アジャストメントの紹介:2011年アメリカ映画。新進気鋭の若き議員デヴィットは選挙で足元をすくわれるように落選する。その落選演説の直前一人の女性に出会い、彼女のアドバイスで民衆の好感を更に高める。デヴィットは彼女との出会いに運命を感じ彼女を追い求めるが、運命を正そうとする謎の組織がそれを阻む。SF作家フィリップ・K・ディックの短編『調整班』を原作にし、オマージュした恋愛SF映画。
監督:ジョージ・ノルフィ 出演:マット・デイモン(デヴィッド・ノリス)、エミリー・ブラント(エリース・セラス)、アンソニー・マッキー(ハリー)、ジョン・スラッテリー(リチャードソン)、ほか
映画「アジャストメント」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アジャストメント」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アジャストメント」解説
この解説記事には映画「アジャストメント」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アジャストメントの予告編 動画
アジャストメントのネタバレあらすじ:第1幕
ニューヨークの下町で育ったデヴィットは、下院議員を経て上院議員選挙に立候補します。若く、行動力もあり、荒れた少年期から立派に大成した彼は人気絶頂で、当選間違いなしと思われていました。しかし、あるパーティーで起こした醜聞がきっかけで失速、落選してしまいました。その影で、帽子を被った謎の一団が、何かの調整に乗り出そうとしていました。デヴィットはトイレで一人落選演説の練習していると、それを盗み聞きしていた女性が個室から出てきます。彼女は度胸試しに他人の結婚式に紛れ込んでいたのがばれて逃げ回っている所でした。女性はデヴィットにスタッフが作ったスピーチではなく自分の言葉で正直に話せとアドバイスします。デヴィットは彼女と他愛ない会話をして別れ、演説台に立ちます。最初、暗記した原稿どおりの野心的で勇ましい演説を行っていた彼ですが、女性との会話を思い出し途中で止め、自分がそれ程立派ではない人物で全部スタッフの努力のお陰だと語り、その謙虚な演説が支持者から好感を得ます。
選挙が終わって暫く経ったある朝、帽子を被った謎の男は、相棒であるもう一人の帽子を被った男に7時5分にコーヒーをこぼすと言って何かを画策していました。デヴィットはベンチャーキャピタルの役員に就任していました。それでもテレビは彼の動向を注視し、出社の為に外に出れば彼の支持者は増えていたようでした。彼はバスに乗りますが、先程の帽子を被った二人組のうちハリーがベンチで居眠りをしていてそのバスに乗り遅れます。デヴィットはそのバスで偶然トイレの女性と再会し、相席します。ハリーは走りバスを追いかけるますが7時5分が来てしまいます。バスの中ではデヴィットがコーヒーをこぼしそれがきっかけに二人は親密になり、デヴィットは女性の名前をエリースだと知り、電話番号書かれた名刺を渡されます。ハリーの持つ本の中、何かが書き換わっていきました。
デヴィットは友人であり選挙参謀であり会社役員のチャーリーと環境事業対策で揉めていましたが、上機嫌で出社します。しかし挨拶しても誰も反応を示しません。会社内だけ時間が止まったかのように静かでした。デヴィットが会議室に行くと、例の帽子の一団がチャーリーを始め、社員に何かをしている光景に出くわします。デヴィットは逃げますが先を読まれているように先々の扉から彼等は現れ、最後には捕らえました。
アジャストメントのネタバレあらすじ:第2幕
どこか広い倉庫のような駐車場のような場所で、デヴィットは拘束されていました。帽子の一団は、何かリセットをするしない等と言う相談をした後、そのリーダー格が話し掛けてきます。彼はリチャードソンと名乗り調整者だと言います。拘束を解かれたデヴィットは逃げようとしますが、何かしらの力が床をめくりそれを阻みます。リチャードソンはデヴィットの考えが読めているように語り、自分達の役割は運命を操り世界を調整する事だと言います。この事を口外するならば、デヴィットの人格、記憶を全て消去、リセットすると脅迫し、エリースにはもう会うなと忠告し、名刺を燃やします。ヴィットが理由を尋ねると答えられないと言い、手近な扉から外に出されます。そこは彼の執務室でした。デヴィットは慌てて閉じられた扉を開けますが、その向こうは小会議室で、その後チャーリーに会うと、先程とは打って変って環境事業に賛同していました。デヴィットは酒場で必死にエリースの電話番号を思い出そうとしています。そこにハリーが来て無駄な事はするな忠告します。デヴィットに聞かれたハリーは、自分達の存在に関してぼかして話し始めます。心を読むというのははったりでしたが、彼等は運命の書で運命を読み、それに従って世界を調整していました。
