となりの凡人組の紹介:1993年日本映画。家庭や近所では優しいお父さんですが、裏の顔は知る人ぞ知るヤクザの凡野組親分の平太郎は、アメリカ留学から帰ってきた長女の仁子が、友好関係にある荒貝組の息子で若頭の強史と恋人同士になってしまいます。二人を引き離したい平太郎でしたが、そのころ関西からやってきた氷室組が、凡野組と荒貝組の縄張りを荒らし始め…という内容の新田たつお原作漫画の実写映画化作品です。カンフーアクションスターの倉田保昭主演ですが、アクションシーンはあまりないコメディ映画です。
監督:伊藤裕彰 出演者:倉田保昭(凡野平太郎)、中山忍(凡野仁子)、菊池健一郎(荒貝強史)、小林勝彦(荒貝組長)、あき竹城(亀森ガメ子)、ほか
映画「となりの凡人組」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「となりの凡人組」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「となりの凡人組」解説
この解説記事には映画「となりの凡人組」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
となりの凡人組のネタバレあらすじ:起
新居に妻の冴子と次女の義子と引っ越してきた凡野平太郎(倉田保昭)は、娘達には18年間も内緒にしている新宿歌舞伎町のヤクザで、凡野組の組長です。凡野組の収入源は、縄張りの用心棒代と称して、ぬいぐるみのレンタルをしています。
平太郎の近くにはいつも、暴力団担当刑事の成田がつきまとっていました。ある夜、縄張りの中のクラブから呼び出しがかかります。平太郎らがかけつけると、関西の巨大組織山王会系の氷室組の組員たちがホステスを集め、やりたい放題に騒いでいました。
平太郎が話に行こうとすると、荒貝組の息子で若頭の荒貝強史(菊池健一郎)らが入って来ます。強史は「うちの縄張りを荒らしている氷室組を探している」と言って、喧嘩を始めます。平太郎も加わると、奥のボックス席から組長の氷室が出てきました。そして「お前たちのかなう相手じゃない!」と言って、組員たちを止め、引き揚げました。
事務所に戻った氷室は「凡野は背中に金色の唐獅子牡丹の刺青の入った伝説のヤクザの鬼の虎政かもしれない。背中の刺青を調べてこい」と言います。
翌日、アメリカから長女の凡野仁子(中山忍)が帰って来ます。一人娘が男と同棲すると出て行った隣の野村夫妻は「家族が仲良くて羨ましい」と見つめていました。妻の冴子が「18歳になった仁子に本当の事を話したらどう?」と平太郎に言いますが、「ダメだ、その時が来たら言う」と言います。
となりの凡人組のネタバレあらすじ:承
翌日、新宿に来ていた仁子は平太郎に電話をし「今からお父さんの会社へ行く」と言って切ります。慌てた平太郎は組員たちにスーツを着せ、部屋の様子を急いで変えました。やってきた仁子は、父の会社が狭く小さかったことから「留学までさせてくれてありがとう」と感謝します。そこへ、亀森組の組長のガメ子(あき竹城)が入って来ます。ガメ子がヤクザ同士の会話を始めたことから、平太郎は慌てて仁子を外に出しました。
歌舞伎町の裏路地を帰っていた仁子は、道に迷いシャブ中毒の男に刀で襲われます。通りかかった強史が男を痛めつけ、仁子を助けました。二人は一目ぼれし、仁子が「お仕事は何?」と聞くと、強史は「荒貝組の次期2代目です」と答えると、仁子は建設会社と勘違いし、強史もまたヤクザだとは言いませんでした。二人は、また会う事を約束し別れました。
氷室組の組員は、平太郎が銭湯を入るのをつけていました。服を脱いだ平太郎の背中には刺青はなく、逆に平太郎に脅されて帰って来ます。一方、仁子と、強史は初デートをします。強史は暴れん坊ですが、女にはからっきし弱く、デートの教本を読んで仁子をエスコートしていました。冴子は平太郎に「仁子に彼氏が出来た」と教えます。
