クライシス・オブ・アメリカの紹介:2004年アメリカ映画。影なき狙撃者のリメイク。リチャード・コンドンの小説を原作にした1962年公開の映画「影なき狙撃者」を、舞台を湾岸戦争後に置き換えてリメイクした社会派サスペンス作品です。湾岸戦争の英雄として政界入りを果たした元軍人の上官がその行動に疑問を抱くうち、国家をも揺るがす陰謀に巻き込まれていきます。
監督:ジョナサン・デミ 出演者:デンゼル・ワシントン(ベン・マルコ)、メリル・ストリープ(エレノア・ショー)、リーヴ・シュレイバー(レイモンド・ショー)、ジェフリー・ライト(アル・メルヴィン)、キンバリー・エリス(ユジェニー・ローズ)ほか
映画「クライシス・オブ・アメリカ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「クライシス・オブ・アメリカ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「クライシス・オブ・アメリカ」解説
この解説記事には映画「クライシス・オブ・アメリカ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
クライシス・オブ・アメリカのネタバレあらすじ:起
1991年、湾岸戦争の「砂漠の嵐」作戦の直前、ベン・マルコ大尉(デンゼル・ワシントン)率いるアメリカ軍の偵察部隊は敵に襲撃され、マルコは撃たれて意識を失いますが、その部下レイモンド・ショー軍曹(リーヴ・シュレイバー)が代わりに部隊をまとめ、命がけで果敢に仲間を救い、敵に立ち向かっていきました。帰国後、レイモンドは英雄として讃えられ名誉勲章を授与され、母で上院議員のエレノア(メリル・ストリープ)の後ろ盾を受けて政界に進出、今では副大統領候補にまで上り詰めていました。そして現在、湾岸戦争の体験談を語る講演を終えたマルコ少佐の元にかつての部下アル・メルヴィン(ジェフリー・ライト)が訪れます。精神を病んでいる様子だったメルヴィンは毎日のように悪夢にうなされているといい、その夢の内容をノートに書いてマルコに見せてきました。それはマルコやレイモンドが部下を殺すというものでした。
クライシス・オブ・アメリカのネタバレあらすじ:承
レイモンドの快進撃を伝えるニュース番組に注目していたマルコは彼の言動に違和感を覚え、その夜いつもと同じような悪夢を見ると、それがメルヴィンが以前語っていた悪夢の内容と似ていることがわかりました。マルコは真相を探るためショーに接近しようとしたところ、レイモンドはパーティーの席で世界的軍事企業「マンチュリアン・グローバル」のマーク・ホワイティング(ディーン・ストックウェル)らを紹介されていました。レイモンドは母のライバルであるジョーダン議員(ジョン・ヴォイト)の娘で、母によって引き離された元交際相手のジョスリン(ヴェラ・ファーミガ)と密かに再会、今でも未練があることを伝えていました。その後、マルコはギャレット大佐(ミゲル・フェラー)に夢のことなどを報告しますが取り合ってもらえず、引き続き湾岸戦争後遺症の治療を受けると共に、ショーへの接近を禁じられてしまいます。
クライシス・オブ・アメリカのネタバレあらすじ:転
マルコはレイモンドに会うためにニューヨークに向かい、列車内で馴染みのスーパー店員ユージェネー・ローズ(キンバリー・エリス)と会い、マルコが幻覚にうなされているのを心配したローズはマルコを従姉のアパートへと案内します。シャワーを借りたマルコは自分の左肩に異物があることに気付き、取り出してみるとそれは見たこともない小型のコンピューターチップでした。旧友の科学者デルプ(ブルーノ・ガンツ)にチップを見せたマルコは、このチップこそが人間の意識や記憶を操りコントロールするものであることを突き止め、レイモンドもチップを埋め込まれているのではないかと推測します。マルコはレイモンドに接近、その背中に噛み付いて中からチップを取り出します。このチップは「マンチュリアン・グローバル」が政府と癒着して開発したものでした。マルコはジョーダン議員に事情を説明しますが、その直後ジョーダンはマインドコントロールされたレイモンドに殺害されてしまい、その場にいたジェスリンも殺されてしまいます。
クライシス・オブ・アメリカの結末
メルヴィンは謎の死を遂げており、その遺体からはマルコらと同様にチップが埋め込まれていました。ローズの正体はFBI捜査官であり、マルコはローズと協力して一連の事件の真相を解明しようとします。事件の黒幕はレイモンドの母エレノアであり、レイモンドを利用してホワイトハウスを思うがままに操ろうと目論んでいたのです。そしてエレノアはマルコに接触してマインドコントロールを施し、次期大統領候補の暗殺を指示します。そして大統領選の勝利を祝う祝賀会場で、エレノアの企みを知ったレイモンドは彼女を連れて行き、エレノアと共にわざと次期大統領を狙ったマルコの銃弾に倒れます。マルコは指示に従い自決しようとしましたがローズに制止され、米軍とFBIはマルコの犯行を隠蔽、別の人物が狙撃に関与したかのように装うと、「マンチュリアン・グローバル」が事件に関与しているように仕立て上げます。その後、マルコの証言により洗脳が行われていた場所が明らかとなりました。
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