プリシラの紹介:1994年オーストラリア映画。オーストラリアのシドニーに住む3人のドラッグ・クイーンが、「プリシラ号」と名づけたバスで地方公演の旅に出る。差別や偏見と闘いながら、それぞれ生きる道を模索する姿をコメディ・タッチに描いたロード・ムービー。第67回アカデミー衣裳デザイン賞に輝いた奇抜なファッションの数々と、全編に流れる70~80年代のヒット曲も堪能できる作品。
監督:ステファン・エリオット 出演者:テレンス・スタンプ(バーナデット)、ヒューゴ・ウィーヴィング(ミッチ)、ガイ・ピアース(フェリシア)、ビル・ハンター(ボブ)、サラ・チャドウィック(マリオン)、マーク・ホルムズ(ベンジー)、ジュリア・コルテス(シンシア)ほか
映画「プリシラ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「プリシラ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
プリシラの予告編 動画
映画「プリシラ」解説
この解説記事には映画「プリシラ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
プリシラのネタバレあらすじ:起
オーストラリアのシドニー。鮮やかなコスチュームを身にまとい、ステージで踊るドラッグ・クイーンのミッチ。ある日のこと、アイススプリングスのホテルから、ショ―をやってほしいという依頼が舞い込みます。それは、結婚2年で別れたミッチの元嫁、マリオンからのオファーでした。ミッチの脳裏に、過去の出来事が蘇ります。マリオンは、ミッチの息子を出産していました。しかしマリオンと別れて以来6年間、一度も息子に会ったことがないのです。アイススプリングスに行くことを決心したミッチは、一緒にショ―をするドラッグ・クイーン仲間を誘います。1人は、恋人を亡くしたばかりで悲しみにくれている中年のバーナデット。もう1人は、若くて騒々しいフェリシアです。ミッチは古ぼけた大型のバスを手に入れ、「プリシラ号」と名づけます。こうして、シドニーから3千キロも離れた、砂漠のど真ん中にあるホテルを目指してプリシラ号が走り出しました。
プリシラのネタバレあらすじ:承
遙か長い道のりを交代で運転しながら、歌ったり踊ったりの賑やかな旅が続きます。ミッチは2人に、目的地で待っているのが元妻であることを告白します。ミッチがバイセクシュアルだと知った2人は仰天します。行く先々の場所で、人々から好奇と嫌悪の視線を投げつけられる3人。立ち寄ったバーでは差別的な言葉を浴びせられますが、少しもひるむことなく堂々と振る舞います。しかし翌日、プリシラ号のボディには「出て行け」と大きく落書きされていました。「タフなつもりでいても、傷つくことがあるわ」とバーナデットは言います。その後、プリシラ号は、砂漠の途中でエンストを起こしてしまいます。3人は困り果てますが、心優しいアボリジニーのグループに助けられ、修理ができるボブという男性を紹介されます。その夜、町の住民に頼まれて、3人はバーでショ―を始めます。すると、そこへボブの妻シンシアが乱入し、バーカウンターでかなりきわどいパフォーマンスをやらかします。シンシアは、元ストリッパー。真面目なボブと結婚し、彼にストリップはやめてくれと言われて以来、不満を募らせていたのでした。男たちの歓声を浴びて嬉々とするシンシアに激怒するボブ。2人は大ゲンカを繰り広げ、ボブに嫌気がさしたシンシアは家を出て行きました。1人になったボブは、ミッチたちの旅に同行することにします。「人生はままならん」と落ち込むボブに、バーナデットは優しく「あなたは紳士だわ」と言って慰めます。
プリシラのネタバレあらすじ:転
ボブという新たな仲間も加わり、プリシラ号が次の町に到着しました。その夜、いつもの通り派手な服装でばっちりキメたフェリシアは、楽しいことを求めてたった1人で外出します。ところが、たき火を囲む酔っ払いの男たちに目をつけられてしまい、暗闇に連れ込まれたところをボブが止めに入ります。それでもフェリシアに乱暴を働く男たち。そこへようやく、バーナデットとミッチが助けに駆けつけました。フェリシアは事なきを得ますが、殴られて怪我をしてしまい、べそをかきます。3人は、自分たちの生きる場所は都会にしかないのだと悟ります。「男が女になるのは、楽なことじゃないのよ」と言うバーナデット。彼女は、密かにボブに魅かれていました。ボブもまた、バーナデットのことを気にかけています。翌朝、ミッチとフェリシアが外に出ると、一晩中、語り明かしたバーナデットとボブが、たき火のそばに並んですやすやと寝息をたてていました。ミッチとフェリシアは、微笑ましいカップルの姿を眺めます。
プリシラの結末
ついにプリシラ号は、目的地のホテルへ到着しました。マリオンと抱き合い、再会を喜ぶミッチ。マリオンはレズビアンで、明るくさばさばした女性です。しかしバーナデットとフェリシアは、マリオンが連れている小さな男の子ベンジーがミッチの息子だと聞かされ、心底驚きます。その夜、3人はとびきり楽しいショ―をしますが、度胆を抜かれた観客たちの反応は微妙でした。それでも、客席のマリオンとベンジーはショ―を楽しんでいます。ベンジーは、父親の存在を素直に受け入れていたのです。翌日、一同は砂漠にピクニックに出掛けます。ミッチはベンジーと心を通わせ、離れていた6年の隙間を埋めることに成功しました。その後、いつものゴージャスな衣装に着替えたミッチとバーナデットとフェリシアは、キングス・キャニオンの岩の上に立ちます。「オーストラリアのど真ん中にハイヒールで立つ」というフェリシアの夢を叶えて、3人は故郷シドニーに帰ることにします。マリオンはしばらくベンジーをミッチに預けることにし、バーナデットはボブと共にホテルに残る決心をします。ミッチとフェリシアとベンジーの3人を乗せたプリシラ号が、故郷に向かって走り出します。シドニーに戻り、古巣のステージで踊るミッチとフェリシア。ベンジーが、2人を笑顔で応援していました。
以上、映画「プリシラ」のあらすじと結末でした。
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