喜望峰の風に乗せての紹介:2017年イギリス映画。1968年、ヨットによる単独無寄港世界一周レースに挑戦した実在の人物ドナルド・クローハーストの壮絶な実話を『博士と彼女のセオリー』などのジャームズ・マーシュ監督が映画化した海洋伝記ドラマです。
監督:ジャームズ・マーシュ 出演者:コリン・ファース(ドナルド・クローハースト)、レイチェル・ワイズ(クレア・クローハースト)、デヴィッド・シューリス(ロドニー・ホールワース)、ケン・ストット(スタンリー・ベスト)、ジョナサン・ベイリー(ウィーラー)、エイドリアン・シラー(エリオット)、オリヴァー・モルトマン(デニス・ハーブシュタイン)ほか
映画「喜望峰の風に乗せて」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「喜望峰の風に乗せて」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
喜望峰の風に乗せての予告編 動画
映画「喜望峰の風に乗せて」解説
この解説記事には映画「喜望峰の風に乗せて」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
喜望峰の風に乗せてのネタバレあらすじ:起
1968年、イギリス。ボートショーにゲストとして招かれた著名航海士フランシス・チチェスター(サイモン・マクバーニー)の姿を羨望の眼差しで見つめる一人の男がいました。その名はドナルド・クローハースト(コリン・ファース)、ヨット好きが高じてヨット用機器の製造や販売を手掛けているのですが、商売に行き詰まっていました。
そんな時、チチェスターの口から単独無寄港世界一周レース「サンデー・タイムズ・ゴールデン・グローブ・レース」の開催が発表され、ドナルドも参加を決意しました。ドナルドの妻クレア(レイチェル・ワイズ)は心配しますが、ドナルドはこのレースに参加すればクレアとまだ幼い子供たちに賞金を渡すこともでき、何よりもビジネス面でも好影響を与えるであろうと考えたのです。
喜望峰の風に乗せてのネタバレあらすじ:承
ドナルドは早速地元の裕福なビジネスマンのスタンリー・ベスト(ケン・ストット)に投資を持ちかけ、ジャーナリストのロドニー・ホールワース(デヴィッド・シューリス)に広報を依頼するなど着々と準備を進めていきました。しかし、肝心のヨット作りは時間の面などで納得のいく仕上がりとはいかず、一旦は参加を辞退することも考えましたが、もはやホールワースが様々なスポンサーを集めてきてしまっていることから、ドナルドはボートが未完成のまま出航せざるを得ませんでした。
10月31日、家族や地元の人々に見送られながら出発したドナルドでしたが、早速エンジンルームが浸水してしまい、電気系統にトラブルが発生するなど早くも不安視されていたことが現実のものとなっていきました。また、ドナルドの航海の経験はほんの簡単な程度のものしかないことも困難に追い打ちをかけていきました。
喜望峰の風に乗せてのネタバレあらすじ:転
ドナルドは南アフリカ大陸の最南端・喜望峰を目指していましたが、ヨットは逆に北へと押し戻され、さすがのドナルドもリタイアを考えましたが、ヨットの制作費を借金で賄ったこともあり、もはや引くに引けない状況でした。
それでも家族には不安を与えないよう無線で連絡を取っていたドナルドでしたが、航海日誌に虚偽の記述をしてあたかも世界一周を達成したかのように装うことを思い付きました。しかし、ドナルドが流した嘘の情報はそうとも知らぬマスコミによって世間に広まり、自分が英雄扱いされていることを知ったドナルドはより一層追い詰められていきました。
過酷なレースは次々とリタイアするものが続出しており、ドナルドの家族や支持者はもしかしたら逆転優勝もあり得ると期待に胸を膨らませました。その後、ドナルドは位置を探知されないよう無線を切って音信不通となり、家族が心配するなかホールワースは穴埋めにと勝手に嘘の情報を流していきました。
喜望峰の風に乗せての結末
レースはノックス・ジョンストンが優勝、残るはドナルドとテトリーという人物だけとなりました。ドナルドは日記の捏造が発覚しないようわざとテトリーより遅くゴールしようと目論みましたが、そのテトリーがヨットのトラブルでリタイアしてしまい、しかもホールワースは既に表彰と祝賀会のセッティングをしているという情報がもたらされました。遂に極限まで追い詰められたドナルドはそのまま行方不明となり、ヨットと航海日誌だけが大西洋上で発見されました。これを見たホールワースはドナルドが喜望峰にすらも辿り着いていなかったことを知り、「あいつは有名になりたかったんだろう。でも、これでさらに有名になるだろう」と呟きました。クレアのもとにはマスコミが連日のように詰めかけ、クレアは「他人の破滅が面白いの? 彼を破滅させたのはあなた方よ」と怒りを露わにしました。それからクレアは子供たちを連れて港に出向き、二度と帰ることのない夫の帰りを待ち続けていました。
これを勇気といえるのだろうか?すべてのことから逃避したかったのだろうか?こんなに素晴らしい家庭を持ちながらも。狂気に取りつかれていたとしか感じられない。ある日、突然帰ってきたとしたら?