天地創造の紹介:1966年アメリカ,イタリア映画。『旧約聖書』の“創世記”のうち、1章「天地創造」から22章「イサクの燔祭」までの中から主要な7つのエピソードを描いた一大叙事詩です。天地創造の7日間、アダムとイヴ、カインとアべル、ノアの箱舟、バベルの塔、ソドムとゴモラ、アブラハムとイサクといったエピソードが約3時間に凝縮されています。
監督:ジョン・ヒューストン 出演者:マイケル・パークス(アダム)、ウラ・ベルグリッド(イヴ)、リチャード・ハリス(カイン)、フランコ・ネロ(アベル)、ピーター・オトゥール(神の使者)、ジョージ・C・スコット(アブラム/アブラハム)、エヴァ・ガードナー(サライ/サラ)、スティーヴン・ボイド(ニムロド)、ガブリエル・フェルツェッティ(ロト)、エレオノラ・ロッシ=ドラゴ(ロトの妻)、アルベルト・ルカントーニ(イサク)、ゾーイ・サリス(ハガル)、アンジェロ・ボスカリオール(ハム)、フラビオ・ベンナティ(ヘビの声)、ジョン・ヒューストン(ノア/神の声/ナレーション)ほか
映画「天地創造」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「天地創造」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
天地創造の予告編 動画
映画「天地創造」解説
この解説記事には映画「天地創造」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
天地創造のネタバレあらすじ:起
神は初めに天と地を創造し、光と闇で昼夜を生み出しました。神は2日目に空を、3日目に大地と海、草木を、4日目に星を、 5日目に魚と鳥を、6日目に地の獣を作りました。そして神は土の塵で最初の人間となるアダム(マイケル・パークス)を造り命を与え、続けてアダムの肋骨からイヴ(ウラ・ベルグリッド)を造りました。
7日目に全ての作業を終えた神は、アダムとイヴに“エデンの園”を守るよう告げて休みに入りましたが、その際に、食べると善悪の知識を与えるものの必ず死ぬという“禁断の木の実”を食べてはならぬと警告しました。
しかし、ヘビの姿をした悪魔(声:フラビオ・ベンナティ)にそそのかされたイヴは誘惑に負けて禁断の木の実を食ベてしまい、アダムもイヴに勧められて木の実を食べてしまいました。アダムとイヴは神の怒りに触れてエデンの園を追放され、イヴは産みの苦しみを、アダムは労働の苦しみを与えられました。
やがてアダムとイヴとの間には長男カイン(リチャード・ハリス)と次男アベル(フランコ・ネロ)という二人の息子が生まれ、成長したカインは農耕者に、アベルは羊飼いになりました。
収穫の季節、カインとアベルはそれぞれ神に供え物をしましたが、神はカインの供え物を受け付けず、嫉妬と激情に駆られたカインはアベルを殴り殺してしまいました。アダムとイヴはアベルの遺体を埋葬、神から放浪者になるよう告げられたカインは額に印をつけられ、エデンの東にあるノドの地に移住しました。
天地創造のネタバレあらすじ:承
カインは妻をめとり、その子孫は世界各地に増えていきましたが、やがて人々の心には悪が宿り、創造したことを悔いた神は人も獣も全て滅ぼすしかないと決意しました。
アベルとイヴの三男セトの子孫であるノア(ジョン・ヒューストン)は妻(プペッラ・マッジョ)と3人の息子セム(ピーター・エインセ)、ハム(アンジェロ・ボスカリオール)、ヤペテ(エリック・レイツィンガー)、セムの妻(アンナ・オールゾ)、ハムの妻(ガブリエッラ・パッロッタ)、ヤペテの妻(ロッサナ・ディ・ロッコ)たちと共に神を厚く敬いながら生活していました。
そんなある日、ノアは神の声(ジョン・ヒューストン)を聞きました。神は全ての人間を滅ぼすために大洪水を起こすことを決意しており、ノアに方舟を作って家族と共に乗るよう指示しました。
ノアや息子たちは周囲の人々にバカにされながらも巨大な方舟を完成させ、神の指示通りに家族と家族と全ての動物を一つがいずつ乗せていきました。それから間もなくして雨が降り始め、40日かけて大洪水となりノア一家以外の全ての人々を飲み込んでいきました。
やがて方舟はアララト山に流れ着き、鳩を飛ばして水が引いたことを確認したノアは動物たちを連れて新天地に降り立ちました。
天地創造のネタバレあらすじ:転
