今日もまたかくてありなんの紹介:1959年日本映画。巨匠木下恵介の脚本・監督作。ささやかな暮しを送るサラリーマンの妻の目を通して、心に戦争の傷を抱えた元軍人の悲劇を描く。中村勘三郎が珍しく現代劇の主役を演じている。三國連太郎がゲスト出演。
監督:木下恵介 出演:高橋貞二(佐藤正一)、久我美子(佐藤保子)、中村勘九郎(佐藤一雄)、中村勘三郎(竹村周助)、藤間紫(竹村とも江)、夏川静江(保子の母)、田村高廣(森哲生)、小林トシ子(森春子)、五月女殊久(森肇)、小坂一也(森五郎)、藤美恵(紀子)、三國連太郎(赤田健三)、三井弘次(ヤクザ)、ほか
映画「今日もまたかくてありなん」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「今日もまたかくてありなん」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「今日もまたかくてありなん」解説
この解説記事には映画「今日もまたかくてありなん」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
今日もまたかくてありなんのネタバレあらすじ:起
佐藤正一は都内で働くサラリーマン。辻堂に一軒家を購入し、ローンの支払に苦労しています。家族は妻保子と一人息子の一雄。家計を助けるために保子は少しでも安い食材を買おうとあちこちの店を回っていました。
裕福とは言えませんが、安定した家庭です。初夏のある日、正一が「この家を貸さないか」と保子に提案します。部長が避暑用の別荘を探していて、ここがそれに適当なのです。
貸している間、正一は同僚の部屋に厄介になればいいし、保子と一雄は軽井沢の実家に帰省しておけばいい、というわけです。
今日もまたかくてありなんのネタバレあらすじ:承
ローンの返済もあって保子はそれを承諾し、実家に一時帰省します。
荒物屋と農業を兼ねた実家では母親、タクシー運転手である弟の哲生、工場勤めのもう1人の弟五郎などがいて、ささやかに暮しています。家にいる間、保子は店番をすることになりましたが、ある中年の男が小さな子供を連れてよく顔を見せます。
彼は近所の裕福な材木屋の離れに住んでいて、名前は竹村周助。士官学校を出たという元軍人で、世間話をするうちに保子は彼と親しくなります。
今日もまたかくてありなんのネタバレあらすじ:転
竹村は自分が指揮官として部下たちを全滅させてしまった罪悪感から逃れられず、世捨て人のようになっていました。妻のとも江は近所の旅館で働いているのですが、竹村が軍人年金まで断ったことで愛想を尽かし、ほとんど帰ってきません。
辛うじて竹村が生きているのは娘がいるからでした。そんな彼も、この夏軽井沢にやってきたゴロツキたちが色々と悪さをするのには憤慨します。
彼らは哲生に事故を起こさせ、材木屋の娘である紀子にもちょっかいをかけようとしました。彼女を好きな五郎はそのことで怪我をします。
今日もまたかくてありなんの結末
まもなく娘が疫痢に罹り、そのまま死亡。竹村が悲しみのうちに「娘はとも江の不義の子で、自分の実子ではない」と告白したことで、保子はその哀れさにさらに涙を流します。しかも彼はとも江と離婚していました。
やがて、とも江が食事を届けていたヤクザの別荘に軟禁状態となります。ヤクザの親分赤田が彼女を気に入って帰さないのです。それを知った竹村は持っていた軍人用の短刀を持ってその別荘に乗り込みます。そして銃で撃たれながらも赤田を刺殺し、自分も死亡します。
夏が終わり、保子と一雄は辻堂の家に戻りました。その軒先には竹村から預かった風鈴が形見のように揺れています。
以上、映画「今日もまたかくてありなん」のあらすじと結末でした。
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