映画「ロケットマン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ロケットマンの紹介：2019年イギリス映画。イギリスの伝説的ミュージシャン、エルトン・ジョンの半生を描く。若き頃のエルトン･ジョンはその天才的な音楽の才能から有名になる一方で沢山の問題を抱えながら生きていた…。エルトン・ジョンの艶やかなボーカルや、独特なチャームまで見事に再現した本作は、貧困と毒親という家庭環境のもとで育った少年がどのようにスターの座へと駆け上がり、ドラッグやアルコールで挫折していったかを、エルトン・ジョンのヒット曲に合わせて紐解いていく。タイトル「ロケットマン」はエルトン・ジョンの楽曲名から付けられています。
監督：デクスター・フレッチャー 出演：タロン・エガートン（エルトン・ジョン）、ジェイミー・ベル（バーニー・トーピン）、ブライス・ダラス・ハワード（シーラ）、リチャード・マッデン（ジョン・リード）ほか
この解説記事には映画「ロケットマン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エルトン・ジョンはステージ用の悪魔の衣装を着たまま、依存症患者の集まりへ入って行くと、自分がアルコール、薬物、セックス依存症だと告白し、自分の小さい頃の話や今までのゲイとして、歌手としての人生を語り始めるのだった。
幼い頃は実名レジナルド（レジー）と呼ばれシャイだったエルトンは、母と父と祖母と一緒にイギリスで暮らしていた。父親のスタンリーは、レジーが女の子が興味を持ちそうな物に興味を示すと、それを恥ずかしいと言って我慢させるのだった。
ある日、レジーは初めて聞いた曲を、家にあったピアノで完璧に弾いてみせると、彼の才能を知った母と祖母はピアノレッスンを受けさせ、彼が10代になる頃には音楽学校へ通わせる。その頃、レジーの両親の仲は冷え切っており、スタンリーが家を去る。
成長し、自分のバンドを持ったレジーは徐々に人気を出していき、他のバンドと一緒に演奏する機会を持つと、ある夜、一緒に演奏したバンドのゲイのメンバーからキスされて、何かを感じるのだった。
ある日、レイという音楽プロデューサー会い、彼の前でピアノを演奏するレジーは、レイに気に入られ名前を聞かれると、自分の名前をエルトンに変えたいと思っていた彼は、そこに飾ってあったビートルズの写真を見てエルトン・ジョンと名乗る。
レイに歌詞が書かれた沢山の紙を渡されたエルトンは、それらを作った作詞家のバーニーと会って意気投合する。2人は一緒に住み始めて、1日中音楽作りに没頭する。
この頃、エルトンは新しい家の大家であるアラベラという女性と付き合い始めるのだが、バンドメンバー達は彼がゲイであることを知っており、バーニーも気づいていたのだった。やがて自分がゲイであり、もうアラベラに気持ちがない事を彼女に告白すると、彼とバーニーは家から追い出され、エルトンの実家で暮らし始める。2人はそれぞれが作詞と作曲に分かれて音楽を作ると、アメリカでショーを開催して成功を収めていく。
ある夜、ショーのアフターパーティーで、エルトンの才能に興味を示す音楽プロデューサーの男ジョンに声をかけられるエルトンは、その夜、彼と体の関係を持つ。
皆とイギリスに戻ったエルトンはプロデューサーをレイからジョンに変えると宣言し、これによりバーニーとも疎遠になってしまう。エルトンはジョンのプロデュースのおかげもあり、有名になりプライベートでも彼と恋人関係になっていったのだが、ある日、エルトンがショーに遅れそうになると、まるでビジネスにしか興味がないかのような強い口調で彼を罵倒する。
数日後には、ジョンの浮気現場を目撃したエルトンは酒と薬物を始め、コンサートではより奇抜な衣装を着始めるようになる。ひどい精神状態になっていったエルトンは、あるパーティーで薬物の過剰摂取で倒れてしまうが、良くなった翌日には次のコンサートで演奏するのだった。
この日もコンサートに向かうエルトンは薬物を摂取していると、鼻から血が出ているのに気づき、自分が真剣な健康問題を抱えていることを自覚する。そして悪魔の衣装のまま会場を飛び出すと、依存症患者の集まりへ行き、自分の話を始めたのだった。
話を終えたエルトンの前に、幼い頃の自分、母、父、祖母、バーニー、ジョンの姿が見え始め、それぞれが彼に話し始めるのだった。両親はゲイであるエルトンにネガティブな言葉をかけ、祖母は変わらず優しい言葉をかけ、バーニーはエルトンを応援し続け、ジョンは力強い口調でエルトンを支配しようとするのだった。
そんな彼らにエルトンは、もう両親がどう考えようと気にしないし、ジョンから支配されているようにも感じないと言い放ち、幼い頃の自分とハグをする。
その後リハビリ施設に入ったエルトンを見舞いに訪れたバーニーは、彼を自分の兄弟と呼んで元気付ける。リハビリ施設を出たエルトンは音楽活動を再開し、コンサートで「I’m Still Standing」を演奏する。
エルトンはそれから現在までの30年、酒と薬物を一切止め、現在のパートナーのであるデイビッド・ファーニッシュと出会い、今では2人の息子達の育児に集中する為、ツアーからは引退している。エルトンは今でもバーニーとコラボをし続けており、プライベートでも親友として交流を続けている。
以上、映画「ロケットマン」のあらすじと結末でした。
アーティストの自伝だけでなく、依存症の啓発の映画でもあります。映画のオープニングでステージ衣装を着たまま、グループミーティングに参加します。自分の過去をさかのぼりながら愛のない家庭に育ったことをメンバーに話し、自分の過去と苦悩するポップスターの場面の途中でミーティングにもどります。作った曲はヒットするのですが、マネージャーにだまされ裏切られ、成功しても精神的に満たされません。依存症から回復したいと望んだエルトン・ジョンは、依存症の回復プログラムで見事に復帰します。治療すれば依存症は回復できる病気であることを、音楽を楽しみながら学べる映画です。