クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅の紹介:2018年フランス,アメリカ,ベルギー,シンガポール,インド映画。世界30ヶ国で発売されたロマン・プエルトラスの小説『IKEAのタンスに閉じこめられたサドゥーの奇想天外な旅』を基に映画化したアドベンチャー・コメディ作品です。インドの貧しい家庭に育った青年がひょんなことから世界中を旅して回ることになり、様々な出会いを通じて自分の成すべきことに気付いていきます。
監督:ケン・スコット 出演者:ダヌーシュ(アジャ)、ベレニス・ベジョ(ネリー)、エリン・モリアーティ(マリー)、バーカッド・アブディ(ウィラージ)、ジェラール・ジュニョ(ギュスターヴ)、ベン・ミラー(スミス)、アベル・ジャフリ(フィク)、サラ=ジャンヌ・ラブロッス(ローズ)、ケイ・グライダヌス(ピーター)、アムルサ・サント(アジャの母)ほか
映画「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅の予告編 動画
映画「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」解説
この解説記事には映画「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅のネタバレあらすじ:起
インド・ムンバイの警察署に、3人の不良少年が連行されてきました。このままでは4年もの間少年院行きとなる少年たちの前に教師の青年アジャ(ダヌーシュ)が現れ、彼らに自らが歩んだ人生を語り始めました。
ムンバイの貧民街に生まれたアジャは母(アムルサ・サント)と牛のモヒニと貧しい暮らしを送っていました。そんなある日、元来体の弱かったアジャは行きつけの病院にあった雑誌に載ってあった、世界中の様々なブランドの華やかな家具の数々に心を奪われ、いつの日かその家具が置いてあるパリの家具店に行き、家具デザイナーになるという夢を抱き始めました。
成長したアジャは従兄弟と共にストリートパフォーマーとして大道芸で金を稼ぐようになり、それだけでは足りずに客からスリをして金を得るようになっていきました。
クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅のネタバレあらすじ:承
そんなある日、アジャの母はこの世を去ってしまいます。アジャは母の遺品を整理していたところ、父が母に宛てた何百通もの手紙を見つけました。フランス人である父は大道芸人をしており、母との結婚を約束していたのですが母の両親と反対にあって叶わなかったのです。それでも父は母を想い続け、「毎週の日曜にパリのエッフェル塔で待っている」という手紙をしたためていたのです。
まだ見ぬ父に会う決心を固めたアジャはなけなしの金をはたいて航空券とパスポートを入手、母の遺灰を手にパリへと向かいました。
念願だった憧れの家具店に到着したアジャは、そこで結婚が破談になったというアメリカ人女性のマリー(エリン・モリアーティ)と出逢って一目惚れし、意気投合して翌日の夜にエッフェル塔でデートの待ち合わせをしようと約束しました。しかし、金のないアジャは仕方なく家具店で夜を明かそうと思い立ち、母の遺灰を店の壺に入れるとクローゼットの中に潜り込みました。
ところが、アジャの入ったクローゼットはそうとも知らずに店から運び出されてしまい、そのままロンドン行きのトラックに載せられました。気がついたアジャはトラックの中で、イギリスへの密告を目指すウィラージ(バーカッド・アブディ)らソマリア難民たちと遭遇しました。互いの境遇を語り合っているうちにトラックはロンドンに到着しますが、トラックは警察の検問に遭い、アジャは難民を逃がそうとして逮捕されてしまいました。
クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅のネタバレあらすじ:転
警察署に連行されたアジャは不法移民担当のスミス刑事(ベン・ミラー)に自分はただの観光客だと主張するも取り合ってもらえず、それどころかパスポートは偽造であることを見破られ、不法移民扱いされて強制送還の飛行機に乗せられてスペイン・バルセロナに向かいました。
しかし、アジャは他の不法移民たちと共に入国を拒否され、やむなく空港内に留まることにしました。アジャは不法移民たちに得意の手品を披露しつつも脱出の機会をうかがい、一瞬の隙を突いて衣装箱の中に潜り込みました。
アジャは衣装箱の中で幼少期に刑務所でお世話になったある盲目の老人の話をシャツに書き、衣装箱はそのままイタリア・ローマの高級ホテルへ運び込まれました。箱の持ち主である女優ネリー(ベレニス・ベジョ)は最初のうちはアジャを警戒しましたが、盲目の老人の話を知るやネリーはいたく感動、アジャに服を買い与え、彼と行動を共にするようになりました。
ネリーは前夫で映画監督のアルフレッドからしつこく迫られており、そのせいで今の恋人のトーマスと別れさせられていました。アジャはネリーとトーマスの復縁を取り持つ一方、アルフレッドには盲目の老人の話を高値で売りつけました。10万ユーロという大金を手にしたアジャはパリへ向かおうとしましたが、騙されたことに気付いたアルフレッドは部下を差し向けてアジャから金を取り戻そうとしたので、アジャはたまたまあった結婚式のイベント用の熱気球に乗り込んでローマから脱出しました。
クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅の結末
一路パリへと向かっていたアジャでしたが、熱気球はガスが底を尽き始め、アジャは死を覚悟してマリーに電話をかけました。ところが、電話に出たのはマリーの友人であり、アジャはマリーが既に新恋人を作ったことを知らされました。
アジャの熱気球は地中海を航行する貨物船の上に不時着しましたが、この貨物船の持ち主は海賊であり、アジャは有り金全てを奪われてしまいました。
貨物船はリビアに到着し、アジャは強制送還されて難民キャンプで暮らすウィラージと再会を果たしました。アジャから事情を聞いたウィラージは仲間たちと貨物船に忍び込み、無事大金を取り戻す事に成功しました。アジャは大金を難民キャンプの一人ひとりに分け与え、残った金で偽造パスポートと航空券を手に入れてパリへと向かいました。
家具店には母の遺灰が無事に残っており、マリーと再会したアジャは彼女から新恋人を紹介され、マリーに別れを告げると、自分がこれからすべきことをするためにムンバイへと戻りました。その後、アジャはムンバイで教師となりましたが、ある日わざわざ自分を探しにムンバイまでやってきたマリーと再会を果たし、生徒たちの前でキスを交わしました。
全てを語り終えたアジャは、少年たちが少年院行きにならない代わりに自分の授業を受けてはどうかと持ちかけ、学校で引き取ることにしました。そして、アジャの父とは再会できたのかという少年の問いに、アジャは母がいるべき場所にいると答えました。アジャはパリを離れる前に、母の遺灰を既に他界していた父の墓前に供えていたのです。少年たちと一緒に話を聞いていた警察官は、アジャにこれまでの話は本当なのかと尋ねましたが、アジャは「重要な部分だけは」と答えるのみでした。
以上、映画「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」のあらすじと結末でした。
主人公のインド人がフランスに行き、ヒロインのアメリカ人に出会い、イギリスやイタリアに迷い込んだり…と多国籍感満載の合作映画ですが、とにかく楽しく破天荒なボリウッド映画のアップデート版という感じで最高に面白かったです。
フランス到着後すぐにタクシーのおっちゃんにボラレそうになり、逆にスッたりだとか、手品とスリを生業にする自分の全力でその場を華麗に切り抜けていくのが、若干うまく行き過ぎ感もあれど観ていて爽快でした。「アーティスト」のベレニス・ベジョとのミュージカルシーンも洗練されていました。