時は流れ、ノアの子孫クシュの息子であるニムロド(スティーヴン・ボイド)は神をも恐れぬ傲慢な王となっていました。ニムロドは自らの権力を誇示するため民衆を使役して天まで届く高い塔を造りました。
塔に上ったニムロドは天に向かって矢を放ち、この愚かな行いは人々が全て同じ言語を話すことによると考えた神は、人々に違う言語を話させて意思が通じないようにし、混乱した人々は世界各地に散り散りとなっていきました。この地は後に言葉を乱した地“バベル”と呼ばれるようになりました。それから神はアブラム(ジョージ・C・スコット)が誕生するまで10代待つことになります。
時はさらに流れ、アブラムは神から示す場所へ向かうよう指示され、妻サライ(エヴァ・ガードナー)と亡き弟の子ロト(ガブリエル・フェルツェッティ)、人々を連れて放浪の旅に出ました。やがてアブラムたちはカナンの地に辿り着き、そこを拠点として放牧の生活を始めました。
ロトはかねてからこの土地に居住している人々と共存できるか心配しますが、アブラムはこの土地での自分たちの繁栄を確信していました。やがてアブラムとロトは互いの部下たちが反目し合ったことをきっかけに袂を分かち、ロトはソドムの町へと移っていきました。
アブラムとサライは中々子宝に恵まれず、サライは女奴隷ハガル(ゾーイ・サリス)をアブラハムに妾として与え、程なくしてハガルはアブラムの子を身籠もりました。アブラムはサライに生まれくる子は自分たちの子であると伝えて彼女を慰めました。
その後、ヨルダンのシンアル、エラサル、エラム、ゴイムという4ヶ国の王が手を組み、ソドム・ゴモラ・アドマ・ツェボイム・ツォアルの5人の王は死海の同盟軍としてシディムの谷で4国と戦いました。
敗れたソドムは略奪に遭い、ロトと家族は捕虜になってしまいました。アブラムはソドムに攻め入ってロトとその家族、人々を救い出し、神より改名を勧められたアブラムはアブラハム、サライはサラと改名しました。
やがてハガルはアブラハムとの息子イシュマエル(ルチアーノ・コンヴェルシ)を出産しましたが、神からサラに子が授かると約束されていたアブラハムはハガルからイシュマエルに祝福を与えるよう求められても応じませんでした。
天地創造の結末
時は流れ、アブラハムとサラはすっかり年老いましたが、未だに子宝には恵まれませんでした。そんなある時、アブラハムの前に神の使者(ピーター・オトゥール)が現れ、自分たちが去る頃にはサラに男の子が授かること、そしてこれから罪多きソドムとゴモラを滅ぼすとアブラハムに伝えて旅立っていきました。その際、アブラハムはもし10人の心正しき者がいても滅ぼすのかと使者に問うと、死者はその者は助けると約束しました。
ソドムを訪れた使者はロトに家族を連れて逃げるよう伝え、何があっても決して振り向いてはならないと警告しました。使者は邪悪な者達の視力を奪っていき、ロトは家族を連れて滅びゆくソドムから脱出して山に向かいましたが、ロトの妻(エレオノラ・ロッシ=ドラゴ)は振り返ってしまい、塩の柱と化してしまいました。
程なくして、アブラハムとサラとの間に神のお告げ通りに息子が生まれ、イサク(アルベルト・ルカントーニ)と名付けられました。やがてイサクが成長すると、サラはアブラハムにハガルとイシュマエルを追放するよう迫りました。アブラハムはイシュマエルも私の子だと主張しましたが、神のお告げでサラの言葉に従うよう指示され、やむなく二人を追放せざるを得ませんでした。
ある日の夜、アブラハムは神から、イサクを連れて旅立ち、導く山に向かい彼を生贄に捧げるよう命じられた。アブラハムは苦しみながらも神には従うしかなく、何も知らないイサクを連れて旅立ちました。二人は滅びたソドムの町を通り、目的地の山に到着した時、初めてイサクは自分が生贄にされることに気づきましたが、自らの運命を受け入れてアブラハムの指示に従いました。
アブラハムはナイフでイサクを殺そうとしたその時、神の声がアブラハムを止めました。これは神がアブラハムの信仰心を確かめるために与えた試練であり、アブラハムはイサクを抱き寄せ、その場にいた山羊を代わりに生贄に捧げました。
神は試練を乗り越えたアブラハムを祝福、「汝の子孫を天の星のように、海辺の砂のように増やそう」と語りました。
以上、映画「天地創造」のあらすじと結末でした。
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