大脱獄の紹介:1970年アメリカ映画。『俺たちに明日はない』の脚本を手がけたデヴィッド・ニューマンとロバート・ベントンが脚本を手がけ、カーク・ダグラスとヘンリー・フォンダがダブル主演を務めたコメディ西部劇です。西部開拓時代のアリゾナの刑務所を舞台に、犯罪者たちの脱獄劇をユーモラスに描いていきます。
監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ 出演者:カーク・ダグラス(パリス・ピットマン・Jr)、ヘンリー・フォンダ(ウッドワード・ロープマン)、ジョン・ランドルフ(クラウス・マックナット)、アーサー・オコンネル(Mr.ロマックス)、リー・グラント(ビューイ夫人)、ヒューム・クローニン(ダドレー・ウィナー)、バージェス・メレディス(ミズーリ・キッド)、マイケル・ブロジェット(コーイ・カベンディッシュ)ほか
映画「大脱獄 (1970年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「大脱獄 (1970年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
大脱獄の予告編 動画
映画「大脱獄 (1970年)」解説
この解説記事には映画「大脱獄 (1970年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
大脱獄のネタバレあらすじ:起
西部開拓時代後期のアメリカ・アリゾナ地方刑務所は一度入ったら二度と出られないという犯罪者たちから恐れられている刑務所でした。この刑務所には金持ちから大金50万ドルを奪ったうえに仲間を殺して金を独り占めにしようとしたクセ者のパリス・ピットマン・Jr(カーク・ダグラス)、丸腰の保安官ウッドワード・ロープマン(ヘンリー・フォンダ)に銃撃して引退に追い込んだ卑劣漢フロイド(ウォーレン・オーツ)、詐欺の常習犯ダドレー・ウィナー(ヒューム・クローニン)など、強盗や詐欺などの罪を犯した数多くのならず者たちが収容されていました。
そんなある日、不運な殺人罪で死刑判決を受けた17歳の少年コーイ・カベンディッシュ(マイケル・ブロジェット)が囚人の中でも一際伝説的な存在として語り継がれていた元列車強盗の老人ミズーリ・キッド(バージェス・メレディス)の房に収監されました。コーイは自分の命を狙ってきた男から身を守るためにビリヤードのボールを投げたところ男の頭に命中、打ちどころが悪かったことから男を死なせてしまい、殺人罪に問われてしまったのです。
一方、パリスは刑務所から脱獄してある場所に隠している50万ドルを回収、いずこへと高飛びする計画を立てていました。パリスは刑務所の内情に詳しいキッドに協力を求めましたが、返ってきた答えは脱獄は非常に困難ということでした。
大脱獄のネタバレあらすじ:承
新入りの囚人たちと共に石切場の重労働を課せられたパリスは、刑務所内の劣悪な環境や古参の囚人からの理不尽な暴力にも耐え続け、持ち前の明るさで脱獄の機会を待ち続けていました。
そんなある日、パリスは刑務所所長に呼び出され、パリスが隠した金の山分けと引き換えに脱獄を手助けすると持ちかけられました。パリスはこの所長が囚人たちにパリスを襲わせて金の隠し場所を吐かせようとしていたことを見抜き、金を独り占めしたいこともあって申し出を断ったところ独房に入れられてしまいます。その直後、刑務所で待遇に不満を持つ囚人たちが暴動を起こし、所長は殺害されてしまいます。
直後に赴任した新たな所長は何とフロイドの因縁の相手だったロープマンでした。フロイドはまさかの事態に戦々恐々としますが、ロープマンは意に介さず、まずはこの刑務所の劣悪な環境の改善に乗り出していきました。ロープマンは囚人たちの様子を一人ひとりずつ確認していき、風呂や食堂の整備に着手しました。ロープマンに近づいたパリスは前所長の時とは逆に自分から50万ドルの件をちらつかせて脱獄に協力させようとしましたが、ロープマンは断りました。
大脱獄のネタバレあらすじ:転
何としても脱獄したいパリスは他の囚人たちにも50万ドルの存在を明かし、脱獄への協力を呼びかけました。一方、ロープマンはダドレーに絵の才能があることに気づき、新設する食堂に飾る絵を描かせることにしましたが、こともあろうに絵を描くためのペンキは爆薬庫に置かれており、ダドレー自身もまたロープマンの信用を勝ち得ていたので特に不信感を抱かれることもなく爆薬庫に出入りすることが可能となりました。パリスはこれを良いことに、脱獄計画に爆薬を使うことを思いつき、キッドら囚人たちもパリスに協力することになりました。
パリスや囚人たちはロープマンに気付かれぬよう着々と脱獄の準備を進めていき、決行は新食堂の開業セレモニーの日と決まりました。決行前日、パリスはロープマンに呼び出され、翌日のセレモニーでのスピーチを依頼しました。しかし、パリスは死刑執行の日が近づくコーイの助命を嘆願、ロープマンは何度も情状酌量を求めたものの却下されたことを告げると、パリスは「俺は最低だ。あんたもな」と吐き捨てて去っていきました。
そして遂に食堂開きの日、そして脱獄計画決行の日がやってきました。まず招待されたアリゾナ州の役人たちがスピーチを行い、それが終わると突然パリスが昨日とは一転して自らスピーチしたいと申し出ました。ロープマンはこれを許可しますが、このスピーチこそが念入りに計画されていた脱獄計画の実行の合図でした。
大脱獄の結末
パリスはスピーチの最中に突然騒ぎを起こし、これを合図に囚人たちが一斉蜂起して暴れ出しました。そしてあらかじめ食堂の壁に仕掛けておいたダイナマイトが次々と爆発、囚人たちは壁に空いた大きな穴から一斉に逃げ出しました。刑務所側もすぐさま反撃に転じ、真っ先に逃げようとしたコーイは待ち構えていた刑務官らによって射殺されました。
パリスはフロイドたちと共に何とか石切り場まで逃げおおせましたが、そこにはロープマンが待ち構えていました。壮絶な死闘の末にロープマンはパリスの仲間たちに失神させられますが、最初からフロイドのことを信用していなかったパリスはフロイドを射殺、ロープマンにとどめを刺すこともなく馬に乗ってただ一人だけ晴れて自由の身となりました。刑務所には脱獄を果たせなかったキッドたちが残されました。
一人砂漠を逃げ延びたパリスは未亡人のバラード夫人(リー・グラント)の牧場で馬を乗り換え、大金を隠していたガラガラヘビの巣まで辿り着きました。パリスは次々とヘビを殺していき、ようやく大金を手にしようとしたその時、ただ1匹だけ残っていたヘビの毒牙に噛まれて命を落としました。
執念の捜索でようやくパリスを見つけ出したロープマンは彼の死体を馬に括り付け、その馬を刑務所に戻しましたが、自分は刑務所に戻ることはありませんでした。ロープマンの馬にはパリスが隠していた50万ドルが載せられており、ロープマンはニヤリと笑みを浮かべながら国境を越えてメキシコに渡っていきました。
以上、映画「大脱獄」のあらすじと結末でした。
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