ザ・プレイス 運命の交差点の紹介:2017年イタリア映画。ローマのとあるカフェ「ザ・プレイス」に昼も夜も座っている謎の男。この男の元には、人生に迷った者たちが途切れることなく訪ねてくる。彼らが自分の願いを叶えるためには、男が告げることを行わなくてはいけない。全ての願望・欲望には他人の運命の代償が伴い、やがて9人の相談者たちの運命が交差していくことになる。カメラがカフェ以外を映すことはなく、緻密に練られたストーリーによるワンシチュエーションドラマとなっている。原作はアメリカの大ヒットドラマ『The Booth〜欲望を喰う男』。前作『おとなの事情』がイタリアの年間興行成績2位を記録したパオロ・ジェノヴェーゼ監督の最新作。前作と本作は繋がりがあり、次回作で三部作となる。2018年ダヴィッド・ドナテッロ賞7部門、イタリア批評家協会賞5部門にノミネートされた。
監督:パオロ・ジェノヴェーゼ 出演:ヴァレリオ・マスタンドレア(謎の男)、マルコ・ジャリーニ(エットレ)、アルバ・ロルヴァケル(修道女キアラ)、ヴィットリオ・プッチーニ(アッズッラ)、ロッコ・パパレオ(オドアクレ)、シルヴィオ・ムッチーノ(アレックス)、シルヴィア・ダミーコ(マルティーナ)、ヴィニーチョ・マルキオーニ(ルイージ)、アレッサンドロ・ボルギ(フルヴィオ)、サブリーナ・フェリッリ(アンジェラ)、ジュリア・ラッツァリーニ(マルチェラ婦人)ほか
映画「ザ・プレイス 運命の交差点」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザ・プレイス 運命の交差点」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ザ・プレイス 運命の交差点の予告編 動画
映画「ザ・プレイス 運命の交差点」解説
この解説記事には映画「ザ・プレイス 運命の交差点」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザ・プレイス 運命の交差点のネタバレあらすじ:起
ローマのビジネス街に佇むカフェ「ザ・プレイス」は常に客で賑わう繁盛店。その中で、店内の騒々しさをまるで気にする様子もなく、いつも奥まった同じテーブルに席を構えて一日中座っている謎の男がいました。彼の名前は誰も知りません。その男の元には入れ替わり立ち替わり人生に迷った相談者たちが訪れます。そして自らの願いや欲望を男に打ち明けていきます。
男は話を聞きながら、まるで調書を取るかのように黒革の厚い手帳へ記録し、相談者の話が終わるとノートを閉じ、口を開きます。男が相談者へ告げるのは課題。それも途方もない無理難題というべき課題を突きつけると「実行すれば望みは叶う」と言うのです。それを遠巻きに見ているカフェ店員のアンジェラは、会話こそ聞こえないものの、謎の男に興味を抱いている様子でした。
ザ・プレイス 運命の交差点のネタバレあらすじ:承
相談者たちがやってきます。女にだらしない息子を持つ刑事エットレは息子を更生させる代償として女性からの被害届をもみ消せと指示されます。アルツハイマーの夫を治したい老婦人マルチェラには人が多く集まる場所に爆弾を仕掛けるよう伝え、癌を患った息子を救いたいと願うルイージには幼い少女を殺せ、神の存在を感じることができなくなった修道女キアラには妊娠せよと。
さらには、美人になりたいマルティーナには強盗を、彼女の恋人アレックスには父親から自由になりたいならマルティーナの強盗を手伝うように伝え、ピンナップガールと一晩関係を持ちたいオドアクレには見知らぬ少女を救え、盲目の男フルヴィオには視力と引き換えに女を犯せ、夫に相手にされなくなったアッズッラには別のカップルを破局させろと。
どれもこれも難しいことばかりですが、謎の男は言います。「やらなくてもいい。決めるのは自分」と。相談に訪れた9名は、自らの願いを叶えるため、ひたすら課題を果たそうとしていきます。
ザ・プレイス 運命の交差点のネタバレあらすじ:転
修道女キアラが再び男の元へやってきました。信仰心を取り戻すために声をかけた男性は盲目の男性だったと言うのです。そのあとに訪れた盲目のフルヴィオも修道女と出会った話を始めます。キアラに惹かれているフルヴィオは視力を取り戻すために課せられた、女を犯すということに気乗りすることができずにいました。2人はグリーンアップルというお店で近々ディナーをすることになっています。しかしグリーンアップルはマルチェラ婦人がアルツハイマーの夫のために爆弾を仕掛けようとしていたお店でした。
一方、息子の病を治すために殺害する少女を見つけたルイージは、少女の住所が書かれたメモを男に渡します。男はそのメモをピンナップガールとの関係を持ちたがっているオドアクレに渡し、この少女を守るのが条件だと伝えました。早速実行に取り掛かったルイージでしたが、オドアクレの邪魔が入り失敗。オドアクレは次第に使命感から、少女を誘拐してしまいます。
マルティーナは自らの美貌のため恋人アレックスと行った強盗に失敗してしまい、怪我まで追ってしまいました。アレックスはマルティーナの大切さに気づき、彼女の欲望を無くさせる代わりに憎き父親に愛を伝えることを言い渡されます。彼は刑事エットレの息子でした。夫の関心を引くために別のカップルを破滅に追い込んだアッズッラはあざだらけで男の前に現れました。夫との関係が修復できたことに喜んだのも束の間、嫉妬からDVに遭っていたのでした。こうして9名の運命が次第に交わっていきます。
ザ・プレイス 運命の交差点の結末
夫のDVによりアッズッラは亡くなりました。被害届は刑事エットレによってもみ消されてしまったからです。これを機にエットレは吹っ切れたように自首し男と決別します。男はノートのエットレのことが書かれていたページを破ると火を付け燃やしました。
後日、拘留されたエットレの面会に来た息子アレックスは心から父親を心配し、親子の絆を取り戻し始めます。修道女キアラはフルヴィオとの子供を授かり、望みが叶ったとカフェから去りました。ルイージは誘拐された少女を見つけ殺害しようと試みますが、ふと息子を思い出し踏みとどまりました。
オドアクレはルイージに誤って刺されてしまい命を落としますが、不思議なことにルイージの息子の癌が消えるという奇跡が起こりました。爆破に躊躇していたマルチェラ婦人はこの店に爆弾を仕掛けると晴れやかに言います。罪人が生きてはいけない。「夫が昔の姿に戻れたとしても、目の前にいるのは昔から変わってしまった自分だ」と。
閉店後の店内。アンジェラはうとうとしていた男に声をかけます。珍しく男から口を開き「疲れた」と本音を打ち明けました。アンジェラは男からノートを取り上げるとペンを走らせ何か書き始めます。夜が明け、誰もいなくなった店内。テーブルにはノートから破かれた紙切れが燃えていたのでした。
以上、映画「ザ・プレイス 運命の交差点」のあらすじと結末でした。
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