TITANE/チタンの紹介:2021年フランス, ベルギー映画。第74回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞したフランス・ベルギー合作のスリラー作品です。子供の頃に交通事故で重傷を負い、頭にチタン製のプレートを埋め込まれた女性。やがて犯罪に手を染めた彼女は肉体改造を施し、年老いた消防士の行方不明になった息子に成りすますのですが・・・。
監督:ジュリア・デュクルノー 出演者:ヴァンサン・ランドン(ヴァンサン)、アガト・ルセル(アレクシア/アドリアン)、ギャランス・マリリエ(ジュスティーヌ)、ライス・サラーマ(ライアン)、ドミニク・フロ(マカレナの女性)、ミリエム・アケディウ(アドリアンの母)、ベルトラン・ボネロ(アレクシアの父)ほか
映画「TITANE/チタン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「TITANE/チタン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
TITANE/チタンの予告編 動画
映画「TITANE/チタン」解説
この解説記事には映画「TITANE/チタン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
TITANE/チタンのネタバレあらすじ:起
南フランス。少女アレクシアは父の運転する車の後部座席にいました。アレクシアは運転中の父の邪魔をするような行動を取り、揚げ句の果てにはシートベルトを外してしまいました。父はアレクシアに気を取られるあまりハンドル操作を誤り、交通事故を引き起こしてしまいました。
父は幸いにも軽傷で済んだものの、頭蓋骨に大怪我を負ったアレクシアは頭部と首を固定するためのチタンプレートを埋め込むという大手術を施されました。リハビリの末にようやく退院したアレクシアはその頃から自動車に対して愛情にも似た強い親近感を抱くようになっていきました−−−。
−−−それから21年後。32歳になったアレクシアは未だに側頭部に決して消えることのない大きな傷跡を残していました。アレクシアはモーターショーのショーガールとしてステージで情熱的なパフォーマンスを披露し、客の男たちの視線を釘付けにする一方で若手のショーガールであるジャスティーヌに対して性的な興味を覚えていくようになっていました。
TITANE/チタンのネタバレあらすじ:承
そんなある日の夜。ショーを終え、駐車場にいたアレクシアの前にひとりの男性ファンが現れ、唐突に愛の告白をすると強引にキスをするなどして迫ってきました。アレクシアは金属製のヘアピンで男を刺し殺し、死体を車の後部座席に隠しました。
そしてシャワーを浴びたアレクシアはショールームに向かい、展示されているマッスルカーに裸で乗り込むと何と車と性行為に及んでしまいました。
翌日からアレクシアはお腹の痛みを感じ、股間から血ではなくオイルが漏れてくるなどの異常を訴えるようになりました。アレクシアは自分が妊娠したことに気付き、独力で中絶しようと試みましたが失敗に終わりました。
その夜、アレクシアはジャスティーヌと身体を重ねました。アレクシアはヘアピンでジャスティーヌを刺し殺し、現場を目撃したルームシェアの者たちを次々と殺していきました。そして自宅に戻ったアレクシアは両親を寝室に閉じ込め、家に火を放って焼き殺してしまいました。
連続殺人犯として追われる身となったアレクシアは10年前に当時7歳で失踪した少年アドリアンになりすますことを想いつきました。アレクシアは髪を切り、胸や腹にさらしを巻いて体型をごまかし、自らの鼻を殴って変形させました。
TITANE/チタンのネタバレあらすじ:転
アレクシアはアドリアンと名乗って警察に出向き、程なくしてアドリアンの父ヴァンサンが迎えに来ました。ヴァンサンは警察からDNA鑑定を勧められましたが断り、そのままアレクシアをアドリアンとして連れ帰りました。
消防隊長をしているヴァンサンはアドリアンが失踪してから妻と離婚し、今では消防署に寝泊まりしていました。ヴァンサンはアドリアン(アレクシア)を部下の消防士ライアンたちに紹介し、見習いの消防士として働かせることにしました。
ライアンたちは素性のわからぬ突然の“息子”の登場に困惑しましたが、それでも誰一人としてヴァンサンに意見する者はいませんでした。
アレクシアはヴァンサンと現場に出向き、人命救助に精を出しました。その一方でアドリアンは執着心の強いヴァンサンから逃れようとも考えましたが実行には至りませんでした。
ヴァンサンは隊員たちに自分の力を誇示しようとステロイド注射を打って老化を抑えようとしていました。
そんなある時、ヴァンサンはステロイドの過剰摂取により倒れてしまい、それを見たアレクシアはアドリアンを演じ抜くことを決意しました。
“アドリアン”の存在に疑問を感じたライアンは、その正体についてヴァンサンに明かそうとしました。ヴァンサンも薄々“アドリアン”が本物ではないことに気付いていましたが、ライアンにこれ以上の詮索はするなと命じました。
TITANE/チタンの結末
ヴァンサンの別れた元妻はアドリアンが見つかったとの知らせを受け、消防署を訪れました。元妻は一目でアドリアンが偽物であることに気付き、“アドリアン”を問い詰めましたが、“アドリアン”は何も答えませんでした。
元妻は部屋に入った“アドリアン”がさらしを外し、妊娠中の腹を掻きむしる光景を目撃してしまいました。腹の皮膚は破け、中から金属が露出していました。元妻はアレクシアにヴァンサンの面倒を見るよう告げました。
ライアンは森林火災の現場に出向いた際に“アドリアン”の正体をヴァンサンに教えましたが、その直後に火災に巻き込まれて死亡してしまいました。その夜、ヴァンサンはアレクシアの裸を目撃してしまいましたが、それでも「お前は俺の“息子”だ」と庇い続けました。
いよいよアレクシアの臨月は近づき、身体は徐々に崩壊し続けていきました。ヴァンサンは苦しみにもがくアレクシアに助けを求められ、励ましながら出産を手伝いました。そしてアレクシアは頭と背骨がチタンでできている赤ん坊を出産しましたが、ヴァンサンに正体を明かした後に息を引き取りました。
ヴァンサンは赤ん坊を抱き、「俺がついている」と語りかけました。
以上、映画「TITANE/チタン」のあらすじと結末でした。
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