ベスト・キッド4の紹介:1994年アメリカ映画。この作品は『ベスト・キッド』シリーズの第4作目でシリーズ最後の作品です。主人公は、心を閉ざした女子高生ジュリー・ピアースを日系人空手家ミヤギが空手を通して、彼女の心を開いていく青春アクション映画です。監督は『ヤングガン』(1988年)を手がけたクリストファー・ケイン、音楽は第49回アカデミー賞作品賞ならびに第34回ゴールデングローブ賞ドラマ作品賞を受賞した『ロッキー』(1976年)を手がけたビル・コンティです。
監督:クリストファー・ケイン 出演:ノリユキ・パット・モリタ(ミヤギ)、ヒラリー・スワンク(ジュリー・ピアース)、クリス・コンラッド(エリック)、マイケル・アイアンサイド(ドゥーガン)、マイケル・カヴァリエリ(ネッド)、ほか
映画「ベスト・キッド4」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ベスト・キッド4」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ベスト・キッド4」解説
この解説記事には映画「ベスト・キッド4」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ベスト・キッド4のネタバレあらすじ:1.プロローグ: ミヤギとジュリー・ピアースとの出会い
空手達人の日系人ミヤギは、第二次世界大戦の名誉軍人授賞式に出席するため、ワシントンを訪れていました。日系人もあの戦争でアメリカのために勇敢に戦いました。合衆国大統領はその勇敢な日系人部隊に表彰状を贈ることになりました。その部隊の代表として、特に勇敢だったミヤギ・ケイスケ軍曹と今は亡き戦友のジャック・ピアース中尉の妻ルイーザが、その表彰状を受け取りました。ミヤギとルイーザの再会は、久しぶりでした。ミヤギはボストンの彼女の家に食事に招かれました。ミヤギはそこで彼女の孫娘であるジュリー・ピアースと出会いました。女子高生ジュリーは、事故で両親を亡くしてから、心を閉ざして反抗的な態度をとっていました。そんなジュリーの扱いに困っているルイーザにミヤギは、「両親を失った子供は悲しみを隠す。悲しみを隠そうとするほど、怒りになる」と言い、ルイーザにある提案をしました。
ベスト・キッド4のネタバレあらすじ:2.ミヤギ、ジュリーを預かる
その提案とは、ルイーザはカリフォルニアのミヤギの家に暫く住んでもらい、彼女の留守中をミヤギが彼女の家を預かり、ジュリーと共同生活をするという案でした。ルイーザはこのままジュリーといても二人の心の距離が遠ざかるだけだと思い、すがるような気持ちで、ミヤギの案に乗りました。ミヤギは、ジュリーと何とか打ち解けようとしますが、なかなか最初はうまく行きませんでした。ジュリーは、学校で暴力自警団アルファ・エリートのリーダーのエリックから執拗な嫌がらせを受け、交際を申し込まれていました。ある日、ジュリーが独りで音楽を聴こうとしていると、エリックがやってきて、また交際を申し込んできました。ジュリーは嫌がりました。エリックは彼女の髪の毛をつかみ、脅していると、アルファ・エリートを率いる元軍人のドゥーガン大佐がやって来ました。エリックは彼女がタバコを吸っていたので取り上げたと虚偽の報告をし、ドゥーガンに彼女は校長室に連れて行かれました。ドゥーガンは校長にジュリーが今度、問題を起こしたら退学をさせるように校長に進言し、校長は彼女の意見も訊かず、ドゥーガンの言いなりになり、そのように彼女に宣告しました。その様子を扉のガラス越しに見ていたエリックは、ドゥーガンの命令で、ジュリーを次の授業の教室に連れて行こうとしますが、彼女は女子トイレに入ったまま出てきませんでした。エリックが思い切って、女子トイレを覗きましたが、彼女の姿はありませんでした。彼女は窓から校舎の屋上に抜け出したようでした。エリックは彼女の跡を追い、屋上に行くと、ジュリーは1羽のタカを鳥小屋で世話していました。事情を訊くと、そのタカは羽根を撃たれて、飛べなくなり体育館の脇で見つけたのを、ジュリーが治療して世話しているとのことでした。エリックはジュリーの秘密を知りましたが、彼は誰にも言わないことにしました。
ベスト・キッド4のネタバレあらすじ:3.エリックの夢
