映画「陰謀のスプレマシー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
陰謀のスプレマシー（別題：ザ・ターゲット／陰謀のスプレマシー）の紹介：2012年アメリカ,カナダ,ベルギー映画。「この世界は〈陰謀〉で満ちている」で、突如人生を抹消され、愛娘を誘拐され、自らも暗殺のターゲットとされた元CIA工作員が全てを賭けて巨大組織に挑む姿を描いたサスペンス・アクション映画です。
監督：フィリップ・シュテルツェル 出演：ベン・ローガン（アーロン・エッカート）、アンナ・ブラント（オルガ・キュリレンコ）、エイミー・ローガン（リアナ・リベラト）、デレク・コーラー（ニール・ネイピア）、ハルゲート（ギャリック・ヘイゴン）、ほか
この解説記事には映画「陰謀のスプレマシー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ここはベルギーのブリュッセルのCIA機密文書保管金庫、この最新鋭金庫に何者かが忍び込み、何か重要な資料を強奪していきました。場所は変わりアントワープで、元CIA工作員のであったベン・ローガンは別れた妻の死後、アメリカに住んでいた愛娘のエイミー・ローガンを呼び寄せて一緒に暮らしていました。ローガンは娘エイミーには元CIA工作員だったことを隠し、良き一人の父親になろうと思い、努めていました。ローガンは大手セキュリティ会社のハルゲート社の子会社に勤務し、防犯装置の欠陥を探し出す研究チームのリーダーをしていました。ある日、ローガンは研究員・メイリンからハルゲート社が装置特許を取れていないとの報告を受けました。ローガンはその事を本部からやって来たデレク・コーラーに報告しました。ローガンは優秀な社員でした。
その日、ローガンには娘エイミーの撮影した写真の授賞式があました。ローガンは残業を早々に片付けて、エイミーのもとへと急行しました。ローガンはエイミーを連れて帰宅しようとしていたその車内で、突然、エイミーは食べ物アレルギーで具合が悪くなました。ローガンは急いでエイミーを病院へと連れていき、結局その日は、病院で一夜を過ごすことになりました。翌朝、ローガンはエイミーを連れ、少し会社へ立ち寄ると、昨日まであったオフィスが突如として消えてなくなっていました。電話をかけてもつながりません。驚いたローガンはエイミーを連れて、直ぐにブリュッセルのハルゲート社ヨーロッパ本部へと行きました。しかし、本部の人たちからローガンは、勤めていた警備子会社も上司なども存在しないと言われ、また、ローガンの過去の経歴も無いと告げられました。ローガンは携帯のメールボックスを見せましたが、そのボックスも空になっていました。ローガンは次に銀行へ行き、給料明細を確認してもらいましたが、そこでも自身の口座から全く出入金の記録はないと告げられました。ローガンの全ての情報が突如、何者かの手によって抹消されていました。その時、ローガンのもとに会社の同僚・フロイドが現れました。フロイドはローガンに銃を突きつけてきました。ローガンとエイミーはフロイドに脅されながら、車で高速に入りました。ローガンは車を巧みに操作し、フロイドの隙をつき格闘となりました。格闘中、運転操作を誤った車は、高速から側道へと落下してしまいました。ローガンはフロイドから情報を得ようとしましたが、結局彼を殺してしまいました。ローガンは彼のポケットから金とコインロッカーの鍵を奪い、エイミーと逃亡しました。パニック状態のエイミーは警察に助けてもらおうと父・ローガン言いましたが、元CIAのローガンは地元警察も当てにならないと踏み、エイミーを連れて逃亡しました。
