ローマでアモーレの紹介:2012年アメリカ,イタリア,スペイン映画。ウディ・アレンらしい恋愛群像劇です。個性的な人たちばかりですが、日常のローマで起こる出来事をのぞき見するようでとても面白い作品です。結局誰を、何を選ぶのか。その選択がとっても楽しく幸せにしてくれます。
監督:ウディ・アレン 出演:ウディ・アレン(ジェリー)、ロベルト・ベニーニ(レオポルト)、ペネロペ・クルス(アンナ)、アレック・ボールドウィン(ジョン)、ジェシー・アイゼンバーグ(ジャック)ほか
映画「ローマでアモーレ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ローマでアモーレ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ローマでアモーレの予告編 動画
映画「ローマでアモーレ」解説
この解説記事には映画「ローマでアモーレ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ローマでアモーレのネタバレあらすじ:起:観光客のヘイリーと地元のミケランジェロ
ヘイリーはアメリカからローマに観光に来ていました。そこで知り合った地元のミケランジェロと恋に落ち、そのまま結婚することを決めます。ヘイリーは自分の両親をローマに呼んで、ミケランジェロの家族に紹介をしました。なかなか話がかみ合いませんでしたが、ミケランジェロの父がシャワーを浴びている時の歌声を聞いたヘイリーの父ジェリーは彼の才能を世に出すべきだと、自分の持っているつながりを使い彼にオーディションを受けさせました。しかし、結果はダメでした。ミケランジェロはジェリーに自分の父が恥をかかされたことに腹を立て、家族同士でケンカになります。誰でもシャワー中には歌がうまく聞こえるものだ、との発言にジェリーはいい案を思いつきます。それは簡易のシャワー室を舞台に用意し、そこで歌を歌うということでした。ミケランジェロはその案には反対でしたが、この舞台が好評でミケランジェロの父は成功を収めます。自分の才能を確かめることができたミケランジェロの父は満足し、もうオペラは歌わないと家族に誓いました。彼の一番大切なものは家族であることを改めて感じ、彼ら家族は仲良くなり、ミケランジェロとヘイリーは結婚式のことを相談し始めるのでした。
ローマでアモーレのネタバレあらすじ:承:一般人のレオポルド
毎日同じ日々の繰り返しをして過ごしている一般人のレオポルドでしたが、ある朝、目覚めると自分が有名人になっていました。家の外にはパパラッチたちがたくさんいて、家の前でも、職場でも囲み取材の攻撃に会います。妻も子どももいるレオポルドですが、女性にモテモテで、常にモデルや美人秘書と一緒にいました。座席の取れない人気店でも顔パスで入店出来たり、映画のレッドカーペットへの招待など、毎日がセレブ生活でした。しかし、だんだんこの生活に嫌気がさしたレオポルドは普通の生活に戻りたくなりました。ある日、別の一般人がレオポルドに代わって有名人になりました。普通の日常に戻りたかったレオポルドでしたが、だんだんみんなに存在を忘れられてゆくことが嫌になり、自分がレオポルドだと主張し始めます。しかし、人々は彼を相手にはしませんでした。でも落ち込むレオポルドの隣には優しく声をかける妻がいました。
ローマでアモーレのネタバレあらすじ:転:新婚夫婦 アントニオとミリー
アントニオとミリーは田舎から出てきたばかりの新婚夫婦。ホテルに到着した二人はこれからアントニオの親戚に会う約束がありました。せっかくだからミリーは美容院へ行きたいといいだします。約束までに時間がないが、しぶしぶ送り出したアントニオのところへコールガールのアンナがやってきます。すると、アントニオの親戚も部屋へやってきました。アンナは仕方なく彼の妻ミリーのふりをすることにしました。パーティに向かった2人でしたが、そこにいた男性はほとんどアンナの顧客ばかりでした。アンナは清純なアントニオにテクニックを教え込みました。そのころ、ミリーは美容室を探せず、携帯も失くし、道に迷い、途方に暮れていたところに映画撮影をしていた大ファンの俳優ルーカ・サルタに出会います。彼に誘われ、もうアントニオの親戚との食事をあきらめたミリーはそのままルーカ・サルタとご飯を食べに行きます。そのまま、彼の泊まっているホテルへ向かった二人。ミリーは彼のことを気にしながらも、ルーカ・サルタとの時間を過ごしたい気持ちが強くなりました。しかし、そのホテルには強盗が隠れていました。強盗に襲われた2人でしたが、さらに追い打ちをかけるように、ドアをノックするのは別居中だと言っていたルーカ・サルタの妻でした。絶体絶命のルーカ・サルタを助けるために彼をバスルームに隠し、強盗とミリーはベッドに入り、彼の妻を追い返すことができました。ルーカ・サルタは部屋を出ていき、残された二人はそのままベッドで過ごしました。お互いに違う人と関係を持った二人でしたが、この経験のおかげでお互いの愛を確かめ合うことができました。
ローマでアモーレのネタバレ結末:女優の卵モニカとサリー
アメリカの有名建築家ジョンと建築家志望のジャック。30年前にジョンが住んでいたアパートに今住んでいるのがジャックでした。ジャックはジョンを部屋に招待しました。ジャックの彼女のサリーの親友がローマにやってくることをジャックに伝えると、ジョンは気を付けるように忠告します。その忠告に疑問を持つジャックでしたが、どんどんモニカに惹かれていくのでした。自分の彼女の親友を好きになってしまったジャックはついにモニカと関係を持ってしまいます。サリーと別れ、モニカと付き合うことを決断したジャックでしたが、モニカは映画のオーディションに合格したと連絡が入り、ジャックのことなど何もなかったかのようにあっけなく帰国することを決めます。結局、ジャックはサリーと別れずにすむことができました。ジョンの言った通り、気を付けるべきだったのです。
「ローマでアモーレ」感想・レビュー
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時空を超えた人間ドラマ「ミッドナイト・イン・パリ」に続くウディ・アレン欧州編、舞台はローマ。今回は個性的芸術家は登場せず、たまたま旅行中だったり、親戚を頼って田舎から出てきたり、現地に暮らす冴えないサラリーマンなど、どこでもいそう(かつ多少神経質でチキン)な人々がちょっとしたキッカケで人生が激変し、戸惑ったり迷ったりうっかりのせられたりと、見るからに開放的魅惑的なロケーションの中、それぞれが巻き起こすドタバタが織りなす群像劇。アレック・ボールドウィン、ロベルト・ベニーニ(Life is Beautiful)、ペネロペ・クルス、エレン・ペイジに加え、久々にウディ自身出演となれば、安心して笑える作品。
シャワー室で歌う時だけカルーソー並な、陰気な葬儀屋さん(本職のテノール、ファビオ・アルミリアート熱演)、必見です!
ウディ・アレン演じる主人公が娘の婚約者の父親の歌声を聞き、オペラ歌手としてのオーディションを受けさせるのですがうまくいかず、シャワーの中では上手く歌えるはず、ということで、なんとステージ上にシャワー室を設けることに。ありえないアイディアが形になり、ステージ上に現れたときの存在感に思わず笑ってしまいます。ほぼ全編ローマで収録されているので、イタリアの街並みを楽しみたい人にもおすすめです。