さらばバルデスの紹介:1973年アメリカ,フランス,イタリア映画。『大脱走』(1963年)で手を組んだジョン・スタージェス監督とチャールズ・ブロンソンが再び組んで贈るマカロニウエスタンです。西部開拓時代も終わりに近づいた1880年代のニューメキシコを舞台に、白人と先住民の混血児である孤独な牧場主と近代的な地元有力者の戦いを一人の少年の視点から描きます。
監督:ジョン・スタージェス 出演者:チャールズ・ブロンソン(チノ・バンデス)、ヴィンセント・ヴァン・パタン(ジェイミー・ワグナー)、ジル・アイアランド(キャサリン・マラル)、マルセル・ボズフィ(マラル)、ファウスト・トッツィ(クルス)、エットーレ・マニ(保安官)、フロレンシオ・アマリラ(リトル・ベア)ほか
映画「さらばバルデス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「さらばバルデス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
さらばバルデスの予告編 動画
映画「さらばバルデス」解説
この解説記事には映画「さらばバルデス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
さらばバルデスのネタバレあらすじ:起
西部開拓時代も終わりに差し掛かっていた頃の1880年代のニューメキシコ。孤独な少年ジェイミー・ワグナー(ヴィンセント・ヴァン・パタン)は、一人馬に乗ってあてもない旅を続けていました。
やがて日も暮れかけ、ジェイミーは荒野の彼方に一軒家を見つけて上がり込みました。そこでは寡黙な男チノ・バルデス(チャールズ・ブロンソン)が一人で暮らしており、ジェイミーは一晩泊めさせてもらうことにしました。
バルデスはこの地で野生馬を放牧している牧場主であり、バルデスと意気投合したジェイミーは住み込みで放牧を手伝うことにしました。
ある日、バルデスとジェイミーは近くの町に馬を売りに行きました。商談は成立したものの、白人と先住民の混血児であるバルデスは、町のカウボーイからそのことを理由に喧嘩を売られ、思わず相手を殴り倒してしまいました。
そこに地元の有力者で大地主のマラル(マルセル・ボズフィ)が妹のキャサリン(ジル・アイアランド)を伴って馬車で現れ、バルデスたちの喧嘩を一度は仲裁しました。しかし、マラルたちが去った後、酒場で飲もうとしたバルデスは、またしてもカウボーイたちと乱闘騒ぎを起こしてしまいました。
さらばバルデスのネタバレあらすじ:承
町の人々から不当な差別を受けているバルデスを助けてあげられなかったことに気落ちしたジェイミーは、荷物をまとめて牧場から立ち去ろうとしました。バルデスは出ていく前に馬の面倒を見てくれとジェイミーに頼み、雄大な自然の中で逞しく生きる野生馬の群れに勇気づけられたジェイミーは思い直してこの地に留まることにしました。
ところがその時、バルデスとジェイミーは出産したばかりの母馬が怪我をしているのを発見、子馬を自宅に連れ帰って面倒を見ました。バルデスは母馬が傷ついたのはマラルが設置した有刺鉄線の柵によるものだと気付き、単身マラル邸に乗り込んで抗議しましたが、マラルは測量の結果この土地は自分のものだと主張して一歩も譲りませんでした。
その場にいたキャサリンは帰ろうとしたバルデスを呼び止め、ぜひとも馬を見せてほしいと頼み込みました。あまり乗り気ではないバルデスは、使用人のクルス(ファウスト・トッツィ)を伴って牧場を訪れたキャサリンを追い返してしまいますが、キャサリンは野性味のあるバルデスに惹かれ始めていました。
次の日もキャサリンはバルデスの牧場を訪れ、バルデスに馬の乗り方を教えてもらいました。やがてバルデスとキャサリンは次第に打ち解けあっていき、愛し合うようになっていきました。
さらばバルデスのネタバレあらすじ:転
そんなある日、バルデスの牧場にマラルが現れました。混血嫌いのマラルはバルデスにキャサリンから手を引けと迫り、さもなくば牧場を取り上げると脅しました。思い悩んだバルデスはジェイミーを連れて旅に出、バルデスの親友である酋長リトル・ベア(フロレンシオ・アマリラ)率いる先住民の集落に身を寄せることにしました。
先住民の歓迎を受けるバルデスとジェイミーでしたが、ジェイミーは中々先住民たちと打ち解けあえずにいました。それでもジェイミーは集落の少女(メリッサ・キメンティ)と心を通わせ合いますが、未だにキャサリンを忘れられないバルデスは、どこか浮かない表情をしていました。
クリスマスが近づいた数日後、バルデスはクリスマスツリー用の木を持ってジェイミーと共に牧場へと戻りました。そしてクリスマスの夜、バルデスは町でマラルの目を盗んで密かにキャサリンと再会、彼女に結婚を申し入れました。
ところがその場にマラルの手下たちが現れ、バルデスは手下たちと乱闘となりました。保安官(エットーレ・マニ)の仲裁でその場は収まり、牧場に戻ったバルデスは、クリスマスツリーを用意していたジェイミーにキャサリンと結婚することを伝えました。
さらばバルデスの結末
その頃、キャサリンはウェディングドレスをまとって教会でバルデスを待っていましたが、現れたのはマラルでした。マラルはキャサリンにバルデスと別れるよう迫り、さもなくばバルデスを殺すと脅しました。
バルデスはスーツを着て教会に向かいましたが、マラルの手下たちに捕まってしまい、吊るし上げられて鞭で打たれました。ジェイミーは傷ついたバルデスをリトル・ベアの集落へ連れて行き、やがて傷の癒えたばるですはジェイミーと共に牧場に戻りました。
ところが、ジェイミーが可愛がっていた子馬が殺されてしまい、バルデスはジェイミーに旅支度をするよう促すとライフルを手にマラルの手下たちを1人ずつ撃ち殺していきました。
そしてバルデスは馬の群れに威嚇発砲して野に逃がし、マラルにこの土地から離れることを告げました。マラルは手下を制してバルデスを見逃すことにしました。
牧場に戻ったバルデスは全ての馬を放し、ジェイミーに1頭の馬を託すと「お前にはお前の人生がある」と別れを告げました。そしてバルデスは家に油を撒いて火を放ち、バルデスとジェイミーはそれぞれ新天地を求めて別々の道へと旅立っていきました。
以上、映画「さらばバルデス」のあらすじと結末でした。
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