江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者の紹介:1976年日本映画。下宿屋に住む三郎は、四六時中天井裏から他人の部屋を覗いています。そんな三郎は、貴婦人・美那子が下宿屋の隠し部屋でピエロに愛撫させ悶える様子に見入ってしまいます。しかし美那子は覗かれているのを知って、逆に三郎に興味を持ちはじめます。江戸川乱歩原作の「屋根裏の散歩者」の映画化です。当時は日活ポルノの作品で成人映画として公開され、内容も原作とは少しちがっており、官能ミステリー作品と言えます。
監督:田中登 出演者:宮下順子(清宮美那子)、石橋蓮司(郷田三郎)、渡辺とく子(富田美幸)、中島葵(淫売婦)、長弘(清宮浩一郎)、八代康二(遠藤)、織田俊彦(蛭田)、夢村四郎(ピエロ)ほか
映画「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」解説
この解説記事には映画「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者のネタバレあらすじ:起
下宿屋・東栄館に住む郷田三郎は仕事もせず、四六時中屋根裏にひそみ、他人の部屋を天井から覗いています。三郎は、時折訪れる貴婦人・美那子にとりつかれています。美那子は運転手つきの車で送ってもらい東栄館の隠し部屋に入ると、そこで待っているピエロの男に愛撫を受け恍惚の世界に浸るのです。
その様子を天井の穴から覗く三郎に気づいた美那子は、穴から見える目をじっと見つめます。美那子は夫・浩一郎にも愛され日々体をかさねます。しかし三郎の目を見てからというもの、浩一郎とのSEX中も天井ばかり見つめています。
一方、三郎は真面目な神父・遠藤が女中に迫っている様子や、夜中に口を開けていびきをかいて眠る様子、別の部屋ではノーテンキな女画家が、見知らぬ女の股間に絵を描く様子を見ています。
江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者のネタバレあらすじ:承
ある日、美那子が一人で隠し部屋にやって来ます。天井から覗く三郎の目を確認すると、自分でストッキングをおろし、三郎の方に足を広げ自慰にふけります。食い入る様に見つめる三郎は、下宿屋を出るとピエロに金を渡し、もらった絵の具で女郎屋へ行き、自分の顔をピエロに塗って美那子とのいとなみを再現します。しかし気味悪がる娼婦が怒りだし三郎は女郎屋を出て行きます。
美那子の運転手・蛭田は「奥様の椅子は私が特注させました。奥様の柔肌が感じられるように」と気味悪げな話をします。自宅に戻った美那子は、特注の赤い椅子に座り「蛭田」と呼びます。蛭田が「はい奥様」と呼ぶと、美那子は椅子に体を摺り寄せ、中にいる蛭田を興奮させます。そこへ浩一郎が帰ってくると、美那子はそのまま椅子の上で浩一郎と愛し合うのでした。
江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者のネタバレあらすじ:転
美那子が隠し部屋にやって来てピエロの愛撫が始まります。美那子は天井に三郎の目を確認すると、そのまま両足でピエロを絞殺します。ピエロの死体は蛭田によって運ばれ川に浮かびます。
蛭田が三郎を呼びに来ます。美那子の家に上がると「あなたはいつも屋根裏に潜んでいる。あなたの目がなければ私はだめになる。あなたは見ていた、警察に告げる?ここにいるのは皆共犯者よ」と言います。
三郎は「ここに来た甲斐がありました。あなたも私と同じ種類の人間ですね」と言って、部屋に会ったヒ素をもって出て行きます。その後、蛭田はピエロ殺しをネタに美那子に迫りますが、美那子に張り倒されてしまいます。
いびきをかきながら口を開けて寝る遠藤を殺そうと思った三郎は、天井の穴から、ヒ素をたらしで殺します。このヒ素は美那子が、浩一郎の酒に毎日少しずつ盛っていたものでした。翌日、三郎が美那子に呼ばれると「遠藤を殺したのはあなたね。あなたは私と同じ立場になって下さったのね」と言います。
江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者の結末
遠藤の死が自殺で処理されたことで、三郎は女画家の部屋に行き、全身に青い血管の絵を描いてもらいます。
美那子は、自宅で椅子に入った蛭田にヒ素を流し込み殺します。そして浩一郎は毎日盛られたヒ素によってSEX中に死んでしまいます。
美那子は下宿屋の女画家の部屋に行き、三郎と同じ絵を全身に描いてもらいます。描き終ると三郎が女に迫ります。後ろから美那子が抑え込むと、三郎は女の服を引きはがし乳房を揉み始めます。そして美那子が両足を女の首を絞めると、三郎も手伝い女を殺してしまいます。
やがて三郎と美那子は天井裏にのぼり、愛し合います。二人が燃え上がった時、大地震が起ります。下宿屋も美那子の家も倒壊し火の手が上がります。三郎と美那子は押しつぶさせて死んでしまい、流れ出た血が天井の穴から滴り落ちます。一人生き残った女中が体を洗うため井戸水をくみ上げると、血で赤く染まっていました。
以上、映画「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」のあらすじと結末でした。
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