ぼくを葬る(おくる)の紹介:2005年フランス映画。31歳の男性フォトグラファーが余命三カ月と宣告され自分自身を静かに見つめていく物語。ゲイであること、家族、恋人などと向き合い奔放されながら彼は生きていきます。フランソワ・オゾンが死をテーマに作った映画三部作の内の一本です。
監督:フランソワ・オゾン 出演:メルヴィル・プポー(ロマン)、ジャンヌ・モロー(ローラ)、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ(ジャニィ)、ダニエル・デュヴァル(父)、マリー・リヴィエール(母)、クリスチャン・センゲワルト(サシャ)、ルイーズ=アン・ヒッポー(ソフィー)、アンリ・ドゥ・ロルム(医師)、ウォルター・パガノ(ブルーノ)、ウゴ・スーザン・トラベルシ(ロマン / 少年時代)、アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ(ソフィー / 少女時代)、ほか
映画「ぼくを葬る(おくる)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ぼくを葬る(おくる)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ぼくを葬る(おくる)の予告編 動画
映画「ぼくを葬る(おくる)」解説
この解説記事には映画「ぼくを葬る(おくる)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ぼくを葬る(おくる)のネタバレあらすじ:起
31歳のロマンはゲイでパリにてファッションカメラマンとして活動していました。しかしある日倒れて、全身の至るところにガンがあり手術も不可能と告げられ、化学療法が嫌なら余命は三か月だと告げられました。ロマンは実家に久しぶりに帰りましたが、病気のことを打ち明けられませんでした。代わりに父に浮気をしておきながら、なぜ離婚しなかったのかを聞きました。
ぼくを葬る(おくる)のネタバレあらすじ:承
ロマンは恋人のサシャがいましたが別れることを考えていました。サシャは怒ってソファーで寝てしまい、その姿を撮りました。こうしてロマンは写真を遺していくことを決めました。サシャがその後ゲイバーで寝る相手を探している姿を見かけ、ロマンは悲しくなりました。ロマンは祖母にだけ病気のことを打ち明けました。そしてロマンに今夜一緒に死にたいと言い、ロマンは号泣しました。祖母は夫が亡くなった後、子供を捨てて家を出たということでした。愛人がいなければ生きられなかったけれど、それが生存本能だったのだと言いました。その夜は祖母と眠りにつきました。朝に祖母は化学療法をして生きて欲しいと言いましたが、ロマンは黙って祖母の写真を撮り立ち去りました。
ぼくを葬る(おくる)のネタバレあらすじ:転
そして帰ってきたロマンにジャニィから、夫が不妊症だから代わりにセックスして子供が欲しいのだと言われました。夫も了解してるからと言われましたが、彼は子供が嫌いだと言い拒否しました。その後、姉から手紙がきて、幼いころの愛情が懐かしい、心を開きましょう。まずは私で次はあなた、と書かれていました。そして手紙を読んで楽にはなれたけど今は会えないんだと電話で言い、公園で子供を抱く姉の姿をこっそり写真に収めたのでした。
ぼくを葬る(おくる)の結末
ロマンはサシャに会いに行き、君に最後に触れたいと言いますが断られ、代わりにサシャの手を自分の胸に当て、まだ動いている?と問いかけたのでした。そしてロマンはジャニィにやっぱり子供を作ろうと言い、自分の遺産もジャニィの子供に全て相続すると遺言書を作成したのでした。その後、海に行き一人で泳ぎました。周りには家族で遊びにきている人たちもいて、ロマンは海とその家族らを撮り続けました。ロマンにボールが飛んできてそれを少年に返すとそれは子供時代の自分でした。やがてロマンはその場で横になり涙を流し、静かに目を閉じました。ロマンは二度と動きませんでした。
印象的なのは最後のほうに主人公がソフトクリームを食べるシーンです。最初はおいしそうに食べているのですが、途中で食べる気が失せてしまい、しまいにはごみ箱に捨ててしまいます。これはなんとなく人生を象徴しているようです。味わえる時に味わい尽くせ。でも、死を目前にしたとき、その味はもうそんなに美味しくなかったりする。最後には無になる。それが人生というものなんだよ、と。