きっと ここが帰る場所の紹介:2011年イタリア,フランス,アイルランド映画。傷ついた心を抱える元ロックスターの男。疎遠のまま死去した父親の秘密を知ったことで、過去を探し求める旅に出る。本人役で出演しているデヴィッド・バーン率いるトーキング・ヘッズの名曲「This Must Be The Place」が原題となっている。フランシス・マクドーマンドやハリー・ディーン・スタントンなどの名優をはじめ、U2のボノの娘イヴ・ヒューソンがロック少女役で出演していることも話題となった。笑いの中にも切なさ溢れるロードムービー。
監督:パオロ・ソレンティーノ 出演者:ショーン・ペン(シャイアン)、フランシス・マクドーマンド(ジェーン)、イヴ・ヒューソン(メアリー)、ジャド・ハーシュ(モーデカイ・ミドラー)、ハインツ・リーフェン(アロイス・ランゲ)、ケリー・コンドン(レイチェル)、ハリー・ディーン・スタントン(ロバート・プラス)ほか
映画「きっと ここが帰る場所」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「きっと ここが帰る場所」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
きっと ここが帰る場所の予告編 動画
映画「きっと ここが帰る場所」解説
この解説記事には映画「きっと ここが帰る場所」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
きっと ここが帰る場所のネタバレあらすじ:起
80年代にロック・バンドで一世を風靡し、ミック・ジャガーとも共演したことがあるシャイアン。中年となった今は、結婚35年の妻ジェーンと共にダブリンの豪邸で隠居生活を送っていました。人づきあいを好まないシャイアンの友人は、女好きのジェフリーと、十代のゴス少女メアリーだけ。メアリーの兄トニーは家を出て行方不明で、息子を案じる母親は精神を病んでいます。シャイアンもまた心に傷がありました。全盛期、暗い歌ばかり歌っていた彼に影響を受けた若者達が自ら命を絶ったのです。シャイアンは毎週彼らの墓参りに行きますが、遺族から来るなと追い返されます。今でもMTVから出演依頼があったり、若いミュージシャンからプロデュースしてほしいとデモテープを渡されたりするシャイアンですが、表舞台に戻る気は毛頭ありません。そんなある日のこと、故郷のアメリカにいる親戚から連絡が入ります。長年疎遠だった父親が危篤状態になっていたのです。
きっと ここが帰る場所のネタバレあらすじ:承
飛行機が苦手なシャイアンは、船でアメリカに向かいます。到着すると父親はすでに亡くなっていました。ニューヨークで昔のミュージシャン仲間デヴィッド・バーンと再会し、彼のアーティストぶりに感動するシャイアン。僕はアーティストじゃなくてポップ・スターだと、苦しみを吐きだします。父親の葬儀が終わると、従兄弟のリチャードがシャイアンにある秘密を話します。ホロコーストから生還したシャイアンの父親は、アウシュヴィッツの隊員アイロス・ランゲという男を恨み、ランゲの追跡に半生を捧げていました。リチャードはシャイアンに、残党狩りで有名な人物モーデカイ・ミドラーに依頼して、父親に代わってランゲを探すべきだと言うのでした。ミドラーに会ったシャイアンは、自分の力でランゲを探し出そうと決心。父親の残したノートから、ミシガン州に住むランゲの妻で歴史教師のドロシーを訪ねます。かつての生徒のふりをして彼女に近づきますが、ランゲの居所は不明。次にシャイアンはニューメキシコへ向かい、ランゲの孫娘レイチェルに近づきます。
きっと ここが帰る場所のネタバレあらすじ:転
レイチェルはシングルマザーで、ウェイトレスをしながら息子トミーを育てていました。レイチェルやトミーと親しくなったシャイアンは、彼らの家に泊めてもらいます。レイチェルもまた孤独な女性でした。シャイアンは、水が苦手で泳げないトミーのために業者を呼んで庭にプールを作ってやります。レイチェルはシャイアンに想いを寄せますが、シャイアンは何も言わずに家を後にします。ランゲを撃つつもりで銃を購入し、次に向かったのはユタ州でした。パブで知り合ったロバート・プラスという男から、ピーター・スミスというドイツ人を知っていると聞き、その人物こそランゲだと確信したシャイアン。プラスに教わったランゲの住処に行き、誰もいない家の中で帰りを待ちます。しかしランゲが戻る気配はなく、すでに他の場所へ逃亡していたということがわかります。
きっと ここが帰る場所の結末
シャイアンがモーテルに戻るとミドラーが待っていました。ミドラーは情報屋を雇い、すでにランゲの居所を突き止めていたのです。ミドラーと2人でその場所に向かい、ついにシャイアンは父親がランゲを恨み続けた理由を尋ねます。収容所で点呼の際、ランゲが父親にシェパードをけしかけようとして、それに怯えた父親は小便をもらしてしまった。ただそれだけのことだったのです。シャイアンは銃を仕舞い、ランゲを全裸にして寒い家の外に放り出すことで復讐を終えます。何かがふっきれたのか、ようやくジェーンのもとへ帰るシャイアン。派手なヘアスタイルやメイクをやめ、ごく普通の男性の格好でメアリーの家まで歩いていきます。家の窓に、トニーが戻るのを待っている悲しげなメアリーの母親の姿が見えます。ありのままの姿で微笑みかけるシャイアンを見て、彼女の顔にも笑顔が戻りました。
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