高速道路での殺人事件は直ぐさま放送され、ローガンとエイミーは指名手配をかけられました。二人は警察の網の目を掻い潜り、逃亡を続けました。益々、不安を募らせ困惑するエイミーを説得して、ローガンは奪ったコインロッカーの鍵を見て、アントワープ中央駅へと向かいました。そこでローガンはコインロッカーから一つの封筒を見つけ出しました。その中には、ローガンの同僚たちの写真と個人データ、そして、エイミーと祖父の写真まで入っていました。それを見たエイミーは再びパニックに陥りますが、ローガンはそんなエイミーに「冷静にならないと状況はつかめない」と言いなだめました。ローガンは得た僅かな情報を分析、それを頼りに黒幕を突き止めようとエイミーと共に行動を開始しました。ローガンは同僚たちの自宅近くにある病院へ行きました。ローガンの推測通り、昨晩同僚たちは全員不審な死を遂げ、遺体となって安置されていました。同僚たちは皆、経歴が書き換えられ、何者かによって暗殺されていました。ローガンは同僚・メイリンが手に書いた特許番号のメモをかき写しました。そんな二人を追い、会社の警備員だったウォルターが追ってきました。フロイドと同様のプロ殺し屋・ウォルターは、ローガンとエイミーに迫ってきました。窮地に追い込まれるローガンは、ウォルターと格闘の末、彼の銃を奪い撃ち殺し、再びエイミーと共に逃亡しました。喧嘩が強く、他人の家に無断で潜入、他人の車を盗み、挙句に人を平然と撃ち殺す、普段は品行方正な父と全く違う顔を見せる父・ローガンに、エイミーは一抹の不信感を抱きました。エイミーのそんな様子を察したローガンは、自分がかつてCIA工作員であったことを打ち明けました。
その頃、CIA本部ではローガンを工作員として使っていたアンナ・ブラントが、上司から詰問を受けていました。CIAはウォルターもフロイドも元工作員で、二人を殺したのがローガンであることをつかんでいました。しかし、アンナは良心の呵責から耐え切れなくなったローガンを、半年前に解任してから、彼とは一切接触はしていないと主張しました。
その二日前、ブリュッセルのCIA機密文書保管用の最新鋭金庫から極秘資料が盗まれました。その資料はハルゲート社商船沈没事件で乗組員遺族が起こした集団訴訟に関する書類でした。ただ、その中の積荷目録にはハルゲート社が違法な武器を不安定な国家に密輸し、不当な利益を得ている事実を証明する書類が含まれていたのでした。それはCIAがホワイトハウスの指示を受け、極秘捜査して得たものでした。CIA上層部はセキュリティに精通するローガンが、この極秘資料を盗んだスパイではないか、彼が現地にいたことは偶然ではないと睨んでいました。CIA上層部にアンナはローガンを探し出すと自ら志願しました。席に戻ったアンナはデレクに電話をかけました。実はアンナこそが、ハルゲートから金で買収され、CIAの最新鋭金庫から極秘資料を盗むため、人材を集め指示していたこの陰謀の張本人でした。アンナはデレクに極秘書類を手に入れれば従業員は解雇されるだけという約束をしていました。しかし、ローガンが金庫の特許がハルゲート社でないことに気づいたため、ハルゲートは危機感を覚え、従業員全員を抹殺したのでした。盗んだ極秘資料の入った小型金庫を持っているデレクはアンナに約束が違うと責め、「これからは私の方法でやる」と言い、マルクス・ウルフという偽名を使って、ホテルに身を隠しました。アンナは直ぐに自らベルギーに飛び、ローガンとデレクを探し出し、事の決着をつけようとしました。
ローガンは、エイミーが信頼できる男友達・ナビルを頼り、移民たちが暮らす集合住宅に匿ってもらいました。その頃、ベルギーに着いたアンナは、遺族会と示談交渉中のハルゲートに約束が違うと文句を言い、ローガンの件は自分に任せてほしいと訴えました。しかし、ローガンの真の恐さを知らないハルゲートは、アンナの訴えを一蹴し、自らプロの殺し屋を雇い、ローガン抹殺に動いていました。一方、ローガンは特許番号を手がかりに、エイミーの協力も得ながら独自調査して、ここ一連の不審な出来事の真相に近づいていました。