ギヴァー 記憶を注ぐ者の紹介:2014年アメリカ映画。メリル・ストリープやジェフ・ブリッジスという大スターをはじめ、オーストラリアの俳優ブレントン・スウェイツや人気シンガーのテイラー・スウィフトなどの若手も登場する豪華なSF映画。原作は、ロイス・ローリーの児童文学「ザ・ギバー 記憶を伝える者」。近未来に誕生した管理社会“コミュニティー”は、何から何まで平等の理想的な世界に見えた。しかし、完璧な平和と引き換えに人類が失ったものは、人間らしい感情だった。唯一、過去の記憶を受け継ぐ役割を任されたジョナスは、世界に愛を取り戻そうとするが…。
監督:フィリップ・ノイス 出演者:ジェフ・ブリッジス(ギヴァ―)、メリル・ストリープ(長老)、ブレントン・スウェイツ(ジョナス)、アレクサンダー・スカルスガルド(父親)、ケイティ・ホームズ(母親)、オディア・ラッシュ(フィオナ)、キャメロン・モナハン(アッシャー)、テイラー・スウィフト(ローズマリー)ほか
映画「ギヴァー 記憶を注ぐ者」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ギヴァー 記憶を注ぐ者」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ギヴァー 記憶を注ぐ者」解説
この解説記事には映画「ギヴァー 記憶を注ぐ者」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ギヴァー 記憶を注ぐ者のネタバレあらすじ:起
未来社会。世界が荒廃した後、新たな1つのコミュニティーが誕生していました。そこに暮らすのは、過去の記憶を持たない人々。名字がなく、血縁ではない“家族ユニット”という単位で生活しています。彼らの世界は完全に平等で、思考も服装も言葉遣いも職業も、全てが決められている管理社会でした。コミュニティーの代表である“長老”は、規定年齢に達した若者1人ひとりの職業も決めていました。ある仲良し3人組、ジョナス、アッシャー、フィオナにも職業が与えられます。アッシャーはドローンのパイロットに、フィオナは生まれてくる赤ん坊達の養育係に、そしてジョナスはただ1人、選ばれた者だけがなれる“過去の記憶を受け継ぐ者”である、レシーバーに任命されます。ジョナスの役割は、過去の記憶すなわち人類の歴史を受け取ることでした。そして彼に記憶を伝えるのは、ギヴァ―と呼ばれる年配の男性。レシーバーになったジョナスには、特権が与えられます。それは、“質問”と“嘘”を口にしていいこと。長老は、ジョナスに大きな期待を抱いていました。なぜなら10年前、ジョナスの前にレシーバーになった少女ローズマリーが失敗し、命を失くしていたからです。
ギヴァー 記憶を注ぐ者のネタバレあらすじ:承
コミュニティーの果てにある建物で、ギヴァ―による訓練が始まりました。彼がジョナスの手をとった瞬間、ジョナスの目の前の景色が一変します。雪や海や山などの自然、音楽やダンスなどの文化、そして人種や宗教などの記憶も、ジョナスの脳裏に注ぎ込まれていきます。毎日、記憶伝達の訓練を受けるたびに、ジョナス自身の世界も色づいていきます。彼らのコミュニティーには“色”がなかったのです。さらにジョナスは、フィオナに今まで感じたことのない“ときめき”を感じ始めます。ある日、ジョナスはギヴァ―が持っているある地図を見ます。それはコミュニティーの外側の世界が描かれたもので、絶対に行ってはならない禁断の場所でした。ジョナスは、人間らしい感情が芽生えた自分がその場所を越えれば、記憶が解き放たれてコミュニティー全体に愛が伝わる可能性があると知ります。ギヴァ―も心の底ではそう望んでいましたが、あまりに危険すぎる考えだとジョナスに警告します。そしてその理由を教えるために、人間による野生動物の殺戮記憶を見せます。生まれて初めて“痛み”を知ったジョナスは、恐怖に震えあがります。人間の中にある“恐ろしさ”を知ったのです。
ギヴァー 記憶を注ぐ者のネタバレあらすじ:転
ジョナスの家で、ゲイブという名の赤ん坊を養育することになりました。ジョナスはゲイブの手を握り、自分が学んだ楽しい記憶や愛情を伝えます。ゲイブが笑います。ジョナスは父親に「僕を愛してる?」と聞きますが、母親は「それは古い言葉よ」と一喝します。ある日、ジョナスはギヴァ―から戦争の記憶を伝達されてしまいます。仲間が撃たれて死んでいく場面を直視したジョナスは、あまりのショックにとり乱します。さらに彼は、恐ろしい事実を知ります。養育センターで赤ん坊を育てる仕事をしていると思っていた父親が、実は未熟な赤ん坊を「解放する」という名目で殺害していたのです。しかし父親に殺人の意識はなく、全ては長老がコミュニティーの全員に飲ませている薬によって感情を喪失していたのです。こっそり薬を飲むのをやめていたジョナスには、どんどん人間らしい感情が溢れていきます。そしてゲイブが養育センターで解放されることになったと知った時、ついにコミュニティーを脱出して境界線を越えようという決意が生まれます。
ギヴァー 記憶を注ぐ者の結末
ジョナスの決意を知ったギヴァ―は、彼に地図を託します。10年前に失敗したローズマリーは、ギヴァ―の娘でした。ジョナスはフィオナの助けで養育センターに忍び込み、ゲイブを抱いて走り出します。長老はジョナスの親友であるアッシャーを呼び、ジョナスの「消去」を命じます。荒野をひた走るジョナスを、アッシャーのドローンが追います。しかしアッシャーは故意にジョナスを逃がし、始末したと長老に嘘をつきます。川に落ちてどこまでも流されたジョナス。ゲイブを抱きしめ、ぼろぼろの姿でひたすら歩き続けます。一方、長老に捕えられたギヴァ―とフィオナは、ジョナスに協力した罪で「解放」されようとしていました。ギヴァ―とフィオナは、愛の大切さをジョナスの母親や長老に訴えます。しかし母親は怪訝な顔のまま。長老は、それこそ戦争の原因になる愚かなことだと否定します。同じ頃、疲れ果てて雪の中に倒れていたジョナスが起き上がります。記憶の中で見たソリを見つけ、ゲイブを抱いて滑り降りて行きます。そしてようやく境界線を越えた途端、コミュニティーの全てが色づき出します。人々の目に涙が溢れ、豊かな表情が浮かびます。長老も茫然としています。ジョナスの目の前に、一軒の家がありました、中からあたたかな歌声が聞こえてきます。ジョナスはゲイブを抱きしめ、歌声に向かって歩き出しました。
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