バンク・ジョブの紹介:2008年イギリス映画。この作品は「奪ったブツは、キャッシュとダイヤと王室スキャンダル。」というキャッチコピーで、1971年に英国政府が報道規制によって徹底封印した銀行強盗事件を基に描いたクライム・サスペンス映画です。
監督:ロジャー・ドナルドソン 出演:ジェイソン・ステイサム(テリー・レザー)、サフロン・バロウズ(マルティーヌ)、リチャード・リンターン(ティム・エヴェレット)、スティーヴン・キャンベル・ムーア(ケヴィン)、ダニエル・メイズ(デイヴ)、ピーター・ボウルズ(マイルズ・アークハート)、キーリー・ホーズ(ウェンディ・レザー)、コリン・サーモン(ハキム)、ほか
映画「バンク・ジョブ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「バンク・ジョブ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
バンク・ジョブの予告編 動画
映画「バンク・ジョブ」解説
この解説記事には映画「バンク・ジョブ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
バンク・ジョブのネタバレあらすじ:起・目論見
1971年、ロンドン、テリー・レザーは中古車屋を経営していましたが、中々売れ行きがよくなく借金が返せないでいました。そんなある日、旧知のマルティーヌ・ラブが現れました。彼女はテリーに警報装置の交換を行うとき、銀行の地下貸金庫を襲おうという一攫千金の話をもってきました。怪しんだテリーはこっそり彼女がある男と会っているのを目撃しました。それはティム・エヴェレットでした。その調度、3週間前、英国政府情報機関MI5の工作員ティムは上司からある仕事を命じられていました。それは麻薬密輸などをする悪党・マイケルXという男から、ある写真を隠密裏に奪うというものでした。その写真とは、マーガレット王女が関わる王室のスキャンダル写真でした。マイケルXはこの写真をネタにして、幾度も逮捕を免れていました。そして、その写真はロイズ銀行の貸金庫の中に隠されているとのことでした。ティムはマルティーヌを使い、テリーにロイズ銀行の貸金庫からその写真を奪わせようと目論んでいました。また、ティムはマイケルXの元に潜入捜査官ゲイル・ベンソンを送り込みました。
バンク・ジョブのネタバレあらすじ:承・強盗
テリーは愛妻と娘たちのために、一稼ぎすることを決意します。テリーはかつての仲間ケヴィン・スウェイン、デイヴ・シリングら5人を集めて、計画を練ります。そこで地下にある貸金庫に侵入するため、2軒離れた売り物件を購入して、そこから穴を掘り侵入することにしました。穴掘りに関しては、その道のプロのバンバスを頼りました。これまでのケチな仕事とは訳が違いましたが、彼の指示の下、必要な道具を揃え、計画を実行に移しました。その頃、ティムは上司に何かあればティムやマルティーヌらを切り捨て、自分たちには責任が及ばないようにしていました。テリーたちは協力しながら、夜通し掘削作業をしていきますが、近所からの騒音のクレームで警官がやってきました。テリーたちは焦りましたが、何とかごまかしてやり過ごします。テリーは見張りが必要と考え、同じ職場のエディ・バートンに見張りを頼みました。無線(ウォーキートーキー)を使い、離れた場所から監視してもらいました。その掘削途中、17世紀にペストで死んだ人々の地下墳墓を掘り当てました。それは銀行の真下まで続いていました。作業は飛躍的に進みました。そしてテリーたちは銀行の地下のコンクリートの壁を見つけ、道具を使って開けていきました。無事、繋がったので、テリーたちは一休みすることにしました。しかしその頃、テリーたちの無線機を傍受した者がいました。その者は警察に連絡しましたが、警察は場所が特定できないため、しばらく様子を見ることにしました。1971年9月のある日曜日、テリーたちは貸金庫内に潜入して金品を物色していました。マルティーヌはマイケルXの貸金庫番号を見つけ、その中のものを奪おうとしました。テリーはその中にあったマーガレット王女のスキャンダル写真を見つけました。テリーはマルティーヌの行動に不審を抱き、その写真を袋に詰めました。そこにパトカーと警官数人が、ロイズ銀行の支店長らしき人物がやって来ました。しかし、彼らは貸金庫室の扉が閉まっているので、無事だと思い、帰っていきました。続いて、救急車がロイズ銀行の前に到着しました。それを見て慌てたエディは無線機を屋上から落としてしまいました。テリーたちは、エディからの無線の応答が無いため、急いで逃げだしました。テリーはティムの追跡を逃れるため、計画とは別に独自の車を準備し、それで逃走しました。警察は無線機で銀行強盗の事を聞いて、パトカーでそこら中を走り回りますが、無線機なのでどこの銀行か特定できていませんでした。そこで警察は救急車をロイズ銀行に再度、急行させましたが、幸いエディが無線機を落としたため、警察も無線機で救急車のことが話されてないので、ロイズ銀行ではないと思い、引き揚げさせました。ティムはテリーたちが銀行から出てきたところで取り押さえる計画でした。しかし、テリーは用心のため、囮の車を先に出し、自分たちは別の車で逃走しました。テリーたちは捕まらず、逃走に成功、アジトに集合しました。そして、全員で分前を分配しました。ガイ・シンガーとバンバスは、それを持って遠くへ旅立って行きました。テリーはマルティーヌからティムの事を問い詰め、聞き出しました。
