ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海の紹介:2016年中国映画。1937年上海。この街を牛耳るマフィアのルーは財力や暴力で今の地位を維持していた。ルーの妹の夫ワタベは日本人だが、上海暮らしが長くルーの良き参謀だった。ある日、日本の実業家から持ち掛けられた商談にワタベは危険だと忠告。ルーはワタベの助言通り丁重にその話を断ったが、商談相手はルーを暗殺することを計画する。一方、華やかな社交界では上海マフィア界を牛耳るボスの妻リューらが好き勝手に派手な生活を送っていた。時代背景を織り込み、時代に飲み込まれていく上海の闇社会を生きる人々の無情を描く。
監督:チェン・アル 出演:グォ・ヨウ(ルー)、チャン・ツィイー(シャオ・リュー)、浅野忠信(ワタベ)、ドゥ・チュン(殺し屋)、ジリアン・チョン(シャオ・ウー)、ニー・ダーホン(ワン会長)、フォ・シーイェン(娼婦)、チャオ・バオガン(シュウ)、ユアン・チュアン(ウー)、ヤン・ニー(ワン家政婦)、ハン・グン(チャオ)、ドゥー・ジアン(組員)、松峰莉璃(ワタベの妻)、チョン・ハンリャン(ダンス講師)、マー・シャオウェイ(チョウ)ほか
映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海の予告編 動画
映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海」解説
この解説記事には映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ワンスアポンアタイムイン上海のネタバレあらすじ:起
1937年、上海。日本軍による中国侵攻がはじまろうとしていました。
西洋と東洋の文化が混じるこの街では、裏社会最大勢力の会長、ワンの右腕であるルーが、知力と財力、そして時には容赦ない暴力で確固たる地位を築いていました。
ルーの義弟であり日本人のワタベは、上海に長く住み自らを上海人と称していました。彼は表向きには日本料理店を営み、裏ではルーの良き参謀として信頼を得ていました。
会長ワンの妻リューは奔放で派手な生活を送る女優で、ダンス講師や映画スターのチャオと関係を持つなど、ワンの頭痛の種でした。
そんな彼女を見かねたワンはルーに自らの妻を上海から追放するよう命じ、ルーより移送役を仰せつかったワタベはリューを乗せて車を出しました。
ところが、突然ワタベは車を停めるよう運転手に指示しました。ひと気のない郊外でした。ワタベは運転手を射殺すると、その場でリューをレイプしました。
ことが終わったワタベに銃を向けたリューでしたが、引き金を引くことはできず、代わりに差し出したのは自らのハンカチでした。ワタベはそのハンカチで運転手の血痕をふき取ると、ルーに背き密にリューを料理店へと連れ、地下室に幽閉。それ以来、ワタベの欲望に黙ってリューが従うという奇妙な関係が始まりました。
ワンスアポンアタイムイン上海のネタバレあらすじ:承
ある日、日本の実業家を名乗る男がルーに商談を持ち込んできました。ルーと共同で銀行を設立したいとのこと。しかしワタベは「日本人とのビジネスは危険」とルーに忠告。ルーも実業家が会合の場に軍人を引き連れてきたことに不信を抱き、彼らの申し出を丁寧に断りました。
ところが、この商談をどうしても成立させたい日本側は、この話に興味を示した有力マフィアでルーの座を狙うチョウと手を組みことに。さらにはルー暗殺を企てました。
最初の犠牲者はルーの家政婦でした。
それが日本側の仕業だと気づいたルーは、ワタベの料理店に彼らを呼び出し報復しようとします。しかし裏切ったチョウに逆に殺されそうになりました。
日本側はルーの部下や妹らを銃撃し皆殺しにしました。ワタベは実業家の脚を撃ちルーを逃がしましたが、同時に敵に撃たれて倒れました。
ルーは唯一生き残ったワタベの息子たちを連れて、殺し屋の運転手を伴い香港へと逃れました。
ワンスアポンアタイムイン上海のネタバレあらすじ:転
時は過ぎ、ルーは新聞で過去に実業家から話を持ち掛けられていた銀行が設立されたことを知りました。自分に代わって上海を牛耳る裏切り者のチョウを生かすわけにはいかない。そう考えたルーはかつての愛人シャオ・ウーにチョウ殺害を依頼し、援護に殺し屋の運転手を向かわせました。
駅でチョウを待ち伏せする2人。
シャオ・ウーは犠牲になってしまいましたが、運転手によりチョウは殺されました。
ほどなくすると香港にも日本軍が迫ってきました。ルーは映画女優だったウーとこの地を去ろうとしますが、そんな折、図らずもワタベがまだ生きていることに気がついてしまいます。
ワタベは日本軍のスパイだったのでした。
実業家たちの企てたルー暗殺計画にひと芝居打ち、料理店で襲撃された日、ワタベは防弾具を身につけていたのでした。しかし、ワタベはルーを撃つことができませんでした。
ワンスアポンアタイムイン上海の結末
その後、日本の戦況は悪化。ワタベは最前線に送られることになりました。
監禁していたリューを解放し、戦地へと向かいました。
日本軍の負けが見えたころ、ワタベは多くの犠牲を前に自分がいまだ生きていることを嘆きました。しかし残してきた2人の息子たちと横浜で穏やかに暮らしたいと考えなおし、投降することを決意しました。
1945年、戦争は終わりました。
上海に戻ってきたルーは精神病院に入れられていたリューを見つけます。さらにはワタベがフィリピンで捕虜になっていることを知り、リューと共に収容所へと向かいました。
長きにわたった奇縁が再び2人を引き合わせました。
面会室で穏やかに口述書を求めるルーでしたが、ワタベは唾を吐きました。
ルーは窓の外を指さしました。その先には2人の息子とリューの姿が。それでもワタベは、ルーが息子たちを殺さない確信がありました。
「長くあんたを見てきた俺には分かる」
そう言い、ワタベが再び口述書を拒絶した瞬間、銃声が轟きました。
運転手が放った弾は長男の頭を射抜きました。
ワタベは口述書を書き終えると、すぐさま次男のほうへと掛け寄りました。
息子をリューから引き離すと、走って日本軍のもとへ行くよう逃がしました。
その次の瞬間。
リューがワタベに向かって銃を放ちました。
ワタベは長男の隣に倒れ、二度と起き上がることはありませんでした。
以上、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海」のあらすじと結末でした。
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