リトル・ストライカーの紹介:2000年イギリス, フランス映画。気弱なサッカー少年が「魔法の靴」を手に入れ、目覚しい快進撃を繰り広げるスポーツ・ドラマ。高校生のジミーは非凡なサッカーの才能を磨いていたが、不安症のため人前に出ると全く実力が発揮出来ずにいた。小柄で気弱なジミーは格好のいじめの標的であり、母ドナは新しい恋人に夢中で気付いてもくれず、ジミーの灰色の日々は続いていく。そんなある日、ジミーはホームレスの老女から古いサッカーシューズを貰った。そのシューズを履いた途端、ジミーは試合でも大活躍し、チームメイトからも認められていく。老女はそのシューズを、かつてマンチェスター・シティでプレーしていた選手ロビー・ブルーワーの「魔法の靴」だと言った。しかしシティの熱烈なサポーターであるジミーもその選手を知らない。果たしてロビー・ブルーワーとは何者なのか、そして「魔法の靴」の正体は?
監督:ジョン・ヘイ 出演者:ルイス・マッケンジー(ジミー・グリンブル)、ロバート・カーライル(エリック・ウィラル)、ジーナ・マッキー(ドナ)、ベン・ミラー(ジョニー)、ジェーン・ラポテア(アリス・ブルーワー)ほか
映画「リトル・ストライカー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「リトル・ストライカー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「リトル・ストライカー」解説
この解説記事には映画「リトル・ストライカー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
リトル・ストライカーのネタバレあらすじ:気弱なサッカー少年
舞台は現代のイギリス、マンチェスター。高校生のジミー・グリンブルは、非凡なサッカーの才能を日々磨いていました。しかしジミーは不安症で、人前に出ると本来の実力を全く発揮出来ません。小柄で気弱、しかもマンチェスター・ユナイテッドのサポーターだらけの学校でマンチェスター・シティを応援しているジミーは、格好のいじめの的でした。
ジミーの悲しみや悔しさを受け止めてくれるはずの母ドナは、新しい恋人ジョニーに夢中で気付いてもくれません。ジミーは軽薄なジョニーを嫌っていました。そんなある日、ジミーはスクール杯の選考会に参加します。選考会にはジミーをいじめる主犯格ゴードン・バーリーもいました。
ゴードンは確かにサッカーが上手でしたが、元プロサッカー選手で裕福な父親の権威を借りてやりたい放題です。コーチを務めるエリック・ウィラルは横柄なゴードンをチームから外そうとしますが、ゴードンの父親に体育館建設の出資を頼んでいる校長に止められてしまいました。
権力に楯突くほどの勇気も気力も無いウィラルはそのまま引き下がります。選考会でもジミーは相変わらず実力を発揮出来ませんでしたが、何とかチームに残ることは出来ました。
リトル・ストライカーのネタバレあらすじ:魔法の靴
そんな中、帰宅途中にまたゴードン達に絡まれたジミーは、逃げた先でホームレスの老女に声をかけられます。彼女は取り壊される寸前の住宅地下に潜んでおり、ジミーを匿ってくれました。ジミーがいつも1人でサッカーの練習をしていることを知っていた老女は、古いサッカーシューズを贈ります。
彼女は魔法の靴だと言いましたが、胡散臭いと思ったジミーは帰り道で捨ててしまいました。自宅アパートに到着すると、ドアの前に男性が立っています。彼の名前はハリー、ドナの元恋人です。ジミーはハリーのことが好きでした。彼はジミーにもドナにも優しく、よくサッカー観戦に連れて行ってくれました。
ハリーはスタジアムで40年欠かさずプログラムを売っている盲目の男性ボブに毎回声をかけています。しかしハリーには問題がありました。彼は既婚者だったのです。真実を知ったドナは傷つき、ハリーと別れました。ハリーはドナに未練がありましたが、ドナにもジミーにも拒絶され、肩を落として帰って行きます。
そしてジミー達の初試合がやって来ました。相手はラフプレーで有名な高校です。ゴードンにサッカーシューズを捨てられてしまったジミーは、老女から貰った魔法の靴を拾って履くことにしました。試合は乱闘状態になり、震え上がったジミーは渾身のロングシュートを放ちます。するとボールは相手ゴールを見事揺らしました。チームメイトは歓声を上げてジミーを称えました。
試合に勝利したジミーは老女のもとへ行き、本当に魔法の靴だったと報告します。老女は、この靴はかつてシティでプレーしていた選手ロビー・ブルーワーの物だと言いました。しかしシティの熱心なサポーターであるジミーも、ブルーワーという選手は知りません。それからジミーは、ブルーワーについて調べてみることにしました。