3年が経ち、デヴィットの上院議員立候補も近いある日、バスに乗って外を眺めていた彼はエリースを見かけます。彼は即座にバスを降り、エリースに話しかけます。その接触に調整者達は慌てざわめき、リチャードソンが動き出します。エリースはダンサーで3年間一度も連絡をくれなかったデヴィットをなじりますが、まだ気はあるようでした。その頃二人を別れさせようと奔走する調整者達ですが、運命の書に無数の流れが記載されていて、二人の接点も無数にある事を示していました。様々な手段で足止めし、説得しますがデヴィットは頑なにエリースを求めます。そしてデヴィットの行動力が彼らを上回り、運命の書が示す、デヴィットがエリースへの愛を決定的にする道筋に辿り着きました。運命調整局に戻ったリチャードソンに上司は、二人の出会いが強固なのは古い運命の仕業だといい、引き離す為にもっと力のあるトンプソンを呼び出しました。
アジャストメントのネタバレあらすじ:第3幕
結ばれた二人ですが、エリースに数ヶ月前に別れた元婚約者から電話が入ります。しかも4回もです。デヴィットは調整者達の介入を感じます。調整者達は、デヴィットをまた例の倉庫に招きます。そこにトンプソンが現れ、調整者達の役割がいかに重要で、それを行わなかった時期にどれ程の動乱と混乱が起きたかを説明します。トンプソンはデヴィットにエリースが傍に居る事で彼が小さくまとまってしまう事を恐れていると言います。トンプソンはデヴィットにエリースの踊りを見せます。彼女は素晴らしいダンサーで将来有望である事を認め、結婚すればその未来はなくなるだろうと言います。その上で、彼女を怪我させました。怪我は足の捻挫でしたが、デヴィットはトンプソンを感情のまま殴ります。トンプソンはそれを意に介さず、その暴力に頼る粗暴こそが彼の本質だと言い放ちます。あらゆる悪影響を恐れたデヴィットは、またもエリースと分かれる決意をします。その時ハリーは、自分の調整者としての存在意義に悩みます。デヴィットが政治家になる決意をした家族の死を引き起こしたのは彼だったのです。
そしてまた11ヶ月の月日が経ち、選挙でデヴィットは優勢を維持していました。そんな時、新聞で一流のダンサーとなったエリースが振付師の男と結婚するという報道を目にします。デヴィットは一人バーで飲みます。そこをハリーが伝言で呼び出しました。雨の振る街角でハリーは、デヴィットにエリースの引き離し理由は嘘だったと告白します。デヴィットには大統領になる道筋があり、エリースと居るとその野望を忘れてしまう可能性があったのです。デヴィットは名声を虚しく感じ、彼女の幸せを願っていました。しかし、調停者はデヴィットとエリースを近付ける事はありません。デヴィットはハリーに調停者の扉を使わせて欲しいと懇願しました。
アジャストメントの結末:第4幕
ハリーはデヴィットに協力し、扉を使ってエリースの下に行かせる事にします。その為運命の書を使い念密に道順を立て、デヴィットにそれを覚えこませます。ハリーは雨が調停者に運命の察知を遅らせる事、扉のノブを回す方向で調整局に入る事が可能な事、そして扉を操るには彼らの帽子は必要な事を教えます。必要な事を理解したデヴィットは、エリースが結婚を調印する裁判所に向かいます。遅まきながら調整員達もその動きに気付き妨害を図りますが、全てを考慮に入れたデヴィットに追いすがる事が出来ません。デヴィットは法廷辿り着き、エリースの友人から彼女はトイレに居る事を知ります。デヴィットはエリースを結婚するなと説得しますが、彼女は困惑します。そして入ってきた帽子の男を殴り、彼が持っていた運命の書を見せ、全てを話します。その頃トンプソンはリセットを要求し大規模な捕縛作戦が実行されます。デヴィットは混乱するエリースを連れて扉を抜けて、野球場、六番街、そして自由の女神の足元に逃げます。このままでは逃げ切れないと感じたデヴィットは運命の本の著者、つまり運命を司る者に会いに行く事を決意、エリースを連れて調整局に向かいます。そのデヴィット達をトンプソンが必死に追っている中、ハリーは議長室に呼び出されます。調整局の屋上に追い詰められた二人を、トンプソン達は無駄な抵抗をするなと諭します。しかしそこにハリーが新たな命令書を持って現れます。その命令に従い、トンプソンは達の姿は一瞬で消えました。残ったハリーにデヴィットは事情を求めます。ハリーは今回の一件は、二人にも、調整局にも試練だったと告げます。そしてその試練に打ち勝ち、二人の強い絆は運命から逸脱したと議長は運命の書を書き換えたという事でした。運命の書では二人の運命は白紙に向かっていました。議長とは何者かとデヴィットが聞くと、ずっと人類を見守っている存在だとハリーは答えます。議長が望むのは、人間が自ら運命を書き記す事だとも付け加えます。
ニューヨークの街はいつもどおりで人に溢れていました。その中には調停者達もいつものように溶け込んでいました。世界には無数の運命がその道筋を歩いていきます。デヴィットとエリースも、真っ白な未来に歩き出しました。
以上、映画アジャストメントのあらすじと結末でした。
アジャストメントの出演者・監督
監督:ジョージ・ノルフィ 出演:デヴィッド・ノリス(マット・デイモン)、エリース・セラス(エミリー・ブラント)、ハリー・ミッチェル(アンソニー・マッキー)、チャーリー・トレイナー(マイケル・ケリー)、リチャードソン(ジョン・スラッテリー)、トンプソン(テレンス・スタンプ)
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