の僕を教えてのネタバレあらすじ:第1章-後 アレックス
父親がすい臓がんであると判明します。父親は「今までの態度を許してほしい」と言い、アレックスはすぐに許しましたが、マーカスは許しませんでした。その3日後に父親は亡くなってしまいます。父親の最後の時ぐらい許してあげればよかったのにと、アレックスはマーカスの父親に対する感情に違和感を覚えます。
父親の死によって厳しいルールから解放されるかと思いましたが、むしろルールは厳しくなります。母親は決して自宅の鍵を息子たちに渡しませんでした。
5年後、母親は脳腫瘍で意識を失います。それをきっかけにアレックスは母親との距離が縮まります。母親の誕生日を祝うなど、幸せな時間を過ごします。そうして、アレックスとマーカスが32歳のときに母親は亡くなります。涙が止まらないアレックスに対して、マーカスは無感情でした。そのマーカスの感情にアレックスは怒りを覚えます。
その後、2人は両親のいらないものを処分するために、初めて自分たちの鍵で家に入ります。すると、ジャム瓶やカーテンの縫い目からお金が出てきます。徐々にアレックスは家の様子がおかしいと感じます。
挙句の果てに、洗面室からは大量の性具が出てきます。動揺するアレックスに対してマーカスは「気にするな」としか言いません。アレックスが母親の部屋を片付けていると、クローゼットの奥に鍵つきのタンスを見つけます。鍵を探して開けると、首が切り取られた幼い頃のマーカスとアレックス裸の写真が入っていました。
本当の僕を教えてのネタバレあらすじ:第2章 マーカス
マーカスの視点で家族についての話が進められます。
マーカスはできるだけ家族のダークな部分を隠してアレックスと接してきました。アレックスに家族旅行に行ったことはあるのか聞かれ、行ったことがあると答えます。しかし、真実は家族旅行に行ったことはなく、いつもよその家族に2人は旅行に連れていってもらっていました。アレックスは突っ込んで質問をしてこなかったので、マーカスには都合がよかったようです。
しかし、だんだん辻褄が合わなくなってきます。マーカスにとってアレックスは家族であり親友だったので、嘘をつくのを辛く感じていました。しかし、真実を話すことはマーカスにとってもっと地獄でした。そのため、マーカスは子供の頃の話をしないことを固く誓います。
そしてカメラの前で、母親から12歳~14歳まで性的虐待を受けていたことを告白します。周りからは、アレックスには真実を言うべきだという意見もありましたが、その記憶のせいで自分は苦しめられているから、同じ辛い思いをアレックスにはしてほしくはないと、涙をこらえながらマーカスは話します。
アレックスは映画と本を参考にして家族らしいことを積極的に行っていきました。しかし、“あの写真”をきっかけにアレックスは変わってしまったとマーカスは言います。そのことがばれたとき、マーカスは青ざめます。
写真によってその事実を知ったアレックスは、母親に対する怒りより、その真実を何年も隠し続けたマーカスに怒りを感じます。問い詰めてもマーカスは答えてくれません。何も知らないまま32歳でアレックスは放り出され、人生のやり直しを余儀なくされました。
アレックスは自分で母親を調査します。すると、家から大量のラブレターが発見されます。その差出人は、大佐など重要人物ばかりでした。これにより、母親は男を虜にして操作していたことがわかります。アレックスは自殺を考えるほどに追い詰められていきました。しかし、今の奥さんに出会えたことで、人生に光が見え始めます。
奥さんはアレックスの過去も現在もすべて理解してくれ、母親の調査にも協力をしてくれ、2人の子供にも恵まれました。マーカスも結婚し、2人の子供を授かります。マーカスは新しい家族ができたことを機に、過去のことを忘れ去られると思っていましたが、そんな簡単な話ではありませんでした。
その後もアレックスとマーカスの関係は途切れません。一緒に自伝も書き、虐待防止運動もしました。しかし、マーカスはアレックスに母親からの性的虐待の詳細を今に至るまで一切話してくれませんでした。
本当の僕を教えての結末:第3章 アレックスとマーカス
2人は向き合って本音で話し合います。アレックスはどれだけ自分の過去が知りたいか、もう自分の調査を辞めたいかを語ります。一方マーカスは、沈黙は自分のためだと、話してしまったらあの時の記憶が蘇ってしまうと言います。アレックスは全くそのことを忘れたのに、わざわざ思い出して苦しむ必要がないと、マーカスは考えています。なかなか2人の意見はまとまりません。
そしてようやくマーカスは過去について話すことを認め、ビデオに撮ったからそれを見てほしいと、席を立ちあがります。アレックスはその動画を見ます。ビデオの中のマーカスは重たい口を開きます。
最初は母親から性的虐待を受けていましたが、それはいつしか外に駆り出されることになりました。母親と初めて会う男性とアレックスは食事をし、その後アレックスを置いて母親は帰ってしまいます。その夜アレックスはその男性から性的虐待を受けます。翌朝母親は迎えに来ますが、その車内ではそのことについて母親は特に触れてきませんでした。その当番がアレックスの日があればマーカスの日もあり、それが2年間行われました。
マーカスは14歳のときに、男性から性的虐待を受けているとき、「やめて」と主張をして逃げ出します。それから、夜に駆り出されることは無くなりました。そのことがあっても母親は無言を貫きました。
アレックスは聞けて良かったとマーカスに伝えます。「これで2人の間に沈黙も嘘もなくなった」そう言って2人はお互いの信頼を確かめ合います。
以上、映画「本当の僕を教えて」のあらすじと結末でした。
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