ザ・マスターの紹介:2012年アメリカ映画。PTSDを抱える帰還兵と新興宗教の教祖との奇妙な交流を描く人間ドラマ。第69回ベネチア国際映画祭にて監督のポール・トーマス・アンダーソンが銀獅子賞を受賞、主演のホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンが最優秀男優賞を同時受賞しました。
監督:ポール・トーマス・アンダーソン 出演者:ホアキン・フェニックス(フレディ・クエル)、フィリップ・シーモア・ホフマン(ランカスター・ドッド)、エイミー・アダムス(ペギー・ドッド)、ローラ・ダーン(ヘレン・サリヴァン)、アンビル・チルダーズ(エリザベス・ドッド)、ジェシー・プレモンス(ヴァル・ドッド)ほか
映画「ザ・マスター」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・マスター」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・マスターの予告編 動画
映画「ザ・マスター」解説
この解説記事には映画「ザ・マスター」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・マスターのネタバレあらすじ:起
第二次世界大戦後のアメリカ。戦場から帰還した海軍兵フレディはPTSDに悩まされ、アルコールとセックスに溺れる日々を送っています。ある夜フレディは泥酔した状態で客船に忍び込み、眠り込んでしまいます。目覚めたフレディに待っていたのは船を借り上げていた男ランカスター・ドッドとの面会でした。新興宗教の代表者であり、作家でもあるドッドはフレディが道に迷い悩みを抱えていることを一瞬にして見抜いて見せます。
フレディが持ち歩いている合成酒を気に入ったドッドは、酒を作ってもらう代わりにフレディに職を与えることを約束します。やがてドッドはトラウマを呼び起こさせるプロセシングという試験を用いてフレディにこれまでの過去を省みさせます。
ザ・マスターのネタバレあらすじ:承
フレディには故郷のマサチューセッツに結婚を約束したドリスという女性がいました。任務に出ることになったフレディは親類が暮らすノルウェーに旅立つことになったドリスを必ず迎えに行くと約束します。しかしその約束をいまだに果たせずにいる自分にもどかしさを抱えていました。フレディは悩みを打ち明けるうちにドッドに心酔していき、やがて彼に師事するようになります。
フレディはドッドの提唱するコーズ・メソッドを陳腐なタイムトラベル催眠術だと批判する参加者が現れると、怒りに任せて暴力を振るうなど次第に過激な行動を取り始めます。そしてある財団の資金を流用した罪でドッドに逮捕令状が出されると、フレディは警察から彼を守ろうと暴れまわり、逮捕されてしまうのでした。
ザ・マスターのネタバレあらすじ:転
ドッドの妻ペギーや娘達はフレディの異常性を危惧し、教団に悪影響を及ぼす彼を追い出そうと言い出します。しかしフレディが心から救済を求めていると信じるドッドは彼に感情をコントロールする術を学ばせていきます。フレディは従順な信者へと変貌を遂げたかのように見えました。ドッドが新しい書籍を出版すれば、過去のトラウマやストレスからの解放を謳い、献身的に教団の宣伝活動に精を出していきます。
しかしドッドの書籍を批判する信者にまたしても暴行を加えてしまうのでした。ドッドはフレディに新しい課題を与えようとしていました。そしてドッドは娘達とともにフレディを砂漠に連れていき、突然目標設定ゲームをやると言い出します。それはオートバイで目標を設定してそこに向かってできるだけ早く走るというゲームでした。ドッドに続いてフレディもバイクを走らせます。しかし設定した目的地を超えてもフレディが戻ってくることはありませんでした。
ザ・マスターの結末
フレディの元から姿を消したフレディはマサチューセッツのドリスを家を訪ねます。そこでドリスの母から彼女が結婚し、幸せな家庭を築いていることを知らされます。映画館で時間を潰していると、居場所を突き止めたドッドから電話がかかってきました。ドッドはフレディの抱える狂気を治し、癒したいと訴え、教団に戻ってくるよう諭します。
その後ドッドの元を訪ねるフレディでしたが、ペギーはフレディが従順性に欠けることを指摘し、救済など必要としていないのではないかと夫に訴えます。ドッドはフレディに自由人となってここを去るか、教団に残るかの選択を迫ります。教団を去ることはドッドとの永遠の別れを意味していました。フレディは苦渋の選択の末、二度と戻らないことを決意し教団と決別するのでした。
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