ときめきに死すの紹介:1984年日本映画。芥川賞作家・丸山健二の同名小説を森田芳光監督が映画化したサスペンス作品です。舞台は原作の信州の避暑地から北海道に置き換えられ、沢田研二演じる正体不明の暗殺者が謎の組織から派遣された男女と奇妙な共同生活を送りながら宗教団体会長の命を狙うまでの過程を描きます。
監督:森田芳光 出演者:沢田研二(工藤直也)、杉浦直樹(大倉洋介)、樋口可南子(梢ひろみ)、日下武史(中山)、岡本真(谷川)、矢崎滋(新城)、加藤治子(おたえさん)、宮本信子(旅館の女将)ほか
映画「ときめきに死す」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ときめきに死す」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ときめきに死すの予告編 動画
映画「ときめきに死す」解説
この解説記事には映画「ときめきに死す」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ときめきに死すのネタバレあらすじ:起
北海道の山奥の田舎町にある「渡島駅」に一人の男、工藤直也(沢田研二)が降り立ちました。謎の組織から面識のない工藤の面倒を見るよう依頼されていた大倉洋介(杉浦直樹)という男が彼を迎えに行き、これから工藤が生活することになる住宅へと案内しました。
元々歌舞伎町で医者をしていたものの妻と離婚し、自暴自棄になっていたところを組織から大金で雇われた大倉は、組織から事細かく工藤の食事の好みなどを指示され、工藤の要望は聞くよう申し付けられていました。工藤はバタフライナイフの収集を趣味とし、部屋で黙々と筋力トレーニングに励む人物でしたが、その素性は決して大倉に明かすことはありませんでした。
ある日、朝のトレーニングを終えた工藤は大倉と海に出かけました。大倉は若い女たちをナンパしている間、海で泳いでいた工藤は見知らぬ男にしつこく絡まれ、「殺すぞ」と言って叩きのめしました。工藤と大倉は車で帰ろうとしましたが、運転の苦手な工藤は他の車に衝突してしまい、乗っていたカップルといざこざを起こしてしまいました。
ときめきに死すのネタバレあらすじ:承
組織はコンピューターで工藤や大倉らを自動的に選出、彼らの行動パターンや組織が始末すべき人物などもコンピューターが導き出してしていました。コンピューターは数あるイベントコンパニオンの中から工藤と大倉の好みに会う人物として梢ひろみ(樋口可南子)という女がピックアップされ、翌日にも二人の元に送り込まれることになりました。その後、工藤は大倉と共に釣りに出かけ、大倉は初心者である工藤に手取り足取り教えました。
翌日、渡島駅に梢ひろみが到着、工藤と大倉は迎えに行きました。大倉が海でのトラブルの件で地元警察に呼び出されている間、工藤と二人きりになった梢は彼を誘惑しようとしますが、工藤は女には全く興味がない様子で黙々とナイフを磨くのみでした。梢から話しかけられた工藤は「人を殺したいと思ったことがあるか」と問いかけてきました。
翌朝、梢は署から戻った大倉に工藤が自分に手を出してこなかったことを伝えました。梢は今度は大倉を誘惑しますが、大倉は工藤より先に抱くわけにはいかないと自制しました。
工藤、大倉、梢は海に出かけ、工藤が泳いでいる間に大倉と梢は会話を持ちました。二人とも組織にたまたま雇われただけに過ぎず、組織の実態や目的についても何一つ知らされていませんでした。
その後、大倉は一人で娼婦を買いに行き、宿の女将(加藤治子)からこの村を牛耳る新興宗教団体「(ハートマーク)なしでは生きてはいけない」会長の谷川(岡本真)が今週末にこの村を訪れること、そしてこの村の大多数を占める信者が総出で歓迎体勢を敷くことを知りました。
ときめきに死すのネタバレあらすじ:転
教団の幹部たちが集う会合で、コンピューターは次に排除すべきターゲットを指し示しました。何とそれは会長の谷川そのものであり、一同は騒然となりました。別室では裏で教団を牛耳る副会長の中山(日下武史)が少年にパソコンの操作を指示していました。そんなことを知らぬ村人たちは着々と谷川を歓迎する準備に取り掛かっていました。
組織から工藤宛に大事な荷物が届くと告げられた大倉は受け取りに行き、工藤は受け取った荷物を大事そうに抱えました。その夜、大蔵は組織から連絡を受け、明後日に迫った“決行時刻”までに村に戻ってくるなら工藤の希望するところへどこへでも連れていくよう指示されました。工藤ら三人は大倉の運転する車で山奥の集落に向かい、工藤は大事な荷物を集落のうちの一軒に置くと足早に立ち去っていきました。
その後、工藤は旅館に立ち寄って娼婦を抱き、住処に帰ると部屋で一人ナイフを突き刺す予行を行いました。梢はそんな工藤に近づき、そっとキスをしました。
ときめきに死すの結末
決行当日の朝、事の重大さに気付いた大倉は工藤に任務を放棄して逃げようと持ち掛けましたが、工藤は「誰がやるんだバカ野郎!」と取り合いませんでした。仕方なく大倉と梢は渡島駅まで工藤を送り、工藤はただ「さよなら」とだけ告げて群衆の中へと消えていきました。梢は工藤の後を追おうとしましたが、大倉は何事もなかったかのようにパチンコを打ちに去りました。
村人の大歓迎を受けて渡島駅に谷川が到着しました。工藤はナイフを懐から取り出して谷川を刺そうとしましたが、多勢の警備員と信者たちに取り囲まれて失敗、そのまま警察に逮捕されました。谷川はそのまま迎えの車に乗りましたが、組織があらかじめ用意していたスナイパー(矢崎滋)が谷川を射殺しました。
周囲が騒然とする中、パトカーに一人取り残された工藤は手錠のかかった手首を噛みちぎり、車内を鮮血に染めながら絶叫していました。
以上、映画「ときめきに死す」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する