第九軍団のワシの紹介:2010年イギリス,アメリカ映画。第九軍団のワシの紹介:ローズマリー・サトクリフの同名小説を映画化。西暦140年、消息を立ったローマ軍の将を父に持つ主人公マーカス・アクイラ。父の名誉を取り戻すためマーカスは同じく消息不明となったローマ軍の象徴「ワシ」を探しに未踏の地への旅に出発する。ローマ軍と先住民族の戦士団がぶつかる迫力の戦闘シーンが話を盛り上げる歴史映画。
監督:ケヴィン・マクドナルド 出演:チャニング・テイタム(マーカス・アクイラ)、ジェイミー・ベル(エスカ)、ドナルド・サザーランド(伯父アクイラ)、マーク・ストロング(元ローマ軍の生き残りグアーン)、タハール・ラヒム(アザラシ族シール王子)、ほか
映画「第九軍団のワシ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「第九軍団のワシ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「第九軍団のワシ」解説
この解説記事には映画「第九軍団のワシ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
第九軍団のワシのネタバレあらすじ:起
西暦120年、ローマ帝国はまだ支配下にないブリタニアの北方へ攻め込みローマ軍第九軍団総兵力5000と軍団の証「ワシ」を失うことになる。被害の拡大を恐れたローマ帝国はかの地との境に長城を築きその門を閉ざした。それから20年後、ブリタニアの辺境砦に若き指揮官マーカス・アクイラが着任します。早々に砦の状況を把握したマーカスは防衛の要である土壁の強化を実施。また兵糧の確保が遅れていることを指摘し状況把握のため偵察小隊を周辺へと送り出します。その日の夜、眠りについていたマーカスはふと何かを感じ部屋の外へ。辺りは月明かりさえない暗闇が支配していました。違和感から副官に寝ている兵士を起こし警戒態勢に入るよう指示するマーカス。暫く警戒するが何もいない。「気のせいか」そんな矢先、闇の中、土壁を越えて先住民の戦士たちが進入してきます。夜襲です。その夜の戦闘を乗り越えられたのは指揮官マーカスの機転のおかげでした。そして翌日、砦の外に先住民率いる戦士団が現れます。マーカスが送った偵察小隊の一部を捕虜にし威嚇しながら。砦の守備隊に対し挑発するように捕虜の一人を切り殺す先住民の族長。マーカスは兵の救出を決断します。兵士たちは緊迫する状況下の中、隊列を組み整然と砦から進軍。敵との距離が詰まると装備する盾を隙間なく並べさながら壁のごとく展開、防御陣形をとります。襲い来る先住民の戦士たちを展開する盾の壁が押し返しその隙間から剣を突き出す兵士たち。時折盾の防御を突破され倒れる兵士。突破した戦士を倒しすぐさま他の兵士が抜けた穴を埋めるように盾を展開する。そうして防御陣形を保ちつつ捕虜の元へと一塊となって突き進むマーカス率いる救出部隊。なんとか捕虜のもとにたどり着くがそれを待っていたかのように先住民側は戦車(古代チェリオット)を繰り出しマーカス達目掛けて突撃を開始した。「総員撤退!」砦に急ぎ撤退する救出部隊だがその歩みは遅い。指揮官としてマーカスは時間を稼ぐべく先住民の長が乗る戦車に向け起死回生の投げ槍を放つ。暗転。
第九軍団のワシのネタバレあらすじ:承
フラビクス・アクイラ。ローマ軍第九軍団を率いていた将でありマーカスの父。先住民の大軍を前に逃げ出したのではなど様々な噂が流れるローマ国内。主人公マーカスはローマ国内に住む叔父アクイラの元に戻っていました。砦の防衛戦で決死の働きを見せ見事役目を果たした彼でしたがその際に重傷を負い名誉除隊となったのでした。実はマーカスは父の名誉を取り戻すためブリタニア辺境の地へ行くことを志願したのでした。ですが負傷により戦士として武功をあげることは叶わなくなりました。落ち込むマーカスを励ますため叔父アクイラはとある剣闘試合の観戦に誘います。そして試合で殺されるところだった奴隷の男を助けることに。そのあくる日叔父アクイラは先日助けた奴隷エスカを世話係としてマーカスの元に連れてきます。エスカはローマ軍によって征服された先住民族出身のブリタニア人でした。「命を助けてくれた礼は返す」それがマーカスとエスカの出会いの始まりです。徐々に怪我の後遺症から立ち直るマーカスの元にある噂がもたらされます。”ブリタニアの北、門の外で失われた「ワシ」を見た”と。
第九軍団のワシのネタバレあらすじ:転