リトル・ストライカーのネタバレあらすじ:ジミーの快進撃
ジミーには気になっている少女がいました。転校生のサラです。彼女は意地悪な同級生に絡まれても、鉄拳制裁を加えて追い払うほど肝の据わった少女でした。サラもジミーを気に入り、一緒にブルーワー探しを手伝ってくれます。しかしゴードンにサラとの関係をからかわれたジミーは何も言い返せず、それ以来彼女と上手く話せなくなってしまいました。
1人でブルーワーを探すジミーは、色々と聞いて回る内にシティに詳しいという人物の家を教えて貰います。訪ねてみると、住んでいたのはウィラルでした。実は、彼は昔シティで活躍していたプロ選手だったのです。過去に何かあったらしく、今はサッカーにも情熱を注げないでいるようでした。
ジミーはウィラルにブルーワーのことを聞いてみましたが、知らないと言われます。ジミーはウィラルの経歴を知り彼を見直しました。他のチームメイト達も、ウィラルが元プロ選手だと知ると素直に指示に従うようになります。
ウィラルの指揮と、魔法の靴を履いたジミーの活躍で、チームはどんどんトーナメントを勝ち進んでいきました。チームメイトもジミーを認め始めますが、ゴードンは面白くない様子です。そしてついに、チームはスタジアムで行われる決勝戦へ駒を進めました。
リトル・ストライカーのネタバレあらすじ:相次ぐ不運
決勝戦前日の夜、ジミーは老女を訪ねブルーワーのことを聞きます。彼女は昔ブルーワーに嘘を吐いたと話しました。ブルーワーは病気を患っていましたが、老女は彼のことを想って伝えずにいたのです。しかし真実を知ったブルーワーは憤り、それから連絡が途絶えてしまったそうです。時には真実より嘘を吐く方が良いと話す老女。ジミーはよく分からないまま頷き、老女を明日の決勝戦へ誘いました。
ところが翌朝、ジミーが老女を迎えに行くと、住宅が取り壊されている最中でした。ジミーは慌てて作業員に老女の存在を教え、彼女を探します。見つかった老女は、外で凍死していました。ジミーは強いショックを受けたままスタジアムへ向かいます。
校長はゴードンの父親からの圧力に屈し、ジミーをベンチに下げようとしました。しかしチームメイトが反発し、その目論見は失敗します。面白くないゴードンは、隙を突いてジミーの魔法の靴を捨ててしまいました。ウィラルは仕方なく、スタジアムのショップで新しい靴を買ってやります。
高額な靴をプレゼントされてもジミーは落ち込んだままでした。老女も魔法の靴も失い、肩を落とすジミーのもとへドナがやって来ます。彼女はジョニーと別れたことを告げましたが、ジミーの心は晴れませんでした。
リトル・ストライカーの結末:魔法の正体
ジミーは不安を抱えたまま決勝戦に臨みますが、案の定全く活躍出来ず、それどころかミスを連発する始末。前半を終えコートを出ると、ウィラルとハリーがジミーを励ましました。小柄なウィラルは、大柄な選手と対決する時勇気が必要だったと話します。そして次第に酒を呑むことでしか勇気を得られなくなり、それが原因で対戦相手を再起不能にしてしまいました。
ウィラルの過去を知ったジミーは、魔法の靴はサッカーだけではなく生きる自信もくれていたのだと訴えます。魔法の靴がブルーワーの持ち物だったと聞くと、思いがけずハリーが反応しました。ハリーがジミーを急いで連れて行ったのは、パンフレット売りのボブ・ブルーワーのところです。
ジミーがずっと探していたロビー・ブルーワーとは、彼のことだったのです。ボブは老女の息子で、病気で失明していました。ボブは病気のことを黙っていた母親に反発し縁を切っていましたが、後にストレスで悪化する病気と知り、母の優しい嘘に気付いたと話します。魔法の靴は、昔老女がボブに贈ろうとして買っていたものでした。
魔法など存在しなかったと知ったジミーは、これまでの活躍が全て自分の実力だったことに気付きます。自信を取り戻したジミーは後半戦で大活躍し、チームは見事逆転優勝を果たしました。試合終了後、ジミーはユナイテッドのスカウトマンに声をかけられますが断ります。
実は、既にシティからスカウトを受けていたのです。スカウトマンに相手にされなかったゴードンは情けない声で父親に泣きつきました。ジミーは応援に来ていたサラとキスを交わします。ハリーは離婚し、ドナと結婚することになりました。幸福の中ジミーが微笑み、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「リトル・ストライカー」のあらすじと結末でした。
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