そんなある日、強史が仁子を家まで車で送って来ます。表に出た平太郎は、強史の顔を見て愕然とし、強史もまた逃げ帰ります。平太郎は仁子に「あの男だけはやめろ」と言いますが、仁子は怒って部屋にこもりました。平太郎は冴子に「あいつは荒貝のせがれだ。明日、荒貝に話に行ってくる」と言いました。
となりの凡人組のネタバレあらすじ:転
新宿の縄張りを、荒貝、亀森と分け合って友好関係を続ける平太郎は、シルクハットの親分と言われる荒貝に会いに行きます。強史も同席する中「娘には一切近づくな」と迫ります。すると荒貝は「二人を結婚させて、組を合併し強史に任せたらどうだ?」と言いました。聞いた平太郎は怒って帰ります。
平太郎は組員たちや、ガメ子に強史の事を聞きます。すると、暴れん坊だが童貞で、女に関しては真面目で、本当に好きな女じゃないと自分の女にはしない男だという事がわかりました。
氷室組が、凡野組、荒貝組を続けて襲撃します。その後、荒貝は引退を決め、跡目を強史に譲りました。オジキの三船の前で「日本を制圧する」と太い啖呵を切ると、三船は「バカ野郎、天下をとれるやつは、背中に金色の唐獅子牡丹の刺青のある鬼の虎政だ」と言われます。
平太郎に、跡目を継ぐあいさつに来た強史は「襲名披露が済んだら、仁子さんに、オレもアンタもヤクザだという事をバラす」と言います。平太郎は強史をヤクザの無縁仏のある部屋に案内します。そこで強史は「アンタみたいなダサいヤクザじゃなく、金色の唐獅子牡丹の入った本物のヤクザに会いたい」と言いました。
その後、強史は先頭に立って氷室組への襲撃を始めます。平太郎は冴子に「仁子に真実を話すことに決めた」と言うと、冴子は「私が好きになった人もヤクザでした」と答えます。
となりの凡人組の結末
翌日、仁子は街でガメ子に会います。何も知らないガメ子は、強史と平太郎のヤクザとしての関係を話してしまいます。聞いた仁子はショックを受け、平太郎の会社へ入ります。そこはまさに組事務所でした。平太郎の顔を見た仁子が事務所を飛びだすと、子分を連れた強史が目の前にいました。平太郎と強史に挟まれた仁子を、氷室組がさらっていきます。
平太郎に氷室から電話が入り「強史を連れて二人だけで来い」と言います。「一人で行く、殺されてもいい」と強がる強史を説得し、平太郎は強史を連れて指定された海運倉庫へ着きます。事務所には、組員たちが大勢いて、氷室の横に仁子がいました。平太郎が「シマを全部やるから仁子を返せ」と言うと、氷室は「娘も一緒に3人まとめて殺せ」と言います。
平太郎と強史は組員たちに襲いかかり、暴れまくります。一通り組員たちを叩きのめすと、氷室が日本刀を持って立ち上がりました。平太郎は強史に「手を出すな。こいつだけは許さねえ」と言って上半身裸になります。上気した背中から金色の唐獅子牡丹が浮き上がります。強史は驚き、氷室は「隠し彫りか。やっぱりお前だったか!」と言いました。
日本刀を振りかぶる氷室を、いとも簡単に平太郎が叩きのめすと、成田刑事が入って来ます。そして「お前ら二人も一緒に、全員逮捕だ」と連行されました。警察で待つ冴子と仁子の元へ、平太郎と強史が解放され出てきます。成田は「留置場がいっぱいだから、今日は許してやる」と言って出て行きました。
平太郎は強史の肩を抱き「仁子との交際は認めてやるが結婚は許さん」と言います。自宅に帰った平太郎は、妻と二人の娘と楽しそうに過ごしていました。
以上、映画「となりの凡人組」のあらすじと結末でした。
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