ローマ軍を除隊したマーカスに父の汚名をはらす機会が訪れます。失った「ワシ」を取り戻すのだ。ブリタニアの北の地、ローマと先住民部族を分ける境界「門」の外はまさしく敵地です。軍団を送っても損害は激しいものとなるだろう。しかし兵士ひとりなら潜入できるのでは?そしてマーカスにはブリタニア人のエスカがいる。反対する叔父アクイラを強引に説き伏せマーカスはエスカとともに旅にでます。「門」の外は様々な部族が暮らす土地。ローマ人には敵地でした。森の中で部族のはぐれ兵に襲われることもあります。しかしおおむね平和な民族が住む大地、同じく部族出身のエスカが間に入ることで情報を得て軍団の後を追うことができました。旅を続ける中、マーカスとエスカの間に奇妙な信頼関係ができます。旅の途中ある男に襲われます。捕虜にするもその正体は第九軍団に所属していたローマ兵でした。彼、通称グアーンはマーカスに第九軍団がアザラシ族と呼ばれる敵と対峙したこと、霧の中から突如あらわれる敵の戦士に一人また一人と殺されていったこと、最後は地獄だったと語ります。「父はどうした」と詰め寄るマーカスに軍団が敵に囲まれていたこと、そしてグアーン自身は戦闘の途中で逃げ出したのでした。「それならワシはどこに」グアーンはエスカを指差し彼の部族ブリガンテス族も戦いに加わっていたと言います。そして真実が明かされます。全て知っていたんだなと問うマーカスにエスカは進入してきたのはローマであり武器を振りかざし部族の土地に入ってきた軍団に立ち向かうことの何が悪いのかと返します。ローマ人であることを誇りにし父を尊敬するマーカスと部族の地を侵略するローマ軍に家族を殺されたエスカ。二人の立場の違いが表面化した瞬間でした。殴り合いになるもそのそばにアザラシ族族長の息子シールがあらわれます。彼はローマ人をつれているエスカに疑問を口にします。ここではローマ人は敵、しかしエスカは同胞その関係は?エスカはマーカスが自分の奴隷だと告げます。奴隷であるマーカスに興味を持ったシールは父である族長に見せてやろうとエスカをアザラシ族の村に招待します。アザラシ族の戦士たちとともに村を目指すエスカ。そして馬にロープで繋がれ引きずられるように歩くマーカスは奴隷としての扱いを受けエスカに対し「機会があればお前を殺す」と呟きます。エスカ達が案内された村では祝宴が開かれていました。その最中、マーカスは木の棒の先につけられた黄金で作られたワシの像を見つけます。族長が戦意を高揚させるため持ち出したのでしょう。思わず駆け出すマーカス、しかし近づく前に戦士の一撃を受け昏倒します。すべての儀式が終わったあと大量の酒に酔いつぶれたアザラシ族の戦士たちが眠っています。その中で気絶したマーカスを呼び起こしたのは他でもないエスカでした。”その時がきた”
第九軍団のワシの結末
エスカはアザラシ族を油断させるために行動していたのでした。マーカス達はワシの奪還に成功します。しかしこの場を早く離れなければ。村で奪った馬を駆り帰還の道を急ぐマーカス達。朝、マーカス達の逃亡に気づく族長の息子シールは追撃のため戦士たちを集めます。部族中最強とうたわれるアザラシ族の猛追が始まったのでした。全力で逃走するマーカス達。一方アザラシ族の戦士たちは徒歩、しかし猟犬を連れ、僅かな痕跡も見逃さず長距離を走りぬけるその姿はまさしく最強の狩り手です。執拗で最速、昼夜を問わない追撃でマーカス達を追い詰める戦士たち。深い森の少し崖になった川の傍を多数の戦士たちが捜索しています。その崖の下、川に潜むマーカス達。連日の行軍で馬は潰れ足の負傷が酷くなったマーカスはエスカに支えられての逃走でした。しかしついにここで追いつかれたのでした。負傷した自分では逃げられない。ワシをエスカに託そうとするマーカスにあなたを置いては行かない。名誉にかけて。どうしてもと言うなら奴隷から開放しろとエスカは言う。「お前は自由だ。友よ。ワシを頼む」とマーカスはワシの像を渡そうとするがそれを押しとどめるエスカ。”必ず戻る”そしてマーカスを残しいずこかへと向かうエスカでした。どれだけの時が経ったのか。張り詰めた空気を感じ身を起こすマーカス。そこへエスカは戻ってきます。グアーン以下ローマ第九軍団の生き残りを連れて。その数20数名。グアーンは告げます”お父上は最後まで勇敢にワシを守った”そうグアーンは父の最期を目撃していたのです。そして後悔もしていた、逃げのびたことを。ここに集まったローマ兵の生き残りもまた思いは同じでした。ワシを掲げ戦う覚悟を決めるマーカス達。その眼前にアザラシ族の戦士たちがあらわれます。その数100人以上。絶対の窮地にマーカス達は一列に並び敵に向け盾を構えます。最後の戦いが今始まった。突撃するアザラシ族戦士たち、攻撃を盾で受け止め剣を握って切り返すマーカス達。激しい戦闘になった。数の差から隊形は崩されすぐに両者入り乱れる乱戦に。双方の戦死者も多くなる。劣勢ながら奮戦するマーカス達を見ながら悠然と戦場を進むシール。数人のローマ兵を切り倒し目に留まったエスカのほうに向かってくる。力量の差か苦戦し体勢を崩すエスカは危機に陥る。そこへかばうように入るマーカスはシールとの力比べを制しなんとか倒すことに成功する。激戦の後。生き延びたのは10人に満たなかったがマーカス達は奇跡的な勝利を得たのでした。ローマに帰還、ワシを届けるマーカスとエスカ。第九軍団を再び組織すると政治家が騒ぎマーカスは将になれるかもといわれるがそっけなく断ります。颯爽とその場を立ち去るマーカスとエスカ。”次は何をする”。THE END
以上、映画 第九軍団のワシのあらすじと結末でした。
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