ある日、校庭で暴力自警団アルファ・エリートの訓練が行われていました。それはドゥーガンが部下たちに稽古をつけるという形でしたが、それは稽古というよりドゥーガンの強さを見せつけるようなもので容赦はありませんでした。エリックもその一員でしたが、彼はドゥーガンに「僕は自分のためには戦いますが、大佐の見栄のために戦うつもりはありません」と言いました。ドゥーガンはエリックをはり倒し、彼を挑発して倒すと、「弱い敵は徹底的に叩くんだ」と彼に更に暴力を振るおうとしました。その様子を見ていたミヤギは、彼らのもとに近づいて行き、ドゥーガンとエリックの中に入り、話しかけてその暴力を止めました。ジュリーはそんなエリックやミヤギの姿を遠くから見ていました。ある日、エリックはジュリーを連れて、バイト先に連れて行きました。エリックは電車の警備員をしていました。エリックはジュリーを止まっている電車の屋根の上に誘いました。エリックは6年前に父親が家を捨て出ていき、生活費も送ってこないため、彼は生活するためにバイトをしなくてはいけないことをジュリーに告白しました。彼の夢は空軍に入りジェット機のパイロットになることでした。そのために、ドゥーガン率いるアルファ・エリートに入っていました。ジュリーは、そこでエリックにタカのことは秘密にすることを約束させました。
ベスト・キッド4のネタバレあらすじ:4.父からジュリーへの財産・空手
その日、ジュリーが部屋に戻ると、ミヤギがノックもせずに彼女の部屋に入って来ました。ジュリーは怒り、ミヤギは以前ダニエルという少年との生活が長かったため、つい癖でやってしまったと言い、謝りしました。ジュリーはミヤギを許しました。ミヤギは学校の先生から、ジュリーが3週間も学校の宿題をやっていないことを聞き、ジュリーに宿題をするようにお願いしました。しかし、ジュリーはミヤギに反抗的態度をとりました。ミヤギはジュリーに「知恵もなく、夢を見るのは、砂漠に舟を浮かべるようなものだ」と諭しましたが、彼女は言うことを素直に聴いてくれず、逆に外に出ていきました。ミヤギは彼女の跡を追いかけました。ジュリーは周りを見ず、道路に出て車に轢かれそうになりました。しかし、ジュリーは瞬間的に飛び、車のボンネットに飛び乗り、難を逃れました。ミヤギはジュリーの運動神経と瞬発力に凄さを見ました。家に戻ったミヤギは、ジュリーに尋ねると彼女は「子供の頃、パパが空手を教えてくれた。学校から帰ると毎日よ。楽しかった」と語りました。ミヤギは彼女に祖父の写真を見ながら、「ずっと昔、戦争の時、あんたのおじいちゃんに命を救われた。それでミヤギはそのお礼に空手をおじいちゃんに教えた。おじいちゃん、気に入って、お父さんに教えた。そのお父さんがあんたに教えた」と言うと、ジュリーはみんな死んだと悲しそうにしました。そんなジュリーにミヤギは「ミヤギにも分かる。ミヤギにもやはり両親がいた。怒っても両親は帰ってこない」と諭しました。ジュリーは両親が好きだったという思いをミヤギに語りました。ミヤギは彼女に「死は誰にも悲しいものだ。だが、それでも人は生きなければならない。…ジュリーさん、両親はあんたに写真よりいいものを残してくれた。あんたにとても素晴らしい財産を。空手だ」と語りました。ジュリーはまだ、ミヤギの言葉にピンとくるものがありませんでしたが、ミヤギに空手を教えてほしいと頼みました。ミヤギは、ジュリーが数学の宿題2ページと歴史の宿題1ページやれば、空手1回教えると約束しました。ある日、ジュリーは買い物に行きたいがお金がないので貸してほしいと、ミヤギに頼むと、ミヤギは彼女の意向も聴かず勝手に、向かいの家でのベビーシッターのバイトをジュリーがするようにし向けていました。ジュリーはベビーシッターの仕事を始めました。ジュリーは言うことを聞かないワンパク坊主たちに怒り心頭でした。ミヤギはそんなジュリーに「太陽ポカポカ、芝は青々。もし頭にきたら、この言葉を繰り返すんだ。鼻から大きく息を吸い、太陽ポカポカ、芝は青々」と言って家に帰っていきました。これもミヤギ流の空手の稽古でした。それを悟ったジュリーはミヤギに「板を割る稽古はいつするの」と尋ねると、ミヤギは「なぜ板を割る?板が何をした?そんなことを覚えても、怒りを乗り越えることはできないよ」と諭しました。
ベスト・キッド4のネタバレあらすじ:5.ジュリー、空手の精神と技を磨く
