ラブリーボーンの紹介:2009年アメリカ,イギリス,ニュージーランド映画。わずか14歳で殺害された少女が語り手となり、遺された家族を見守るファンタジー&ヒューマン・ドラマ。ある冬の日、スージーは近所に住む男に殺害されてしまう。犯人探しに躍起になる父、精神的に追い詰められていく母。傷ついていく家族を前に、スージーはただ見守ることしか出来ないのか。原作はアリス・シーボルドの小説『ラブリー・ボーン』。
監督:ピーター・ジャクソン 出演者:シアーシャ・ローナン(スージー・サーモン)、マーク・ウォルバーグ(ジャック・サーモン)、レイチェル・ワイズ(アビゲイル・サーモン)、スーザン・サランドン(リン)、スタンリー・トゥッチ(ミスター・ハーヴィ)ほか
映画「ラブリーボーン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラブリーボーン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラブリーボーンの予告編 動画
映画「ラブリーボーン」解説
この解説記事には映画「ラブリーボーン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラブリーボーンのネタバレあらすじ:非情な殺人
舞台は1973年アメリカ、ペンシルベニア州。14歳のスージー・サーモンは、カメラが趣味の活発な女の子。両親と妹弟に囲まれ、騒がしいながら幸せな日常を過ごしています。上級生のレイ・シンに淡い恋心を寄せ、幸福なファーストキスを夢見ていました。しかし1973年12月6日、スージーは近所に住むハーヴィという男に殺害され、夢も未来も奪われてしまいます。事件当日の朝、スージーは誕生日に買って貰ったカメラのフィルム24本を全て使い切ってしまい、両親から呆れられます。フィルムは月に1本だけ現像するという約束を渋々交わしたスージーは、母アビゲイルの手編みの帽子を被って登校しました。その日の放課後、レイからデートに誘われたスージー。レイはスージーの本にこっそりラブレターを挟みます。喜々として帰路についたスージーでしたが、学校裏のトウモロコシ畑でレイのラブレターが風に飛ばされてしまいます。追いかけた先にはハーヴィが立っていて、彼は自作の地下室に入ってみないかと言い出しました。顔見知りということもあり、スージーはあまり警戒せず畑に掘られた地下室に入ってしまいます。本性を現したハーヴィはスージーに襲いかかりました。その頃、コナース牧場の娘ルースが1人夜道を歩いていると、レイのラブレターが風に飛ばされて来ました。そして走り去るスージーを見て顔色を曇らせます。霊感のある彼女は、スージーを死者だと直感したのです。
ラブリーボーンのネタバレあらすじ:地上と天国の狭間で
帰宅しないスージーを心配した家族は警察に連絡、その後トウモロコシ畑でスージーの帽子が見つかります。帽子には大量の血液反応があり、スージーの死を悟った家族は嘆き悲しみます。誰もいない町や幻想的な景色を通り抜けたスージーも自らの死を理解しました。気が付くと森の中の東屋にいたスージー。この場所からは現世の様子が見えるようです。そこへホリー・ゴライトリーと名乗る黒髪の少女が現れます。ここは地上と天国の間だと教えたホリーは、「あきらめて一緒に行くのよ」とスージーを天国に導こうとしました。けれどスージーは断り、落ち込む父ジャックに呼びかけます。当然声も姿も届きませんが、まだ近くにいる、去ってはいない、と伝えることは出来ました。スージーの気配を感じたジャックは犯人探しを決意します。
ラブリーボーンのネタバレあらすじ:崩壊する家族
ジャックはスージーが遺したフィルムを約束通り月に1本ずつ現像することにしました。アビゲイルは悲しみを長引かせるだけだと反対します。ジャックは怪しい人物を次々警察に報告しますが、その熱意は完全に空回りしていました。スージーの事件から11ヶ月。家族を顧みない夫にアビゲイルの精神は限界を迎えていました。ジャックは支えになればとスージー達の祖母リンを呼び寄せますが、性格の違いから逆効果になってしまい、ある日アビゲイルは家を出ていってしまいます。スージーの妹リンジーは、ハーヴィに不信感を抱き始めていました。フィルムの最後の1本を現像したジャックもハーヴィに疑惑を抱きます。偶然写真に入り込んだハーヴィの姿。娘を見るハーヴィの異様な目つきを思い出したジャックは疑惑を確信に変えます。しかし証拠が無いので警察は動いてくれません。ジャックは復讐のために夜中バッドを持ち出し、トウモロコシ畑に入ったハーヴィを追いかけます。しかしハーヴィを見失ったジャックは無関係のカップルを襲ってしまい、返り討ちにされ大怪我を負ってしまいました。スージーはジャックを復讐から解放するため、離れることを決意します。彼女はイメージの中のハーヴィ宅に足を踏み入れました。
ラブリーボーンのネタバレあらすじ:暴かれた罪
スージーはハーヴィが殺害した被害者達の姿を見ます。ハーヴィは連続殺人犯だったのです。犠牲者の中にはホリーの姿もありました。ホリーの本名はデニーズ・リー・アング。1971年、13歳の時コネティカット州でハーヴィに殺害されていました。地下室に降りたスージーは大きな金庫を発見。その中には麻袋に押し込められたスージーの遺体が入っています。その頃、証拠を掴むためリンジーはハーヴィの家に侵入していました。ハーヴィは留守のようです。家中を探し回ったリンジーは、寝室の床下に隠してあったスケッチブックを発見。そこにはスージーの写真と、彼女の毛髪が貼り付けられていました。帰宅したハーヴィに危うく捕まりそうになったリンジーは間一髪逃げおおせます。家に駆け込むとアビゲイルの姿がありました。家族は久しぶりの再会を果たします。そしてリンジーが手に入れたスケッチブックが決定的な証拠となり、ハーヴィの家に警察の捜査が入りました。しかしハーヴィは既に荷物をまとめ、コナース牧場の廃棄用に掘られた穴に金庫を捨てようとしていました。その様子をルースがじっと見ています。
ラブリーボーンの結末:美しい骨
地上を離れ天国へと歩くスージー。すると光の中からホリーを始め、ハーヴィに殺害された被害者達が続々と現れました。皆で天国へ向かおうとしますが、スージーはふと立ち止まり「もう1つ…やることが」と来た道を戻って行きます。一方、ハーヴィを見ていたルースは不安に駆られ一緒にいたレイを呼びました。ラブレターを拾ったことをきっかけに、2人は親しくなっていたのです。窓ガラスにスージーが映り、ルースは気絶してベッドに倒れこみます。レイが慌ててやって来ると、ルースの姿はスージーに変わっていました。レイに「キスして」と呟くスージー。憧れのキスを交わしたスージーはレイに微笑みます。そしてついに金庫は穴へ落とされ、泥の中に飲み込まれていきました。その後の世界を、スージーは「私がいなくなって――美しい骨(ラブリーボーン)が育った」と振り返ります。皆事件の悲しみを抱えながら、スージーがいない世界を懸命に生きています。町から逃げたハーヴィは新たな獲物を物色中、崖から足を滑らせ転落死しました。スージーが「お別れの時です。末長くお幸せに…」と願い、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ラブリーボーンのあらすじと結末でした。
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