そしてローガンは潜伏したデレクの居場所をつきとめました。デレクはあるホテルに潜伏していました。ローガンはエイミーにロビーで見張りをさせ、単身デレクの部屋へと向かいました。ローガンはデレクを拷問し、真相を聞き出そうとしましたが、デレクは自白途中でローガンの突きつけた銃で自殺しました。ローガンはデレクが持っていた金庫を奪い、エイミーと逃走しました。エイミーは駐車場に先回りして、車を準備していましたが、追って来たアンナとローガンの会話を聞き、ローガンに不信感を抱きました。ローガンは自分が元CIAの暗殺チームで汚れ仕事をしていたことを、エイミーに告白しました。それはローガンにとって、娘に最も知られたくなかったことでした。色々な事態でパニック状態に陥ったエイミーは、父・ローガンに憤り、どこかへ去ってしまいました。
ローガンと別れたエイミーは、ハルゲートに雇われた殺し屋に誘拐されてしまいました。ローガンは、自分たち二人を匿ったことで家族を抹殺されたナビルと協力し、エイミーの救出準備を始めました。ローガンはデレクから奪った金庫を開け、中の資料に目を通し、ハルゲート社が違法武器の密輸をしていた事実を突き止めました。そして、ローガンはその陰謀の中にアンナが関わっていることも突き止めました。ローガンは電話でアンナを巧みに誘導し、アンナを単身にして電車に乗せ、彼女と対峙しました。物的証拠を握ったローガンは、アンナに「君たちのボスに言え。娘に手を出すな」と言い立ち去りました。「これはビジネス」と割り切っていたアンナでしたが、密かに想いを寄せているローガンから軽蔑され、辛い思いを募らせました。ローガンは準備を整えると、ハルゲートに娘・アンナの身柄と引き換えに、極秘書類を渡すと電話をしました。アンナはハルゲートに、この取り引きを自分に任せてほしいと訴えました。ハルゲートはアンナに任せると言いました。しかし、狡猾なハルゲートは裏で殺し屋を手配していました。取り引きの日、アンナはハルゲートの部下たちを撃ち殺し、エミリーを逃がそうとしました。しかし、そこでアンナはハルゲートの殺し屋に刺殺されてしまい、エミリーも再び捕まってしまいました。ローガンはお手製のプラスチック爆弾を仕込んだアタッシュケースに書類を入れ、取引場所へと向かいました。ハルゲートは部下たちを連れ、取引場所にやって来ました。ローガンはその部下たちの目を盗み、気配を消しそっとハルゲートに近づき、銃を突きつけ対峙しました。しかし、ハルゲートは動ぜず、エミリーを助けたいなら、極秘書類とローガンの命を渡せと迫ってきました。ローガンにハルゲートがアンナを抹殺したこと、自分の過去の記録を全て消し去ったことを悟り、心の中で憤りました。その時、殺し屋から解放されたエイミーがやって来ました。ローガンはエイミーに「できるだけ遠くへ逃げろ。パパ残る。これはパパがやるべき事なんだ」と諭しました。その言葉を聞きエイミーは父が殺される覚悟をしていると察しました。エイミーは涙を流しながら、迎えに来たナビルのバイクに乗り、現場から去って行きました。ハルゲートは狡猾でした。解放したエイミーを祖父と共に１週間後、抹殺しようとしていました。ローガンは殺し屋に「１枚忘れていた」と言い、極秘書類の1枚を渡しました。殺し屋はハルゲートにその１枚を渡しました。ハルゲートは車に乗り、書類を確認するためアタッシュケースを開けました。その瞬間、ローガンの仕掛け爆弾が大爆発し、ハルゲートと部下たちと殺し屋は車もろとも、爆死しました。
父に救出されたエイミーは、母国アメリカへ帰国するため空港にいました。しかし、エイミーはこのまま一人で帰国していいのかと、心の中は揺れ動いていました。その時でした。「キャンセル待ちのマルクス・ウルフ様…」というアナウンスが流れました。エイミーは顔をあげました。向こうから走って来たのは父・ローガンでした。二人は固く抱きしめ合いました。
この映画の感想を投稿する