ある日の夜、ジュリーはこっそりと家を出て、学校に行きました。学校ではネッドたちアルファ・エリートが、張り込んでいました。ジュリーは学校に忍び込んだところを、ネッドたちに見つかり、追いかけられました。ジュリーは学校の非常ベルを鳴らし、学校から抜け出しました。ジュリーは警察に保護されました。ミヤギは警察にジュリーを迎えに行き、学校に忍び込んだ理由を聞きました。ミヤギは彼女が屋上で密かにケガをしたタカの面倒をみていたことを知りました。ジュリーはこの一件で学校を二週間停学になりました。投げやりになっていこうとするジュリーを、ミヤギは暫くよい所に連れて行くと言いました。翌日、ジュリーはエリックにタカの面倒を頼むと、ミヤギと共に山の中にある禅寺へ行きました。ジュリーはそこで、ミヤギから空手の稽古と共に、僧侶たちに囲まれて、精神の修行もしていきました。ある日の食事中、ゴキブリが出てきました。ジュリーはそれを靴で叩き殺そうとしましたが、前の僧侶がゴキブリを捕まえ、退出していきました。ミヤギは「この禅寺の中では、命あるものは殺さない」とジュリーに語ると、ジュリーは「馬鹿げてる」と言いました。ミヤギは彼女に「馬鹿げているのは、理由もなく共に暮らす人々が殺し合うことだ。馬鹿げているのは、国が戦争をすることだ。命あるものを尊敬するのは馬鹿げてはいない。…わしは決して無駄な殺生はしない」と諭しました。ジュリーは次第に禅寺の僧侶たちとも打ち解け合うようになり、空手に必要な精神、五感の使い方、技などを修練していき、これまでできなかったことも、できるようになりました。ミヤギ流の空手の稽古にも心を開き、素直に修練に励みました。いよいよ明日、その禅寺を去る日、それはジュリーの誕生日でした。僧侶たちはケーキを作り、ジュリーを祝いました。僧侶は、ジュリーのお別れに禅の弓を披露しました。弓の的はミヤギでした。底知れぬ緊張感の中、ジュリーはミヤギを心配しました。僧侶は矢をミヤギに向かって放ちました。矢はミヤギの胸めがけて真っ直ぐに飛んでいきました。ミヤギはその矢を見事、胸元に刺さる直前で受け止めました。ジュリーは口を開けて、驚きました。ジュリーとミヤギは僧侶たちにお礼を言い、元の学校に戻りました。
ベスト・キッド4のネタバレあらすじ:6.生まれ変わったジュリー
ジュリーは生まれ変わったように生き生きとしていました。ジュリーはエリックとよし親しくなりました。エリックはドゥーガン大佐の方針に疑問を抱き、アルファ・エリートを辞めました。エリックとジュリーがタカを見にいくと、鳥小屋にタカはいませんでした。そこにネッドたちがやって来ました。ネッドたちが勝手にタカを保健所に通報して、取りに来させたことを知り、エリックは怒り、ネッドに飛びかかりました。その場はジュリーの仲裁でなんとか収まりました。ジュリーはミヤギと共に保健所に、タカを取りにいきました。ミヤギは、タカはもう飛べると言いましたが、ジュリーはまだ無理、試すのも無駄と言い返しました。ミヤギは彼女に「それはタカが決めることだ」と諭しました。そして、ある森の湖畔に行きました。ミヤギはタカに向かって手を合わせ、包帯を取ってあげると、ジュリーに「風に離してやれ。…あんたが飛ぶと信じてやれば、タカもきっと信じる」と言い、ジュリーはタカを飛ばしました。タカは元気よく飛び立ちましたが、すぐジュリーのもとに帰って来ました。ジュリーはタカにもう自由よと語りかけて飛ばすと、タカはジュリーの手から大空高く飛び立ち、ジュリーの頭の上を旋回して、飛び去っていきました。寂しそうなジュリーにミヤギは「これからはミヤギがいる。お友達のエリックも」と言って励ましました。ジュリーは、好きなエリックからダンスパーティに誘われたが、ワルツも踊れない自分に自信がないと、ミヤギに打ち明けました。ミヤギは「なんだってできないことはない」と彼女を励ましました。
ベスト・キッド4のネタバレあらすじ:7.ジュリーとエリック、次第に縮まる二人の心の距離