バンク・ジョブのネタバレあらすじ:転・取引
翌朝、ロイズ銀行の金庫の扉が開く時刻になり、銀行員は貸金庫が襲われている事に気づきました。マスコミにこの事件が流れ、ティムや警察はテリーたちにまんまとやられてしまいました。テリーはティムが何者かと分かり、このスキャンダル写真の件で抹殺されると考えました。それに怯えたデイブは母の家に行き、行方をくらませました。テリーは写真や重要書類を持ち、逃げました。銀行強盗の件を知り、ポルノの帝王ロウ・ヴォーゲルは、警察より先にマイケルXに事態を収拾すると言いました。ヴォーゲルはマイケルXと同様に、ロイズ銀行の貸金庫に重要な物を保管していました。それは汚職警官ジェリーとの取引台帳でした。また娼館の主ソニア・バーンは政府高官のスキャンダル写真をそこに保管していました。ヴォーゲルは取引していた汚職警官を使い、テリーたちを捕らえようと動き出しました。テリーの助言を受けたマルティーヌは、ティムと取引を行うことにしました。テリーはティムと出会い、自分や仲間たちが起訴されない証明書と逃走するためのパスポートを準備するように告げ、この取引に応じれば、写真と交換すると言いました。その写真はソニアが保管していた政府高官のスキャンダル写真でした。ティムは王室のスキャンダル写真だけが目当てでしたが、テリーの求めに応じ、明朝11時に駅で取引することにしました。ヴォーゲルは銀行の前で下見に来ていたデイブと面識がありました。実はデイブはかつてヴォーゲルのポルノ映画に出演したことがありました。デイブは拉致され、ヴォーゲルたち拷問をかけられ、洗いざらい白状させられました。ガイやバンバスも刺され、エディも拉致され拷問にかけようとしていました。エディの拉致を知らされた、彼の婚約者はテリーに電話をかけました。テリーは彼女から聞いた番号に電話をしました。するとヴォーゲルが出ました。ヴォーゲルは自分の台帳を渡すように迫ってきました。「知らない」と言うテリーに対して、ヴォーゲルはデイブを撃ち殺して脅迫しました。必死に台帳を探し出したテリーは、ヴォーゲルに再度連絡し、人質のエディを無傷で返さなければ、マスコミや警察に台帳の事を暴露すると逆に脅しました。そして明朝11時に駅に来るように言いました。テリーたちは台帳と新聞を照合し、汚職警官でない警官を探し出しました。テリーはその警官に台帳の一部を仲間のケヴィンに持たせて会いに行かせました。ケヴィンは台帳の一部を渡し、その警官に明朝11時に駅に来るようにと告げました。明朝11時になり、テリーはまずティムたちと会い、証明書とパスポートを受け取り、王室のスキャンダル写真を渡し、取引を成功させました。しかし、同時に現れたヴォーゲルたちは、これがテリーの罠だと思いエディを連れて逃げだしました。テリーは彼らの跡を追いかけ、エディを取り返しました。そこにケヴィンが知らせた正義の警官がやって来ました。彼によってヴォーゲルは逮捕されました。傍にいた汚職警官ジェリーも逮捕されました。テリーはヴォーゲルの台帳を警官に渡し、ケヴィンとマルティーヌと共に無事帰ることができました。スキャンダル写真を手に入れたティムは、マイケルXを逮捕に行きました。しかし、潜入捜査官ゲイルは、既に気づかれて殺害さえた後でした。
バンク・ジョブの結末:隠された事件
テリーはマルティーヌらと別れを告げ、愛妻と娘たちと幸せに暮らしました。この強奪事件後、ロンドン警視庁は汚職警官を大粛正しました。ソニアの娼館に出入りした責任をとり、政府高官、数名が辞職しました。マイケルXは1975年、ゲイル殺害の罪で絞首刑になりました。彼の資料は英国国立公文書館で2054年1月まで機密扱いとなりました。ポルノの帝王ヴォーゲルは数々の罪で8年間の服役となりました。マイケルXの仲間のハキムは1973年、ボストンで殺害され、ガイとバンバス殺害は未解決で終わりました。銀行強奪の被害は400万ポンド以上で、被害額は「大列車強盗」を超えるものでした。しかし、金庫の借り主の100人以上が被害内容の申告を拒否しました。関係者の身を守るため、作品内では名前を変えています。
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