THX-1138の紹介:1971年アメリカ映画。『スター・ウォーズ』シリーズの生みの親であるジョージ・ルーカスの監督デビュー作となるSFディストピア映画です。フランシス・フォード・コッポラが製作総指揮を務め、全ての人がコンピューターで管理される近未来を舞台に人間としての自由を追い求める主人公の苦悩と闘いを描きます。後にルーカスが設立した会社名や音響技術の「THX」も本作が由来です。
監督:ジョージ・ルーカス 出演者:ロバート・デュヴァル(THX-1138)、マギー・マコーミー(LUH-3417)、ドナルド・プレザンス(SEN-5241)、ドン・ペドロ・コリー(SRT)、マーシャル・エフロン(TWA)、シド・ヘイグ(NCH)、ジョン・ピアーズ(DWY)、ジェームス・ウィートン(OMM-0910)ほか
映画「THX-1138」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「THX-1138」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
THX-1138の予告編 動画
映画「THX-1138」解説
この解説記事には映画「THX-1138」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
THX-1138のネタバレあらすじ:起
コンピューターが全てを管理する25世紀。人々は名前ではなく番号で管理され、巨大な地下シェルター内の地下都市で暮らし、娯楽はおろか人間らしい感情さえも抑制される時代。人々は“神”が人間の形に作ったものとされ、国家に忠誠を誓っていました。
放射性物質の生産労働者であるTHX-1138(ロバート・デュヴァル)は、いつものように司令部から渡されている精神安定剤を飲むよう指示されていました。この精神安定剤は地下都市に住む全ての人間が服用するものでした。
ところが、この日は薬を飲んだTHX-1138は体調が優れず、集中力も減退するなど精神に変調をきたしていました。THX-1138はルームメイトの女性LUH-3417(マギー・マコーミー)から薬を渡されて飲みましたが、実はLUH-3417は密かに薬をすり替えていたのです。
この精神安定剤は、コンピューターが人々の感情や欲求を抑制するために人々に投与しているものであり、この世界では人口抑制との名目で、生まれてきた子供は人工的に育てられるため、LUH-3417はこれらの行為に疑問を抱いて行動を起こしたのです。
THX-1138のネタバレあらすじ:承
この世界では恋愛もタブーとされており、THX-1138は最初のうちはLUH-3417に対する感情を抑えてきたのですが、吐き気をもよおしたTHX-1138をLUH-3417が介抱しているうちに、二人の間には次第に恋愛感情が芽生えてきました。そしてTHX-1138とLUH-3417は、この世界ではタブーである肉体関係を結び、二人はこの行為は誰にも見られていないと確認し合いました。
その後、THX-1138は司令部のSEN-5241(ドナルド・プレゼンス)に会い、汗をかいていることから身体の変調を疑われました。SEN-5241は唐突にTHX-1138のルームメイトになりたいと言い出し、LUH-3417はTHX-1138が薬を再開すれば自分への感情も消えると言い、THX-1138は二人の意見に深く苦悩しました。
LUH-3417はTHX-1138と共に、人類が住めない環境とされている地上への脱出を考えていましたが、SEN-5241の密告により別の地区に移送されていきました。こうしてSEN-5241はTHX-1138のルームメイトとなり、ある日二人で公園に出かけました。
そこでは数人の子供たちが遊んでいたのですが、そのうちの一人が耳の後ろにつけられた学習装置に悩まされていました。この学習装置は勉強せずとも様々な知識が脳にインプットされるというものでしたが、見かねたSEN-5241が装置を付け直してあげると、自分が子供だった頃はこの装置はもっと大きなものだったことを思い出しました。
THX-1138のネタバレあらすじ:転
簡単な作業でミスして事故を起こしそうになったTHX-1138は病院送りとなり、薬物不使用によりロボット警察官に逮捕されました。その際、THX-1138はSEN-5241がコンピューターの指示に従わずに同室を執拗に求めてきたことの違法性を訴えました。
THX-1138は裁判にかけられ、コンピューター側は性愛の根源となるようなことは撲滅すべきだと言い、THX-1138を再起不能と判断して収容所送りとしました。様々なテストを受けさせられていたTHX-1138は、そこで先に収容されていたLUH-3417と再会を果たし、二人は全裸で抱き合って愛を確かめ合いましたが、すぐにロボット警察官によって引き離されてしまいました。
薬を投与され、無気力状態にさせられたTHX-1138は、そこで収容されていたSEN-5241と再会しました。THX-1138はSEN-5241を連れて収容所からの脱出を試み、途中で大男のSRT(ドン・ペドロ・コリー)と遭遇しました。THX-1138とSEN-5241は、SRTの案内で出口に向かいましたが、SEN-5241は人混みに紛れてTHX-1138やSRTとはぐれてしまいました。
THX-1138の結末
SRTはTHX-1138に自分の正体はホログラムであることを明かし、現実に憧れて幻影から抜け出したのだと語りました。その頃、SEN-5241はロボット警察官に逮捕され、指令センターはTHX-1138逮捕に14000クレジットを与えて追跡を開始させました。
指令センターのコンピューターにアクセスしたTHX-1138は、LUH-3417の現在の居場所を突き止めようとしましたが、LUH-3417は既に身籠っていたTHX-1138との胎児を摘出されたあげく“消滅”させられていたことを知りました。このコンピューターが狂っているかもしれないと言うTHX-1138に、SRTはこの世の中はおかしいと語りました。
THX-1138とSRTは車に乗って逃走しましたが、途中でSRTは事故を起こしてしまいました。時速400km近い猛スピードで逃走するTHX-1138。ロボット警官はTHX-1138を逮捕した際の利益と追跡にかかるコストを計算しながら追跡を続けました。そして車を捨てて逃げるTHX-1138はシェルターの出口にあと一歩と近づきましたが、ロボット警官2名がすぐそこまで迫っていました。
ところが、逮捕コストが予算をオーバーしたため、ロボット警官はTHX-1138の逮捕を断念しました。ロボット警官は最後のチャンスとして、人類はシェルターの外では生きていけないと警告しましたが、THX-1138は警告を無視してシェルターの外に出て、地平線に沈む夕陽と鳥が飛んでいく光景をたたずんで眺めていました。
以上、映画「THX-1138」のあらすじと結末でした。
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