ミヤギは、家で空手の型の稽古をつけながら、ワルツのステップをジュリーに手ほどきしました。ジュリーはステップを踏めるようになりました。着ていく服がないと言うジュリーのために、ミヤギは密かに買っていた美しいドレスをプレゼントしました。ジュリーは喜びました。ジュリーはミヤギを完全に信頼し、心を素直に開くようになりました。ある日、禅寺の僧侶たちが、ジュリーの家に遊びに来ました。ジュリーとミヤギは僧侶たちを歓迎しました。ダンスパーティの夕方、エリックが車でジュリーを迎えに来ました。エリックはジュリーの家に僧侶たちがいて、驚きました。ミヤギはエリックに「変なマネは許さないぞ」と言うと、ジュリーを部屋まで呼びに行きました。ジュリーはミヤギからのドレスを着て、見違えるように美しくなっていました。ジュリーはミヤギに「パパとママに見せたかった。…あの時のミヤギの言葉、よく覚えている。二人は心の中に。いつまでもそれを大事にすればいいんだ」と目に涙をためて言いました。ミヤギは我が娘のことのように嬉しそうに頷きました。ミヤギと僧侶たちはジュリーを送り出すと、街に出て、ボウリングに行きました。そこで、隣のグループと勝負することになりました。僧侶たちはボウリングの投げ方は、それぞれ思い思いの投げ方で投げ、中には目を閉じて投げる者もいました。僧侶たちはストライクを連発し、隣のグループに勝ちました。そして、隣のグループにも禅ボウリングを教え、みんなを喜ばせました。ダンスパーティに行ったジュリーはエリックと踊りながら、二人は心の距離を次第に縮めていきました。そのパーティの途中、ネッドとアルファ・エリートの3人が天井からバンジージャンプを突然してきました。その中の一人は、パーティ会場の門に当たり、腕を折りました。これはネッドの考案で、許可を出したのはドゥーガン大佐でした。明らかな辞めたエリックへの嫌がらせでした。
ベスト・キッド4のネタバレあらすじ:8.「戦うときだ。…本当の力は内から沸いてくる」
エリックは時間通りにジェリーを家まで送り届けると、ネッドが突然、現れてエリックの車のガラスをバットで叩き割りました。ネッドはジュリーを家に残すと、単身、カタをつけ来ると言って、ネッドたちが待つ桟橋に行きました。エリックが桟橋に行くと、ドゥーガン大佐率いるネッドとアルファ・エリートの者たちが出てきました。エリックはネッドと一対一の堂々とした決闘を申し込みますが、ネッドにはそのつもりはありませんでした。エリックはネッドたち複数と対決することになり、彼らに袋叩きに合いました。エリックは半殺しになり、立てなくなりました。ドゥーガンは、部下たちにエリックに止めを刺せと命令しました。ネッドたちと部下は、ドゥーガンのそんな非情な命令に戸惑いました。そこに、ミヤギとジュリーが車で駆けつけました。ミヤギは傷だらけのエリックを連れて、警察に行こうとすると、ドゥーガンは「そいつはスピードを出し過ぎて交通事故を起こしたんだ」と見え透いた嘘を吐きました、ミヤギは「5対1の喧嘩を事故とは言わないぞ」と言い、帰ろうとしました。そこをネッドがジュリーにちょっかいをかけると、ジュリーは咄嗟に振り返り、戦う構えを見せました。ネッドは挑発しました。ジュリーは、師匠ミヤギに「戦わせて。今やらなければ、一生悔いが残る」とお願いしました。エリックは彼女の身を案じ、反対しましたが、ミヤギはエリックの意見を制し、「戦うときだ。忘れるな、本当の力は内から沸いてくる」と言い、彼女を送り出しました。ドゥーガンから「完全にぶちのめせ。手加減するな」と言われたネッドに、ジュリーは挑みました。ジュリーは修練した空手で、ネッドの攻撃をかわし、逆にネッドを突き、蹴りました。ネッドは苦し紛れに砂をかけて、ジュリーに目つぶしを加えました。目つぶしをくらったジュリーに、ミヤギは「心の目だ」と語りかけました。ジュリーは禅寺で修行したことを思い出しました。ネッドの攻撃をかわし、ジュリーは上段蹴りを彼にくらわし、彼を倒しました。
ベスト・キッド4の結末:9.エピローグ:「喧嘩はよくない。だが戦うときは勝て」
ドゥーガンは他の残った者たちへ、攻撃をするように命じましたが、非情な彼の命令にはネッドも誰ももう従いませんでした。そんな部下たちに制裁を加えようとするドゥーガンに、ミヤギは「もういい。止めんか!わしが相手だ」と言い、ミヤギはドゥーガンに挑みました。ミヤギはドゥーガンの攻撃をかわしては攻撃し、彼の攻撃を受け裁いては攻撃し、彼を戦意喪失の状態に追い込み、倒しました。エリックたちは、倒れたドゥーガンに「これが大佐の戦いですか!?」と言い、呆れ果て去っていきました。ミヤギの戦いを見たジュリーは感動しました。ミヤギはそんなジュリーに「喧嘩はよくない。だが戦うときは勝て」と言い、ウインクをしました。湖畔を生き生きと羽ばたき飛ぶ一羽のタカは、まるでミヤギ空手を通して心の目を開いたジュリーのようでした。
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